
2025年2月22日は静岡県でオイカワムツ(ワム)さんとカワニナ類を採集しました。
一番の目的はサキガケカワニナの模式産地での採集(トポタイプ)です。
サキガケカワニナのホロタイプは、静岡県磐田市平松の一雲済川(水深0~1m)で、
2021年2月21日にさわだ君によって採集されています。
ここは私とT.Nagaさんが2019年2月3日に、一番圦橋のすぐ下流(磐田市掛下)で採集し、
その場所をさわだ君に教えて現地へ行ったら、下流は工事中ですぐ上流で採集したそうです。
距離の違いは100mほどですが、地名が掛下ではなく平松で、模式産地とは言えない場所に…。
掛下で捕った個体はトポタイプとは呼べません。細かいことに拘り過ぎなのは承知の上です。
平松へ捕りに行くしかありません。それと合わせて別の場所でもカワニナ採集しました。
1箇所目は空振り。2箇所目は一雲済川と天竜川の合流近くで空振り。
3箇所目は模式産地です。一雲済川の平松地区は200mほどで短いです。
その範囲を2人で徹底的に本気で探しました。カワニナ種群(L4かな)の幼貝2個体だけで、
サキガケは殻1つ捕れません。採集者が入って荒らしたような形跡はありません。
干上がった場所には、タイワンシジミ類の死殻はあるが、サキガケは見られません。

2019年は普通に捕れた場所へ移動し、頑張ってみますが捕れません。
ワムさんが捕れたというので、見るとサキガケの幼貝でした。まだ残っていたかぁ。
とその場では思いましたが、家へ帰って確認すると、砂礫が詰まった死殻でした(右)。

4箇所目は一雲済川へ流れ込む水路です。おそらく取水も一雲済川だと思います。
カワニナ種群(L4かな)だけ。5箇所目は上流(新東名よりも北側)の一雲済川は空振り。
一雲済川の上中下・水路と粗方は探したつもりですが、サキガケは見つかりませんでした。
とても残念なことに、サキガケの模式産地及び東限は、絶滅している疑いがあります。
2019年よりも水が少なく、河川工事の影響もあるでしょうが、殻1つというのは異常です。
さわだ君が捕った2021年から、4年しか経っていませんが、最近いなくなったのであれば、
死殻がもう少し見つかるはずです。2021~2023年頃に死滅したのかもしれません。
ここで「湖岸近くに生息する高水温に弱い生物は、地球温暖化で死滅しているかもしれません。
というのも、2015年を最後に捕れず、報告もない生物がいるのです。絶滅したかも。」
と思わせぶりなことを書きましたが、これはビワコドブシジミです。10年も見つかりません。
サキガケが見られなくなった理由も、近年の夏の高温が影響しているかもしれません。
水量の少ない浅い川なため、夏に渇水と高温が来たら、茹で死ぬことも考えられます。
ヒトのようにエアコンを使うことも出来ないですから、高水温に対応できない生物は、
一気に死滅すると思います。これからもそうした生物が増えることを懸念します。
サキガケは矢作川、豊川、都田川、一雲済川の4水系(参考図表の左から順)ですが、
一雲済川だけではなく、矢作川及び水系でも近年見つからず(私たちがだいぶ探しました)、
都田川は風前の灯火です。豊川は2011年から何度も見に行っていますが、
普通にあちこちで見られたのが、近年は探して数個体しか見られなくなりました。
現在のサキガケは豊川で僅かに見られるだけです。環境の保全や採集禁止にするだけでは、
地球温暖化による高水温死滅は避けられないため、早急な個体の保護が必要かもしれません。
これはサキガケに限らず、移動能力の低い他生物でも、注視して対応するべきだと思います。

6箇所目はカワニナ種群(L4かな)が捕れました。7箇所目は空振り。8~10箇所目は魚撮影。
ワムさん付き合ってくれてありがとうございました。サキガケの今後が心配です。