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写真左は和名から隠しようがないので書きますが、模式産地の和歌浦産ワカウラツボです。
2006年4月30日に雨の中でしたがyさんsさんと某博物館の方にお世話になり、
見つけることが出来ました。2007年3月の論文では和歌浦では絶滅とあります…。
右2つは愛知県の河口域で採集した個体です。ここも絶滅したかもしれません。

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護岸近くにある捨石をひっくり返すと見られました。
泥々の中から奇麗な貝が出てくると何かほっとすると同時に、
何もアピールしない貝たちは、存在が十分に認識されているのかも気になりました。
この場所は私が子供の頃から何度も遊んだ場所で思い入れがあり、
この場所の重要性を認識して守る会も存在しているため少し安心していました。

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ところが、この有様です。奥に見える真新しい護岸の真下に、
このワカウラツボたちが暮らしていました。完全に埋まっています。
手前の高く積まれた土砂はダンプやユンボが奥の護岸工事するためにだけ、
簡易的な道として作ったものでした。この道は数kmに渡って続いています。
そのためにどんだけの生き物たちが下敷きになったことか。
この後に数度行きましたがワカウラツボは1個体も確認できませんでした。

怒りが治まらない私は守る会に強い調子で指摘しました。
色々あって、復元する云々と言い出して、私は呆れてしまいました。
一度失った自然は元に戻らないから守る意味があるんです!
この工事でどれだけ多くの貴重な生き物が絶えてしまったことでしょう。

干潟は潮汐と標高によって、潮上帯(満潮でも陸上の部分)、
潮間帯(満潮から干潮の間)、潮下帯(干潮でも水がある部分)の3つに大別され、
その中でも更に細かい微環境で、それぞれの種類が棲み分けをしています。
干潟は広さで価値を決める傾向があり、今回の護岸工事と埋め立てによって、
干潟全体の1%しか減少しなかったとしても、今回の1%の場所には、
貴重な種類の多い潮間帯の微環境を総なめするように埋められてしまいました。
真っ平らで広いだけの泥地とは全く違う生物たちが暮らしていました。
このたった1%に貴重な生物が凝縮するかのように利用していたのです。

人から見ればこうした護岸際は埋めやすいので、各地で次々とやられています。
干潟を観察するためにこうした環境を潰して、遊歩道まで作っているところもあります。
こうした事態を未然に防ぐには、専門家の助言がより重要視されることが望まれます。

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