三重県の汽水域で2006年6月3日に採集したヒメケフサイソガニです。
私がカキ殻をたくさんタモ網に積めて、マゴコロガイさんのところへ持って行き、
その中にヒメケフサイソガニが混じっていました。同定はもちろんマゴコロガイさんです。
三重県初記録だと思います。iさんも撮影してWebに同じ個体を載せています。
この個体は2007年2月4日に採集したもので、水温が低い時期もいました。
淡水魚は分布の基礎情報がほとんどの種類で存在していますが、
こうした小さなカニは研究者も少なくて人々の関心も薄く、
分布の基礎情報すらまともにない種類が多くいます。
そのため魚捕りの最中でも県初記録なんていうのは普通に見つかります。
これを初記録!なんて論文化すればたちまち業績に変わります。
こうしたベントスの生息地公開は分布の基礎情報作りとして、
淡水魚と違って必要悪として目を瞑ってもいいのかもしれません。
しかし、中にはベントスのことを考えて業績にせず、非公開にされている方もいます。
特に食用貝や奇麗な貝は高値で取引され、採集圧も軽視できないようです。
少なくともベントスへの悪影響を予測していながら、
私利私欲で生息地公開に走ることはあってはならないと思います。
りゅうこ
- 2009/02/13 (金) 22:45 edit
こんにちは
この個体はどの位の大きさでしょう。標本にされましたか。
あちこちのヒメケフサイソガニに会いに出掛けています。
局所的に密集して生息しており、最大個体は甲幅13.82㎜甲長11.44㎜♂です。
♀は掌部外面に毛が生え、♂は指部基部から中程にかけ長い毛が房状に生えていますね。
♂♀で鋏の毛の生え方が異なると思うのですが、いかがでしょう。
この点、手持ちの文献には記述がありません。記載論文を読む必要がありますね。
甲幅10㎜を超える♂が結構いて、
立派なつるっとした鋏にコブのような毛を蓄えた様子はかっこいいです。
抱卵個体は2月と5月に確認しています。溢れんばかりの卵を抱えていますね。
魅力的なカニを紹介してくださり感謝です。