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2019年1月5-6日はささき君と三重県で採集しました。
初めての場所でタケノコカワニナが捕れました。殻底肋かもとよく見たら螺溝でした。
トゲアシヒライソガニモドキ、タイワンヒライソモドキ、カワスナガニなども捕れ、
低水温で死滅していないのかも。目的は別にあったので、汽水生物はほとんど無視しました。

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カワテッポウエビがぽつぽつ捕れる中、このテッポウエビは初顔かも。
吉郷さんの論文からテッポウエビ属一種Fかな。分布は沖縄島・西表島と書いてあるけど…。
この場所は時間に余裕のある時、汽水生物を調べてみたいです。良い新規開拓が出来た。

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これは良く行く別の場所。ユビナガホンヤドカリの最大級の個体でしょうね。

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学名がオブリーク体?から1週間余り。反応は薄いですが、更に整理と訂正します。
前は難しい話になってしまったので、写真を見て下さい。3つに分けました。
このように図鑑類でもイタリック体、混在、オブリーク体が存在します。
図鑑類の内容は関係ないため、あくまでも学名表記がこうでしたという分け方です。

オブリーク体と比べてイタリック体は、a の上方に飛び出た弧状の部分がない、
f の下方が伸びる、e の中心線が右斜め上を向く、hilmn の最後に跳ねがあるなど違います。
お手持ちの図鑑類等を見て下さい。この違いを知るとオブリーク体が気なってきますよ。

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前記事でHTMLはオブリーク体で、CSSはオブリーク体のような書き方をしましたが、
普及しているブラウザだと、デフォルトのフォントが、MS Pゴシックやメイリオなため、
通常はオブリーク体になります。しかし、ブラウザのフォントをTimes New Romanなど、
イタリック体が実装されているものに変更した場合は、iタグでもイタリック体になります。
また、HTMLのfont faceで、Times New Romanなどを指定すれば、イタリック体になります。
但し、このブログは土台がstylesheetで指定されているため、font faceは無効で使えません。

前記事で亜属名の丸括弧を、斜体(イタリック体とオブリーク体)にしていました。
昔は斜体にしていませんでしたが、いくつも新種記載している、Uさんに尋ねたところ、
丸括弧も斜体という回答をもらって、日淡会やカワニナ図鑑等も全て書き直しました。
しかし、国際動物命名規約に丸括弧を斜体にするべきという記述が見つからないこと、
そこで例に挙げられている丸括弧が、斜体ではなく立体であることなどから、
Semisulcospira (Semisulcospira) libertina ←全てイタリック体△
Semisulcospira (Semisulcospira) libertina ←丸括弧だけ立体○
Semisulcospira (Semisulcospira) libertina ←丸括弧とスペースが立体○
今はこんな感じかなと認識しています。スペースは印刷されないから、どっちでもいいかな。

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学名を斜体(イタリック体)で表記するのは、生物屋さんには常識だと思います。
私が斜体はイタリック体とオブリーク体の2つが存在し、異なることを知ったのは近年です。
命名規約や書体に詳しいわけでもないですが、何となくわかったことを整理します。

書体(フォント)の標準は立体と呼ばれています。それを右へ傾けたものが斜体です。
斜体を指定した場合に、イタリック体が有る場合は、イタリック体で表示され、
無い場合はオブリーク体で表示されます。但し、斜体がない書体も僅かにあります。

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先日もとある論文の学名が、本文はイタリック体で、図表はオブリーク体で気になりました。
これは使い分けというよりは、おそらく本文は雑誌側が正しいイタリック体にして、
図表は著者側が制作したものを載せているため、オブリーク体だったと思われます。
著者側はアルファベットを斜体にしたら、全てイタリック体だと勘違いしているのでしょう。

[命名規約]生物の学名は、なぜイタリックで書くのか?
こちらを拝読すると、italicsを斜体と翻訳しています。これが問題なのかもしれません。
命名規約はイタリック体と指定して記されていますが、斜体と翻訳してしまうと、
イタリック体(italic)だけではなく、オブリーク体(oblique)も含まれてしまいます。

学名が斜体(イタリック)な理由
こちらと先のブログを読むとわかりますが、簡単に言うと、
「地の文字と学名は違うフォントにしてね。学名は普通イタリック体を使うよ。」です。
そのため極端なことを言えば、地の文字がイタリック体の場合は、その中での学名は、
イタリック体で表記するべきではないです。しかし、そんな雑誌は無いと思います。
また、普通はイタリック体であって、地の文字と違いさえすれば、どんなフォントでも可能です。
それこそオブリーク体でも問題ないでしょう。しかし、そんな雑誌は無いと思います。

雑誌には投稿規定があって、学名はたいていイタリック体に強制されます。
例えば魚類学雑誌投稿規定/原稿作成上の注意/3.学名とその著者名によると、
「学名は原稿ではイタリック体または下線を引いて示す.」とあるため、
イタリック体か下線が使われます。ただ、現在では下線を使うことはほぼないと思います。

地の文字以外で学名を表記する場合は、アルファベットならば、まあ何でも良いのです。
日本語の図鑑で、急に学名が出てくるとき、まずイタリック体で書かれています。
この場合は地の文字が日本語であるため、わざわざイタリック体にする必要はなく、
立体にすれば見やすいはずです。日本語の図鑑で新種記載するわけでもないため、
命名規約に従う必要など全くありません。それでもイタリック体にするのは慣例でしょう。
慣例がルールのように使われ「学名はイタリック体。当たり前だろ。」という状態です。
確かに私もそれに従っていますし、学名は単独表記でも、イタリック体にしています。

このように学名はどんな場合も、イタリック体で書くべきという、ルール(強力な慣例)で、
論文・図鑑・ネットを見ると、オブリーク体が散見されます。これは当ルールでは誤りです。
先日とある論文で、図の6行にもわたる説明英文に、学名がオブリーク体のを見つけました。
査読段階でよく通ったなと思いました。引用文献のタイトルにある学名はイタリック体でした。
また、岐阜なんちゃら魚類という地域資料は、学名は全てオブリーク体で、
引用文献のタイトルにある学名もオブリーク体でした。これは地の文字からして誤りです。

イタリック体とオブリーク体が混在する論文は多く存在しますが、
そんな細かいルールより、本文の内容が大事なのは、言うまでもありません。
それでも、あえてオブリーク体にしなくても、イタリック体にしましょうよということです。
推奨フォントはTimes New Romanのイタリック体です。多くの論文で使われています。

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魚類学会の日本産魚類の追加種リストを見ると、学名の全てがオブリーク体です。
投稿規定ではイタリック体って書いてあるのにも関わらずです。なぜオブリーク体なのか。
学名は斜体にすれば良い。斜体はイタリック体しかない。そう間違われているからでしょう。

それとは別の問題も存在します。Webサイトのプログラミング言語であるHTMLで、
イタリック体にしたい場合は、<i>abc</i>と入力すると、「abc」と表示されます。
これはイタリック体ではなくオブリーク体です。近年はこのHTMLよりも使いやすく、
綺麗に見せることが出来るCSSへ移行しています。ようするに古い書き方なのです。
CSSであれば「abc」とイタリック体で表示されます。追加種リストはHTMLなのです。
HTMLでiタグはイタリック体ではなく、実はオブリーク体だったという問題です。

最後に総本山のICZN/国際動物命名規約を見てみましょう。
「6. The scientific... italics ...letter.」 ソースを確認すると、
「6. The scientific... <i>italics</i> ...letter.」 CSSを使おうね!!
とりあえず、学名をオブリーク体で表記するのは、何か違うので止めましょう笑。 続く

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木曽三川公園アクアワールド水郷パークセンターの堀田展示を見に行きました。
私はウシモツゴの次に、堀田へ青春を捧げたくらい、思い入れのある溝渠農業形態です。
堀田と淡水魚に関して、口頭発表や何れも共著ながら会報と書籍を書いています。
日淡会でも稚拙な文章を20年近く前に書きました。1990年代に残存する堀田は、
全て見に行ったつもりです。写真も数多く撮りました。そして私は堀田のある大垣生まれです。

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水郷パークセンター(海津市海津町)の堀田は2017年に完成しましたが、5.3km(車で8分)離れた、
海津市歴史民俗資料館(海津市海津町)には、1993年から堀田が既に展示されています。
同市同町に2つの堀田がなぜ必要なのでしょう。何かお金や業績や政治的な臭いがします。
モツゴやツチフキと書いてあるあたり、魚の専門家は入っていないのでしょう。

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堀田を見るとなんじゃこりゃでした。

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蛇篭の上に土嚢を乗せて土を盛る。これは構造から堀田とは違う。
しかもコンクリートによる排水口と、堀潰れを仕切る水門まである。
これを再生堀田とは言い過ぎです。海津市歴史民俗資料館のはもっと再現度が高いです。
管理の楽さを優先したのでしょうが、管理が大変で苦労したのも、堀田の歴史や特長でもあり、
これは近代的に改変し過ぎです。蛇篭と土嚢は、せめて木杭と木板にして欲しかった。
私の好きな堀田じゃない。人力車にエンジン付いた感じ。それを人力車と称している。

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海津市と養老町の境あたりの国土地理院(1982/10/27)の空中写真です。
左上に4つ池があり、数本の水路が左下方向へ並んでいます。これが堀田(河間吹型)です。
その場所(養老町横屋)を頭において陸軍(1945/04/05)で同じ場所を見て下さい。
周りにも堀田が広範囲にあり、4つの池付近が最後の堀田だったことが分かると思います。
この最後の堀田に1983~1984年にいた魚が、内山りゅうさんが発見したウシモツゴです。
ウシモツゴは堀田の消滅と共に、濃尾平野から消えて行ったと考えています。

その後にこの堀潰れも埋められてしまい、池の隣に堀潰れが再現されました。
国土地理院(1987/10/18)に3本ある堀です。これは堀田とは別物です。
そして濃尾平野のウシモツゴは自然絶滅し、飼育下の個体だけが生き残りました。
そのウシモツゴを養老町横屋ではなく、養老町有尾に放流し、里帰りと称する活動もあります。
現在は堀田だけではなく、池も2つが埋められて、悲しい感じになっています。

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2018年10月20日は淡水貝類研究会(岐大)へ行きました。
ちりぼたんに要旨が掲載されるので、隠す必要はないのですが、大変に刺激を頂きました。

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魚類学会よりも真面目に拝聴していた気がします。何かすみません。
懇親会が4時間もあるっていいです。2000円の元を取ろうと、缶酎ハイではなく、
一番搾りばかり呑んでいたのは私です。酔っぱらって何を話したか、あまり覚えていませんが、
重鎮ともお話できて勉強になりました。後半は美人のS女さんと、心理戦をやっていたような。
こうして楽しく終われるのも、会場の設営や片付け等で、世話を焼いて下さる、
岐大の皆さんがおられてこそで、毎年感謝しています。また来年も宜しくお願いいたします。