3日連続で#1~3と記事にします。内容はハマグリの種類・産地偽装(疑惑)です。
ひな祭り頃になると、スーパーマーケットで、多くの「はまぐり」と称される商品が並びます。
この中には種類や産地を偽って、消費者を欺くことで、利鞘を稼ぐ悪徳商法も見られます。
産地偽装は「しじみ」で長年横行しています。詳しくはA、B、Cをご笑覧下さい。
こうした悪事に、伏字やモザイクは不要だと思いますが、私の同定が間違っていた場合に、
偽計業務妨害や名誉毀損になる恐れもあるため、念のため特定し難い処理をしました。
なお、産地偽装はJAS法・景品表示法・不正競争防止法などに違反し、逮捕者も出ています。
これまでハマグリの産地偽装については、シジミ属ほどは注目していませんでしたが、
ひな祭りの時期ならば、やっているに違いないと見当し、2016年3月2日にアピ○という、
スーパーへ行きました。鮮魚コーナーを見て、戦慄が走るかのような気持ちになりました。
写真は店内で撮影しました。私の目からは「三重県産はまぐり」には、どうしても見えません。
そして「台湾はまぐり」と見比べると、酷似する個体が含まれ、ぞわぞわっとしました。
私の同定眼が確かであれば、これは同種の同産地で、表示だけ変えている偽装だと思えました。
種類は両方とも「ハマグリ」ではなく「タイワンハマグリ」だと思われました。
これに関しては「台湾はまぐり」という表記で、個人的には十分ではないかと思っています。
但し「台湾産はまぐり」だと、台湾で捕れたハマグリという、誤解を生む恐れも考えられます。
「台湾はまぐり」と「三重県産はまぐり」を購入しました。
トレイが台湾の方が白くて安っぽく、三重の方が木目調(木曽内)で、割高な物を使っています。
台湾よりも高級感を出している気がします。陳列棚も上段で、通常は高額商品が並ぶ所です。
加工年月日、消費期限、3割引が一致していますが、想像では「台湾はまぐり」を大量入荷し、
その中から大きく状態の良いものを選び、「三重県産はまぐり」と偽装したと思われます。
トレイから出して撮影しました。模様や形状は様々で、ハマグリに似た個体も見られます。
タイワンハマグリと呼ばれるものは、分類学的な問題があり、ハマグリと複数の種類が交雑し、
多様な形質になっている、いわゆる雑種のようです。DやEに記されています。
そして日本のスーパーなどで売られているものは、全て台湾で養殖された物だそうです。
こうした雑種は単体での同定が難しく、複数のまとまりから同定することになります。
写真の多くの個体に共通なのは、鉄分の多い場所にいたのか、表面に茶色の着色があります。
私は三重県の河口域で、たくさんのハマグリを見てきましたが、硫化水素によると思われる、
黒色の着色はよく見られますが、茶色は極希です。これだけでも識別に使えるかもしれません。
似た個体を撮影しました。大きさがほぼ同じで、そっくりで違いが見出せません。
殻頂(上の方)がかなり削れていますが、ハマグリでここまでの傷は付き難く、ある個体でも、
もう少し下に、傷が付くことが多いです。これは水揚げか洗浄の際に、荒っぽい扱いをして、
傷付いたものと想像しています。また、ハマグリは濃い黄色が出る個体は希です。
同日に店内で撮影した「千葉県産はまぐり」です。
これは千葉県の太平洋側(鹿島灘が有名)で漁獲された、チョウセンハマグリだと思われます。
朝鮮産ハマグリではなく、そういう名前の種類です。どちらにしてもハマグリではありません。
このスーパーでの件を、ハマグリ捕りによく一緒に行く、maikyさんへ伝えると、
別件の用事のついでに、翌日(2016年3月3日)にスーパー巡りすることになりました。
産地偽装はこのスーパーだけなのか。三重県でハマグリを散々見てきた2人が暴きます。
(#2へつづく)
white-wings - 2016/03/09 (水) 00:41 edit
いいぞいいぞもっとやれ!と言いたくなります。
専門家の手にかかれば、こういうのはザクザク出てくるでしょうね。
私は野菜関係が仕事なのですが、
同じ職場の人が某格安焼肉レストランで注文した「サンチュ」が「サニーレタス」だったそうです。
生物学的には同一種で、栽培上の区分も両者「非結球レタス」ですが、これは悪意あると思います。