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三重県で採集したヨコハマシジラガイです。
sugiura君に案内して頂きました。以前にオイカワムツさんに教えて頂いた場所と同じで、
K先生も把握されている場所でした。狭くて数も少なそうなので、ちょっと心配になりました。

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岐阜県の感潮域産です。浅い場所は写真下のタテボシガイしかいないのですが、
水深3mくらい潜ると5個体が捕れたりします。それも広い範囲で普通にいる多産地です。
写真と採集日は違いますが同所の動画 https://youtu.be/KtHarQMbcnc
シラウオ、マハゼ、イシマキがいる環境で、二枚貝はヨコハマシジラガイ、タテボシガイ、
ミナミタガイ、ヌマガイ、ササノハガイなども見られます。ヤマトシジミもいると思います。

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三重県の感潮域産です。ピンボケ画像ですね。愛知県では絶滅らしいので、
少し探したこともあるのですが、見つかりませんでした。そのうち捕れそうな気がします。
ヨコハマシジラガイは綺麗な水の流れる浅い用水路で、少数が生息している印象でしたが、
濁った汽水域の水深3~4mで、ぽんぽん捕れるとは思っていませんでした。

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紛らわしい4種類を並べてみました。マツカサはニセ三重中ではないかと、
W君から指摘されましたが、私はマツカサかなと思ったので、そのままにしました。
移入のこととか考えだすと、分布同定も厳しくなるし、二枚貝の同定は難しい。

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福井県の水路で採集したイシガイ Nodularia douglasiae です。
採集から1年以上も経ったのは、デリケートな問題を含んでいるからです。

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左がイシガイ福井県産、右がタテボシガイ琵琶湖産です。分布同定です。
どの産地もこんな感じで、違っていたら良いのですが、東海地方のタテボシガイは、
外部殻形態ではイシガイと識別不可能です。MUSSELpのイシガイタテボシガイ
イシガイはタテボシガイのホロタイプを見て、描いたんじゃないのと言いたくなるくらい。

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擬主歯を確認しましたが、私にはよくわからなかったです。むしろ逆なんじゃないかと。

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日本産イシガイ属の分類や表記で、影響力が大きかった文献の変遷を作りました。
簡単に言うと、この時代には、この分類に従っていましたよ。という一覧です。
2003年(日本産淡水貝類図鑑①)は、人に差し上げたので、確認できませんでしたが、
改訂版と同じだと思います。統一性を持たせるため、表記を少し加筆修正したり、
簡略化しています。気になる方は原典を確認して下さい。ざっくりはこんな感じだと思います。

現行で言えば2020年8月の分類に従う時代ですが、従来とはだいぶ違うので注意が必要です。
イシガイやタテボシガイでネット検索すると、タテボシガイは琵琶湖固有亜種で、
その他はイシガイという、2009年や2013年の分類が多くヒットすると思います。
2020年8月に従えば、イシガイ属貝類を東京都で捕ったら、それはタテボシガイです。
形態的差異は判然としないため、分布同定するしかないのは、問題が残るところです。

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2021年6月27日に琵琶湖で採集したヒラガマノセガイ(オトコタテボシガイ)です。
暗岩へ行く途中で捕り、まふゆのうじ君に譲って、出水管を画像を送ってくれて、
これはアレかもということで、Y君に同定をお願いすると、自信はないがタテボシガイだと。
それからずっと気になっていました。11月6日にZoomで淡水貝類研究会があり、
フリーディスカッションの際に、参加者全員に画像を見て頂き、再び同定をお願いしました。
マツカサガイではないかという意見も頂きましたが、W君から瀬尾論文のアレで合っていると。
他に異論を下さる方はいなかったので、コアな淡水貝屋さんからのお墨付きを頂いた気分です。

アレというのは(瀬尾, 2019)で、TypeⅡとされているものです。学名や和名は色々なので、
論文を読んで判断して頂きたいですが、ここでは Lamprotula leaii と見なし、
ヒラガマノセガイ(オトコタテボシガイ)としました。ヒラガマノセガイという和名は、
さわだ君から教えて頂きましたが、(真の)オトコタテボシガイでも良いかもしれません。
従来のオトコタテボシガイは Tribe Nodulariini, Genus gen. sp. 1 と見なし、
ニセマツカサガイ琵琶湖型(=セタイシガイ=オトコタテボシガイⅠ型)としました。
生体は(瀬尾, 2019)で2個体、今回の採集で3個体目です。他に死殻は見つかっているようです。

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暗岩(最近の渇水で洗岩かも)へはたも網を持って泳いで、某生物を狙っていましたが、
貝は素手(手袋)で捕っています。分厚く苔むしていました。手で擦ると簡単に落ちました。
完全に砂へ何度か潜れば、落ちる可能性も高く、常に砂から出ている生態なのでしょう。
左下(左)と右下(右)はタテボシガイですが、糸状の苔(アオミドロ)が確り付いています。
砂へ時々潜ってこの程度なのだと思います。ヒラガマの方は苔が何層にも重なって、
殻に近いところは死滅して、その上に新しい苔が出来ている感じです。
タテボシやニセ琵琶はたくさん捕りましたが、こうした苔状態なのは極希です。

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水管です。まふゆのうじ君が撮影した画像です。掲載許可を頂きました(感謝)。
初めに見たときはニセマツ類よりも、マツカサガイに近いなと思いました。
この個体は現在もまふゆのうじ君が飼育中で(凄い)、W君のところへ譲渡予定です。
分子系統なども調べてくれるそうです。その結果がどうであれ面白い個体に出逢いました。

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7月3日に2(4)個体目を探すも捕れませんでした。やはり少ないようです。
上段の左4つはタテボシガイ、右2つはニセマツカサガイ琵琶湖型です。
なるべく形に特徴のある、タテボシガイを拾って来たので、同種に見えないですよね。
水管形態はほぼ同じです。ニセ琵琶は少し見辛いですね。典型的な水管画像です。

ホロタイプ画像はこちらにあります。(瀬尾友樹, 2019)まで Unio reinianus が、
オトコタテボシガイとされてきました。こんなの捕ったことある人はいるでしょうか。
生体であるとしたら4個体目ですね。Nodularia hirasei はセタイシガイです。
これがニセマツカサガイ琵琶湖型かと思いきや、何か私が捕った個体に似ている気がする。
スケッチの下側はニセ琵琶の若い個体のような。よくわかんなくなって来たぞぉ。
もしかしてニセ琵琶は未記載種なのか。砕けた解説にするつもりが、難解になってるかも…。

ヒラガマノセガイは外来(史前帰化)の疑いもあるのですが、1番目の画像を見ると、
ガマノセガイ属の一種と、オトコタテボシガイの上は、ヒラガマノセガイにも見えます。
絶滅して移入されたと考えるよりは、在来のまま別種と混同されて来たのかもなぁと。
5番目の画像は未だにヒラガマじゃないかと疑っています。すみませんY氏。
出水管確認したい。なぜ私は捨ててしまったんだぁ。今回の個体とはだいぶ離れた場所です。
ニセ琵琶やタテボシとした中に、ヒラガマは混じっているのだろうなぁと思うと、
これからもカワニナ捕りついでに、頑張って潜って狙ってみたいと思いました。

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瀬尾友樹, 2019; Lopes-Lime et al., 2020; 近藤高貴, 2020; 川瀬基弘ほか, 2021
などを参考に日本産イシガイ科2亜科6族14属29種(31種類)を一覧にしてみました。
ヒラガマとマツカサガイ属の線が切れていますが、これは単なる長さ調整の失敗です。
滋賀県は17種類です。このうち滋賀県の固有種は、ニセマツカサガイ琵琶湖型だけです。
琵琶湖淀川水系(滋賀県・京都府・大阪府)に広げると、オグラヌマガイ、イケチョウガイ。
外来は改良母貝、その疑いはドブガイモドキ、ヤハズヌマガイ、ヒラガマノセガイです。

右下の画像はヤハズヌマガイだと思われる個体です。フネドブガイ属の一種として、
昨年に同定しましたが、4月にこちらの紀要を拝読した際に、同種かもと思いました。
その後にTさんから最近教えて頂いたのですが、和名提唱があったようです。
私がブログで指摘した、豊橋市のフネドブガイ、一部で有名な外来魚がいる水系が、
この種ということで、琵琶湖の個体もヤハズヌマガイだと思います。誤同定ですみません。
外来の疑いが強いので喜べませんが、琵琶湖の情報はないため、初記録なのでしょうね。

滋賀県のニセマツカサガイ西日本型ですが、マツカサガイとされてきた中に混じっていそうで、
No.385の右はそうじゃないかと思っています。これもW君らの発表だと別物かもと。
イシガイ科の分類は今後も不安定そうですね。もう頭痛くなってきたので終わり笑。
多くの方々のお蔭で、色々なことを知ることが出来ました。ありがとうございます。

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2021年3月26-27日は三重県の汽水域で素潜り採集しました。
23:21~00:51(1時間30分間)、830m歩いて行き、1280m泳ぎ、39m歩いて戻りました。
目的のウナギは全くいなかったので、二枚貝捕りに切り替えました。

ドライスーツでしたが、川と潮の流れで、洗濯機状態のところもあって、
首から水が入ったようで、上着はびしょ濡れ、ズボン上部まで浸水していました。
途中で寒くて上がりたくなりました。汽水域としていますが、潜った時は干潮時で、
塩分はほとんどなかったです。感潮域上部ですかね。マハゼやスズキがいました。

ドアストライカーとS字フックのお蔭で、一人でドライスーツを着られるようになり、
潜るのもだいぶ慣れましたが、流れのある場所での静止は、ウエットスーツよりも難しい。
潜るときもブーツ側へ空気が移動するので、逆立ちになりやすいなど、動きやすさでは、
ウエットスーツよりも劣る感じです。来月下旬にはウエットスーツへ切り替えかな。

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ヌマガイ、タテボシガイ、ヨコハマシジラガイです。
他にタイワンシジミ、ヤマトシジミ、イシマキ、カワニナ種群などが見られました。
ヌマガイとタテボシガイは砂泥底にまあまあ見られました。
https://youtu.be/v9DZQLlhb7U

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ヨコハマシジラガイは1個体だけです。おそらくこの場所の生息は知られていません。
そろそろヨコハマシジラガイとイシガイの記事も作りたいなぁと思いつつ、
自説を書くとお世話になった方に、嫌われちゃうだろうなぁと。痛し痒しです。

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2020年10月11日に琵琶湖で採集したフネドブガイ属の一種です。
私が捕った2個体は、死蔵になるのはもったいないので、K先生のところへ送りました。

2020年3月に刊行された琵琶湖におけるフネドブガイの再発見によると、
2018年12月16日にフネドブガイの死殻1個体を採集したとあります。
80年ぶり(1938年以降)の記録だそうです。この報文を見たとき、貝の世界は殻拾って、
再発見になるんだぁと驚きました。魚の世界だと骨拾っても、再発見とはならないでしょうね。

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2020年2月に Lopes-Lima et al. 2020 によって、それまでのフネドブガイ属が、
AneminaBuldowskia の2属に分割され、B. kamiyai が新種記載されました。
2020年7月イシガイ科貝類の新たな分類体系によって、和名が提唱されました。
フネドブガイ属(フネドブガイ)、タブネドブガイ属(カタドブガイ、ヒガシタブネドブガイ)。
日本における分布は、フネは九州北部、カタは北海道~島根県までの本州日本海側、
ヒガシは岩手・宮城・福島・茨城・山形県。そうなると琵琶湖は含まれていません。
K先生によると Sano et al. 2020 に北海道石狩(=カタドブガイ)と香川県が、
同じクレードに入るので、四国はカタドブガイで、琵琶湖のもカタドブガイでしょうと。
しかし、東海地方のフネドブガイは、未記載種の可能性があるそうです。

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カタドブガヒの新種記載論文を見ると、私が琵琶湖で捕った個体と比べると、
殻幅が短い、殻頂の膨らみが弱い、後縁が長い、後背縁が斜めに張り出しが強いなど、
同じ種とは思えませんでした。豊橋市のフネドブガイを見ると、似ている気がします。
2020年8月淀川初記録のフネドブガイ類とも同種に見えました。
淡水貝類研究会23回(2017)の日本産フネドブガイ属の分類学的再検討という発表で、
静岡県のは Anemina euscaphys で移入の疑いがあると。タイプのスケッチを見ると似ている。

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推論します。琵琶湖で2018年に死殻が80年ぶりに見つかり、2020年に私達が生体を捕った。
淀川で2018年に生体が初記録された。これらは他種との混同から未発見だったのではなく、
近年に移入されて見つかるようになった。私は2010年から琵琶湖淀川水系のカワニナ属を、
361(潜水168)箇所で採集。二枚貝も捕りましたが初確認です。これは移入の疑いが強いです。
また、豊橋市も人工的なため池で、外来生物の割合がとても高いと思います。

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ようするに、近年に中国から Anemina euscaphys が琵琶湖淀川水系~東海地方に移入し、
それをフネドブガイとして報告しているのではないでしょうか。他の地域にも、
同種ではないかと思われる情報を頂き、そこは一部で有名な外来魚がいる水系です。
日本にいるドブガイ Sianodonta cf. woodiana 1 も外来種とされていますし、
フネドブガイ属に外来種がいても不思議ではありません。和名は無いようですから、
フネドブガイ属の一種 Anemina euscaphys (Heude, 1879) としておきます。


追記 2021年11月18日
ヤハズヌマガイの疑いが強いために変更しました。

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