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愛知県の汽水域で採集したヒメシラトリです。
ヒメシラトリ、サビシラトリ、ユウシオ、トガリユウシオと似たのが多く、
同定に苦労します。これもヒメシラトリじゃないかなぁという写真も撮りましたが、
誤同定が怖くて載せられませんでした…。なんか守りというか手堅くて嫌になります。

よく生物図鑑は間違いなくこの種類だ!という、典型的な個体の写真を載せていますが、
実際はそんな典型的な個体ばかりいるわけではなく、たくさんのわかり難い個体がいて、
同定に困る人が多く、そういう個体こそ、図鑑に載せる意味があると思うんですけどね。
だから写真掲示板は、典型的な個体ではない方が、意味があると思っています。
日淡は攻めでもなんとか対応できそうですが、日貝まで攻めは無理です…。

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三重県の汽水域で採集したイソシジミです。
干潟の深めのところを掘ると、沢山出てくることもあり、掘る手が止まらなくなります。
ウナギ釣りの餌で捕る人を見かけますが、あんまりおすすめできない餌です。
釣餌屋さんではアケミガイの名で売られています。ちなみに磯で見たことはありません。

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左がヤマトシジミで、右がイソシジミです。両者は同じ科ですらありません。
水槽ではあまり長生きしないため、たいてい貝剥きナイフで開いて、
殻ごと水槽の中へ入れてやります。そうすると魚や汽水生物たちの餌になります。
ついでに、真ん中の魚はタネハゼですが、水槽に餌を3日以上入れないと、
たいてい鰭がボロボロ。鰭はトサカギンポたちの餌になります。

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昨年、別のブログでも同じタイトルで記事を書きました。
それだけ多いネタなのですが、このブログでも書いておこうと思いました。
さて、写真は昨日(2009年11月26日)に名古屋市のスーパーマーケットで見てすぐ、
偽装ってるとわかりました。店内で撮影して、安かったので購入しました。
写真にモザイクを入れて、あえて疑惑と書きましたが、限りなく黒に近いグレーです。
なお、証拠としてこのシジミパックは冷凍庫に眠らせています。食べるかも。

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三重産のシジミにしては安い。それだけでも見分けるポイントになります。
こうしたシジミは貝卸売業者がスーパーに卸す前に偽ったり、
スーパーの工場で偽装パッキングされて各店舗に送られたり、
シジミだけ送って各店舗でパッキングされる場合が多いようです。
そのため各店舗内で偽装作業しているとは限らず、
消費者が産地偽装に気付いても、店長呼んで来いっでの解決は難しいです。
気付いて腹が立ったら、各都道府県の食品表示110番に電話してみましょう。
私はまたやってるわと思うくらいで近年は麻痺しています。

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日本で「しじみ」と呼ばれ売られているものは、ヤマトシジミ(汽水)、
マシジミ(主に淡水・汽水)、セタシジミ(琵琶湖)の3種類だけです。
これに混じって放流された外来シジミ(タイワンシジミ種群など)が、
特に関東では捕れるようで、関東産のシジミパックではたまーに見かけます。
三重県は●三重産しじみ1と2にも書いていますが、
シジミが捕られている産地がほぼ木曽三川河口域付近に限られていて、
そこではヤマトシジミとそれに少し混じったマシジミくらいしか捕れません。
外来シジミが出るとしたら、タイワンシジミ種群が希に混じるかもという程度です。
しかし、この2パックに入っているシジミは、全て外来シジミです。

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これは中国の太湖産シジミ(Corbicula largillierti)だと思います。
ヤマトシジミやマシジミでここまで膨らみが強いものはありません。
産地偽装と思われるシジミの5割くらいはこの太湖産シジミのため、
膨らみが強いというだけでもスーパーで見分けるポイントになります。
また、琵琶湖産(セタシジミ)ではない場合、シジミパックの大半は
ヤマトシジミのため、黒くて光沢のあるシジミが1つもなかったら怪しいです。

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特徴のある個体を選んで撮影してみました。
下段中央はまずタイワンシジミ種群だと思います。
太湖産シジミはタイワンシジミ種群が僅かに混じって捕れているようです。
これらに加えてロシア産シジミやヤマトシジミぽい北朝鮮・韓国産シジミが、
混ぜてある場合もあります。更に日本産ヤマトシジミも混ぜてあったり、
国を超えてオリジナルブレンドされたものが売られていることもあります。
それをブレンドしましたとか、ロシア産とか書いている店は見たことがありません。

私はこの問題は結構調べていて、1件は悪質と思って通報したことがあります。
その後にこのスーパーには、以前はなかった、店内撮影禁止と書いてありました。
おそらく私が店内で撮影したものを、証拠として出したからだと思います。
まだ偽装する気かと思いましたが、スーパーにとってはバレたら信用問題で、
ハイリスク・ローリターンの産地偽装は止めたらいいのにと思います。
たいてい偽装が発覚しても、改善指示が出るだけなので、ローリスクなのかな。

誤解されたこともあるのですが、これはたまにマスコミで取り上げられる、
蓄養による呼称の変更問題ではありません。三重県はシジミの資源量は豊富で、
わざわざ国外産を輸入して蓄養する方がコストが掛かるでしょうし、
パックに入っていたのは中国の淡水域に生息する種類のシジミのため、
三重県の貝業者の施設は沿岸域がほとんどで、淡水で蓄養するとは考えられません。

私はスーパーに行ったら必ずシジミ売場を覗いていますが、
数年前まで安さを売りにした地元密着型の中堅スーパーのシジミは、
呆れるほど産地偽装が常態化していました。やっていないところの方が少ないくらい。
今年も何件か確認しましたが随分と減りました。まだまだ探すとありますけどね。
大手のイ○ン系スーパーだけは、これまで1度も偽装を見たことがありません。
シジミを通じて他の商品も良いものだと、私の中では信用度が高くなりました。
大手に対抗する中堅のスーパーは、こうしたところでコストカットしているのかな。
なんだか長文でぐだぐだしてきたので、このあたりで止めておきます。

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愛知県の汽水域で採集したソトオリガイです。
貝殻から軟体部がはみ出ています。砂泥でよく捕れます。

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三重県産の小さな個体。別の種類かと思いました…。

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多産地では底を掘れば掘るだけ出てくるのですが、身は取り出し難く、
砂泥が付着しているから食べられないし、剥き身を魚の餌にもし難いし、
すぐに貝殻が割れるので汽水魚水槽で飼育するのもうまくいかないし、
ウナギ釣りの餌になるかもしれないが、一緒によくいるイソシジミの方が良いし。
使い道がない。けどいっぱいいる。誰も持ち帰らんし。そういうものこそ、
天邪鬼根性で知恵を絞って、使えるものに変えて来た私じゃないか。でも無理…。

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三重県の高い塩分の汽水域で採集したムラサキイガイです。
外来生物です。ムール貝と呼ばれて売られていることもあります。
酒蒸にしたところ、身がオレンジ色で、食欲をそそらない感じでしたが、
口にすると意外とうまい。でも二枚貝は貝毒が怖いのでほどほどに…。

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昨年の春に愛知県の海で捕った二枚貝たちですが、
ムラサキイガイを含めて外来二枚貝が3種類いました。