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2020年11月21-22日は琵琶湖と福井県で採集しました。
初めての場所で、岸沿いを600mほど泳いだら、アオミドロやゴミが流れてくる。
底に張り付いたアオミドロが、みんな同じ方を向いて揺れている。川は近くに無い。
風波は無い。フィンを強く動かさないと進まない。やや強い湖流が発生していました。
琵琶湖の中でも変わった場所で、前から潜りたかったのですが、諸事情で容易に行けず、
ようやく潜ることが出来ました。思ったよりも変わった場所でした。

タテヒダカワニナ、コセイカワニナ?、ヤマトカワニナ肋型、タテボシガイです。
もう少し長くやりたかったのですが、底はおびただしいカワニナ類が見られて、
どれを捕ったら良いのか迷うほどで、琵琶湖ならばどこでもいるタテボシガイを、
軽く狙っていたのですが、ぜんぜんおらずに、何度も深潜りして、体力が無くなりました。
小さめの1個体だけで諦めました。また潜りたいけど、気軽に行ける場所じゃなかったです。

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4個体とも広義のタテヒダカワニナです。矢印は代表的な胎殻です。
左上は赤茶色で確りした顆粒。右上は斜めに入る太い縦肋。左下は間隔の空いた細い縦肋。
右下は分かり難いですがほとんど肋が無い。生育段階によるものもありますが色々いました。

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福井県へはイシガイを捕りに行きました。私が濃尾平野などで捕ったていたものは、
タテボシガイとされ、イシガイの分布域だと、富山県でしか捕っておらず、写真も無い。
ということで、家から一番近い福井県で探すことに。事前に4氏に情報を乞いました。
ご協力に感謝申し上げます。S氏から有力な情報を頂きましたが、そこへ行く前に、
何とか見つけられました。その場所は1時間近く頑張って、貝殻すら全く見つけられず、
普通にいるカネヒラが、雄は婚姻色が薄っすら残り、雌は産卵管が出ていたので、
産卵床となる二枚貝は、絶対にいるばずだと信じて、粘って探し続けました。
そうしたら暗渠に、イシガイが密にいる場所を見つけて、ほくほく帰路となりました。

コメント一覧

どぶがい - 2020/11/26 (木) 18:40 edit

アカヒレタビラの同定をして頂き、ありがとうございました。イシガイ探しお疲れ様です。イシガイ類探しはホント局地的で見つけるまでに時間がかかってしまいますよね。僕の場合は水管撮影で余計に時間がかかって、一ヵ所のポイントだけで1日が終わることもしばしば…(笑)ツイートを拝見しましたが、やはりイシガイとタテボシは別物だなと思いました。イシガイの方が細長いのと顆粒がくっきりしてますよね。

西村 メール - 2020/11/27 (金) 00:09 edit

どぶがいさん。コメントありがとうございます。局地的ですね。琵琶湖を1560m泳いでから、2箇所が空振りで、家から一般道200km近く走って、ここで1時間近く探したので、暗渠で捕れた時は、喜びも一入でした。バットに水を入れているのは、水管を確認して撮影するためでした。自然下での撮影が理想ですね。そんなに時間が掛かるとは。イシガイの記事の際に色々書くつもりでしたが、これイシガイとはしていますが、タテボシガイの疑いもあります。和歌山県では同所的にイシガイとタテボシガイが見つかっています。おそらくタテボシガイの移入でしょう。そもそもこの和名は色々と思うところがあります。
http://mussel-project.uwsp.edu/fmuotwaolcb/specimen_11864.html これが東京向島産のタテボシガイのホロタイプとされていますが、外形は琵琶湖のよりも福井県のにそっくりです。顆粒は確かに違いがありそうですが、このあたりは色々な産地を見てみないと何とも。ただ、茹でて開いたところ、日本産淡水貝類図鑑1に違いとして書かれている擬主歯は、琵琶湖産はタテボシガイ、福井県産はイシガイに似ていました。タテボシガイのホロタイプとも似ています。両種はおそらく外形では同定が困難ではないかと思っています。