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2020年2月23日は滋賀県で、さわだ君、sugiura君、にょろきん君、西村で採集しました。
予定日は2回も変わって、ようやく4人で採集できることになりました。
1箇所目。初めての場所。さわだ君はドライスーツ、西村はウエットスーツが先に潜ります。
sugiura君は私のお古のウエットスーツなどを譲ったので、それを着て岸で待ちます。
ウエイトやブーツなどがないため、私が上がってから、それを貸して装着して潜ります。
にょろきん君はさわだ君に私が譲った、お古のウエットスーツを着て岸で待ちます。
さわだ君が上がったら、sugiura君と同様に、足りない道具を借りて潜るという算段です。

琵琶湖へ一気にドバーンっと入ると、思ったよりも冷たくない。一気に入るのは、
少しずつ入って、わーっ冷たい、無理だぁ寒いとか、躊躇する時間が無駄だと思うからです。
一気に入って全身濡れれば、もう後戻りは出来ないので、やるだけになります。
ヒートショックの心配はありますが、気温(8~9℃)と水温(9.7℃)、風も強い状況で、
ウエットスーツという急激な変化が抑えられた装備では、外に立っていようが、
水に入ろうがそんなに変わりません。一番怖いのは、水から上がった後の着替えで、
濡れた状態で上半身裸は、気化熱で非常に寒いです。血管は急に縮んでいることでしょう。
心臓麻痺は水から上がった時に、成りやすいと聞いた記憶もあり、水に入る時よりも、
着替えの時間を短くし、如何に体温変化を少なくするか、私はそれを一番心配しています。

砂泥底のカワニナと二枚貝を探します。しかし、砂泥底まで4~6mもあるため、
着膨れしたウエットスーツでは、浮いてしまってなかなか潜れないのと、
ウエイトのベルト(百均のスーツケースベルト)が、緩んでしまって体にフィットせず、
それを直すにも、岸へ戻って、グローブを外して、素手でやらないといけないため、
手はかじかみ、潜っていられる時間が短くなります。そのためそのまま潜り続けました。
しかし、潜り難い。腰からベルトが抜けて、落下するのではないかと思うほどでした。

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20分ほど潜っていました。とりあえず、コセイカワニナとニセマツカサガイ琵琶湖型は、
僅かに捕れたので、岸へ戻りました。sugiura君にウエイトやブーツなどを貸して装着。
さわだ君も岸へ戻って、にょろきん君に道具を貸して、次は2人が潜ります。
にょろきん君が数分くらいでギブアップ。sugiura君はマスクがフードに引っ掛かって、
水が入るようでこちらも数分でギブアップ。2人とも何も捕れずに終わりました。
さわだ君はコセイ、カゴメ、イボなども捕っていて、良いサンプリングになったようです。
動画です https://youtu.be/GuW_zhdS79E

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2箇所目。貝潜り諦めてたも網。前は色々と捕れた場所だったのですがダメでした。
3箇所目。琵琶湖が大荒れで諦めました。4箇所目。貝捕り。そこで捕らせてもらったのは、
写真のカワニナ類です。右は家に帰ってから、茹でて胎殻を出して撮影しました。
この個体しか胎殻は出ず。矮小化したカワニナ、チリメン、タテヒダ、ハベのようです。
5箇所目。貝捕り捕れず。ここは葦屑などのゴミが堆積して、貝がだいぶ減りました。
6~8箇所目。動画撮影場所探し。9箇所目。動画撮影。10箇所目。魚貝捕り。

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和名なし Beringiana fukuharai Sano, Hattori and Kondo, 2020 だと思います。
今月中旬にイシガイ科の論文が出ました。この内容は昨年10月の淡水貝類研究会で、
発表があったため、知っていたのですが、改めて拝見すると、色々な意味で凄いです。
当ブログは、それに従って、追記して変更しました。但し、オトコタテボシガイ属は、
従来の情報しかないため、最新知見に基づいて、変更していないところもあります。

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11~12箇所目。貝捕り。目的の貝は捕れませんでした。写真はヌマガイだと思います。
11時~23時半(12時間半)の採集でした。大変にお疲れ様でした。とても楽しかったです。
暖かくなったら潜りたい。ってたまに耳にするのですが、琵琶湖は年中開湖しています。
7月より2月の方が暖かい理由にも記していますが、厚着すれば寒くないだけです。
お金に余裕のある人は、ドライスーツを買って、厚着してカイロでも使えば良いでしょう。

ウエットスーツは厚着するほど動き辛くなって、浮力が増してウエイトも増やす必要があり、
海パンで行ける真夏と比べると、着替えるのが面倒だとか、水から上がってから寒いとか、
2本目以降は冷えた装備を着けないといけないとか、そういう問題はありますが、
1本目から水が冷たいから潜れない、というのは理由に当たらないと思います。
スキー場にいる人に、そんな寒いところで、よくスキーやれるね。とは言わないですよね。
それと同じで、適切な装備であれば、あまり無理することなく、年中潜れるのです。

コメント一覧

さわだ - 2020/02/26 (水) 11:19 edit

今回もお世話になりありがとうございました。
2月の琵琶湖は寒かったですね。
体感温度や浮力の問題があり、ウエットとドライのどちらが向いているかは、人によりけりだなと思います。
必要なカワニナが採集できて良かったです。
イシガイ科は分類の変更が激しく、すごい論文が出たら色々と影響が出ますね。

西村 メール - 2020/02/26 (水) 23:23 edit

さわだ君。コメントありがとうございます。
こちらこそです。お蔭様で楽しかったです。にょろ君の肉体的成長も見れました。
ウエイトベルトは硬くてウエイトを動かし難く、幅が広いのでカラビナを付け難く、
余分なベルトが邪魔だったので、あえて胴長ベルトやスーツケースベルトを使っていましたが、
緩んでフィットしないと、とても潜り難いので、別の方法を考えようと思いました。
ダイビング用のウエイトベルトで、軟らかくて、幅が狭く、余分なベルトが出ないのがないか、
探してみようと思います。こんな貧果で役立たずで、悔しい気持ちが残りました。
イシガイがタテボシガイと呼ばれたら、イシガイ科はタテボシガイ科になるのだろうか…。
今後に出るであろう和名の混乱だけは避けてほしいです。

にょろきん メール URL - 2020/02/27 (木) 23:56 edit

今回も採集を企画してくださり、ありがとうございました。
以前お会いした時よりもかなり身体が大きくなり(太っただけ)、なおかつ初めてウエットを着て潜ったこともあり、想像以上に潜りにくかったことに驚きました。挙句の果てには寒さにやられてボウズで上がってしまい、非常に悔しかったです。もっと脂肪を落としてからリベンジさせてください…
これから今回採集したサンプルを割って寄生虫を見てみようと思います。

西村 メール - 2020/02/28 (金) 22:06 edit

にょろきん君。コメントありがとうございます。2月の琵琶湖にボロのウエットスーツで、潜った勇気だけでも凄いと思うよ。痩せた方が寒さは辛くなるけど、動きやすくはなると思う。水温14℃以下でウエットスーツだと、0~10分は地獄、10~20分は慣れる、20~30分は少し寒い、30~40分は寒い、40分以降は低体温症の危険性が出る。0~10分を乗り越えると、夏に潜っている感覚くらいになるので、そこまでは我慢しないといけないけど、たいてい10分以内に上がって、もうダメだという人が多い。私はそれがわかっているので、0~10分の地獄を毎回耐えられています。今夜も潜ると思う。面白い寄生虫が出ると良いね。