2017年1月15日明け方から朝は、三重県でさわだ君とカワニナ採集しました。
1箇所目の小河川はクロダカワニナとチリメンカワニナ(B型?)が捕れました。
2箇所目の水路はクロダカワニナとチリメンカワニナ(A型?)が捕れました。
写真は3箇所目の水路です。カワニナの場合は乱獲等を気にしなくても良いため、
この程度の場所であれば、出せるところが気楽で良いです。でも特定は時間が掛かりそう。
たくさんいましたが、処理するのが面倒なので、6個体だけ持ち帰りました。
付着汚れはありますが、縦肋はありません。通常はここでカワニナと同定されます。
多くは殻頂が随分と欠け、3巻くらいしかありませんが、こういうのは欠けたところに、
よく縦肋があって、胎殻を確認すると、チリメンカワニナということがあります。
A個体は4巻半くらいあって、体層が膨らみが強く、いかにもカワニナぽいです。
しかし、カワニナとチリメンカワニナが同所的に見られる場所は少なく、
胎殻を調べるとチリメンカワニナだけということも多いです。胎殻は3個体から出ました。
A個体です。胎殻は小さくてつるつるし、これはカワニナで良さそうです。
成長した胎殻は割とはっきりした縦肋があり、B型よりも小さめで螺肋は1本のように見えます。
チリメンカワニナB型で良さそうです。B型にしては親に縦肋がないのが少し気になります。
成長した胎殻は割とはっきりした縦肋が、あるものとないものが混在しています。
胎殻はカワニナとチリメンカワニナの中間型とでも言えるような感じです。
両種は雑種型個体の報告があり、この個体もそうなのかもしれません。
従来の識別方法で言えば、縦肋がないカワニナ、縦肋があるチリメンカワニナ。
しかし、カワニナは最低でも2系統(別種レベル)はあり、
チリメンカワニナはA型・B型・キタノカワニナの3種は最低でもありそうです。
どちらも種群で、形態差異は曖昧なところもあり、更には交雑までしている。
その交雑もカワニナとチリメンカワニナの交雑という単純なものではありません。
カワニナ種群とチリメンカワニナ種群のどの系統が交雑するかしないか、
それすらよくわかりません。こんな状況なので系統論文は誤同定だらけで使えません。
新種記載されたカワニナとチリメンカワニナも、判然としないところがあります。
こんな感じでカワニナ科は恐ろしいのです。決してカワニナ好きになってはいけません。
採集して写真を撮ったからには、カワニナ図鑑でカワニナかチリメンカワニナかに、
振り分けなければいけません。前述してきたことを無視して、エイヤー同定をすれば、
A個体はカワニナ、それ以外はチリメンカワニナとし、突っ込みが入るのを待つことにします。
maiky - 2017/01/17 (火) 12:58 edit
こんにちは。相変わらず難解なカワニナさんたちですね。
突っ込みが入ったらその人はきっと廃人でしょう(笑
エイヤー同定好きです(カワニナのみ有効かと)