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2021年2月6日夜~7日未明は愛知県で採集しました。
狙いはマツカサガイとクロダカワニナです。1箇所目。ヒメタニシすらいない酷い環境。
2箇所目。捻挫の痛みに耐えて頑張りましたが、カワニナ種群しか捕れない。
写真はその場所です。軟体部の色は黒っぽいけど、カワニナとチリメンの中間形態です。
マツカサガイの殻は、数個ほど見つかったので、希望はあると思って上流へ移動しました。

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3箇所目。5分くらいで2個体が捕れました。レッドデータブックあいち2020によると、
「県内における生息場所は木村(1994)を含めて現在5カ所しかなく」とあります。
岡崎市、豊川市、木村(1994)は確認していませんが、写真から安城市だろうと思われます。
ようするに三河地方です。私が捕った個体は尾張地方です。それに加えて、
「1960年代中頃までは木曽川水系の日光川、五条川、矢作川水系、豊川水系など」
で確認されていたとありますが、どの川でもないです。こうした場所は移入の疑いもあるため、
遺伝子・文献・標本など調べる必要はありますが、生息場所は6カ所になったと思います。

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4箇所目。こうなると次はクロダ探しです。カワニナ種群はまあまあ見られます。
その中に紛れて1個体が捕れました。先にクロダがいて、生態地位的として同じと思われる、
カワニナ種群が侵入すると、クロダの方が弱くて、絶える方へ向かうのだろうか。

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左がクロダ、右がカワニナ種群。クロダの胎殻は受精していないのかも。
1個体しかいなかったので、雄と出会えていなくて、繁殖が出来ない雌なのかなぁ。

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2020年12月06日は滋賀県で、さわだ君、かおるさん、西村で採集しました。
1箇所目。新調したドライスーツを試します。私はドライスーツを使うこと自体が初体験です。
さわだ君に道具や扱い方など指導してもらいました(感謝)。さわだ君は胴長でカワニナ採集。
かおるさんは見守る係。琵琶湖は水温12~13℃、気温10℃くらい。晴れで弱い日差しがある。
私にはウエットスーツで、1時間くらい余裕な状況ですが、普通の人には辛いかもしれません。

1.下半身は普段着で、上着だけ濡れても良い、長袖Tシャツに変える。2.ドライスーツに入る。
3.ウエイトベルト2つ、ウエイト12.5kg装着しましたが、重くて腰骨が痛くなってきたので、
10kgに減らしました。4.ウエイトベルトに網袋を付ける。5.フード、グローブ、フィン、
カクションカメラ、シュノーケル+マスクを装着する。6.琵琶湖へ入ってバルブから排気する。
ウエットスーツとあまり時間が変わらない気がする。価格は5倍以上しますけどね。

泳ぐと頭と手は濡れるので、一時的に冷たさを感じるが、胸のあたりは暖かいため、
すぐに気にならなくなる。ウエットスーツよりも、少し硬いというか、スムーズではない。
足が浮きやすくて、フィンの推進力が弱くなりやすい。ただ、大きな差ではない。
初めのうちウエイトは、浮いて潜り難かったため、少しスクイーズが起こるほど、
何度か空気を絞り出して抜いたら、10kgが重く感じ、湖底からの浮上が辛くなった。
スクイーズが起こる手前まで空気を抜き、ウエイトは8~9kgくらいで良い気がした。

遠浅の場所だったため、水深3.5mほどしか潜っていないが、底に斜めで泳ぐ体勢は、
足の空気による浮力から、踏ん張っていないといけないため、少しだけ余計な体力を使う。
浮上する際も、スムーズではないため、フィンで底が蹴り難いなど、不安要素が増える。
これらは慣れれば気にならなくなると思うが、湖底近くでの滞在時間は短くなった。
息を止める→下降→湖底を横移動→浮上→呼吸という一連の時間(頑張った場合)は、
ドライスーツ(20~25秒)、ウエットスーツ(30~35秒)、海パン(35~40秒)くらい。

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陸へ上がったら、左側のフィンが裂けて、バックルが割れていた。
ウエットスーツのブーツよりも、ドライスーツのブーツの方が大きいため、
ストラップバンドの長さを最大にする必要がありました。
シュノーケル+マスク、カクションカメラ、ウエイトベルト2つ、フィン、グローブを外す。
さわだ君にドライスーツのファスナーを開けてもらうと、スーツ内に空気がすっと入って、
凄く解放感があったので、スクイーズするほど、空気を抜き過ぎていたのだとわかった。

ドライスーツから体を出すと、上着はまあまあ濡れて、下半身のズボンもしっとり。
首と手首の両方から、水の侵入があったのだろうと思います。上着を脱ぐ。少し寒い。
タオルで上半身・頭・手を拭いて、濡れていない服を着る。ここでようやく落ち着く。
うーん。私はウエットスーツでいい気がした。あまり新鮮さや感動が無い。

ウエットスーツと比べてドライスーツの良さは、下半身が湿る程度で濡れないので、
着替えがその分だけ楽。40分ほど潜ったが、寒くないので、長く水に入っていられる。
ドライスーツと比べてウエットスーツの良さは、スムーズに動ける、足が浮き難い、
長く潜れる。ドライスーツは胸に吸気バルブがあるため、川の浅瀬で流されたときに、
石にぶつかって壊れる気がした。水中で紐などに引っかかったときも危ない気がする。
動画 https://youtu.be/qv-odzQhok4

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ホソマキカワニナ、タテヒダカワニナ、ハベカワニナ、イボカワニナ種群、ヌマガイ。
イボカワニナ種群はなかなか良い個体でした。これも早く整理されると良いのだけど。
2箇所目。さわだ君の研究用に、カワニナがいる場所へ。使える場所かは微妙でした。
3箇所目。魚がいない。4箇所目。動画撮影。そして解散となりました。お疲れさまでした。

さわだ君には、使い方や管理方法など、色々と教えてもらい、お陰様で無事に潜れました。
やっぱり海パンが最強だなと。ドライスーツを買ったら、冬場は一択かと思っていましたが、
ぎこちない動きで、安全にウナギが捕れる気がしないので、場合によってはこれまで通り、
ウエットスーツも使おうと思います。慣れればドライスーツに移行するのかなぁ。

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2020年11月21-22日は琵琶湖と福井県で採集しました。
初めての場所で、岸沿いを600mほど泳いだら、アオミドロやゴミが流れてくる。
底に張り付いたアオミドロが、みんな同じ方を向いて揺れている。川は近くに無い。
風波は無い。フィンを強く動かさないと進まない。やや強い湖流が発生していました。
琵琶湖の中でも変わった場所で、前から潜りたかったのですが、諸事情で容易に行けず、
ようやく潜ることが出来ました。思ったよりも変わった場所でした。

タテヒダカワニナ、コセイカワニナ?、ヤマトカワニナ肋型、タテボシガイです。
もう少し長くやりたかったのですが、底はおびただしいカワニナ類が見られて、
どれを捕ったら良いのか迷うほどで、琵琶湖ならばどこでもいるタテボシガイを、
軽く狙っていたのですが、ぜんぜんおらずに、何度も深潜りして、体力が無くなりました。
小さめの1個体だけで諦めました。また潜りたいけど、気軽に行ける場所じゃなかったです。

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4個体とも広義のタテヒダカワニナです。矢印は代表的な胎殻です。
左上は赤茶色で確りした顆粒。右上は斜めに入る太い縦肋。左下は間隔の空いた細い縦肋。
右下は分かり難いですがほとんど肋が無い。生育段階によるものもありますが色々いました。

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福井県へはイシガイを捕りに行きました。私が濃尾平野などで捕ったていたものは、
タテボシガイとされ、イシガイの分布域だと、富山県でしか捕っておらず、写真も無い。
ということで、家から一番近い福井県で探すことに。事前に4氏に情報を乞いました。
ご協力に感謝申し上げます。S氏から有力な情報を頂きましたが、そこへ行く前に、
何とか見つけられました。その場所は1時間近く頑張って、貝殻すら全く見つけられず、
普通にいるカネヒラが、雄は婚姻色が薄っすら残り、雌は産卵管が出ていたので、
産卵床となる二枚貝は、絶対にいるばずだと信じて、粘って探し続けました。
そうしたら暗渠に、イシガイが密にいる場所を見つけて、ほくほく帰路となりました。

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2020年11月7-8日は琵琶湖で採集しました。
駐車して潜ろうと思っていた場所は、BBQの方で駄目だったので、第二候補へ行きました。
初めての場所で、ウナギ捕りのついでに、カワニナ拾いをしました。寒くはなかったです。
ウエイトはいつもより1kg重い、7.5kgを装着していたので、潜りやすかったです。

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ナガタニシ属の一種、ニセマツカサガイ琵琶湖型、カワニナ属各種です。
ナガタニシ属の一種は、少し自信がなかったので、さわだ君に助言を頂いて(感謝)、
間違いないだろうと結論を出しました。家に帰って Heterogen sp. とほぼ同じで確信。
動画 https://youtu.be/P4DpUwkMMr4 まじまじと見て確認しています。

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先の論文では竹生島だけで確認されていますが、私は他に長浜市の2地域で採集。
今回は高島市です。2個体捕りましたが、水深は4mくらいで、礫帯の砂上です。
これまでナガタニシとして、同定していたものにも、混じっている気がしてきました。

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2020年10月11日は、ささき君とある魚を、10日夜~11日明け方に捕って、
11日朝に琵琶湖博物館へ搬入予定でしたが、台風による大雨で採集は中止になりました。
そのためリニューアルした琵琶湖博物館の観覧が主要目的に変わりました。

琵琶湖博物館の南西には、ヤマグチカワニナの模式産地があります。
この種類はハベカワニナの亜種として記載されましたが、その後に同一として扱われています。
2013年に1個体だけ捕っていますが、記載論文をよく見ると、500mほど場所が違いました。
そこでヤマグチのトポタイプを捕るべく、さわだ君と何度か採集計画を立てたのですが、
全て色々な事情で流れました。さわだ君が1人で潜った際は、1個体だけ捕れたそうです。
とても数が少なく、今回は本気で潜って、絶対に捕ると気合が入っていました。

9時40分頃に琵琶湖博物館の駐車場に、ささき君、maikyさんご夫妻、西村の4人が集まり、
開館まで時間があったので、ヤマグチの場所を下見に行きました。水が汚くて水面にはゴミ。
潜るの大変そうだなと思っていたら、maikyさんが手を伸ばせる場所で捕ったのですっ。
どう見てもヤマグチです。出たっ。いつものパターン。私が場所案内すると、
必ず成果を出すmaikyさん。maikyさんと私が採集へ行くと、1+1=3の成果になるのです。
お互い1人で行くと0.5しか出ないのですけどね。もうすぐ開館するので、
潜るかどうかは後で決めることにして、琵琶湖博物館を楽しみました。

カワニナ類の展示で一番時間を使いました。将来的にいくつがシノニムにされるかな。
素晴らしい展示内容でしたが、重箱の隅を楊枝でほじくるのような、気になる箇所があり、
それはTさんにお伝えしました。おそらく対応して下さるのではないでしょうか。

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琵琶湖博物館を後にして、再びヤマグチの模式産地へ。3人で採集したら、
ヤマグチ3個体とチリメン形態1個体が捕れました。潜る必要がなくなりました。
満足です。maikyさんささき君、お付き合い頂いて、ありがとうございました。
潜る気まんまんで来ているので、適当に潜る場所を決めて、行くことにしました。

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私はウエットスーツ、maikyさんはささき君から借りた、ドライスーツで潜ります。
透明度が1m未満と悪くて泥底、まずはカワニナ類を探しますが視認できない。
両手を泥へ突っ込んで、バイバイする感じで、手を動かしながら泳ぎました。
そうするとたまに硬い感触があり、それを拾うと二枚貝でした。空き缶もありましたが。

改良母貝(イケチョウガイ×ヒレイケチョウガイ種群)、ササノハガイ、オグラヌマガイ、
タテボシガイ、ヌマガイ、フネドブガイが捕れました。初めての場所でのこの成果。
maikyさんと行くとこんな感じです。特にフネドブガイがやばい。近いうちに記事にします。
動画です https://youtu.be/BaNvgRo6e64

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maikyさんの成果。タテボシガイ、ヌマガイ、フネドブガイです。
足をだらっと出すのは、フネドブガイの特徴なのでしょうか。初めて見ました。
ということで、maikyさんご夫妻とはお別れ。ささき君も帰るというので私も帰路。
琵琶博は見れたし、お陰様でヤマグチとフネドブで、ほくほくでした。お疲れさまでした。
二枚貝は私が持っていても死蔵になるため、翌日にK先生のところへ発送。安着でした。

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ヤマグチの胎殻です。ホロタイプに似ている良い個体が捕れました。