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愛知県の山でさわだ君が採集したオオギセルです。
山へ入らない私は、この手の貝はもっと普通に、捕れると思っていましたが、少ないですね。

数日前に環境省レッドリスト2018が公表されました。新旧対照表⑦貝類の34ページ。
オオウラカワニナの種小名が変更されていました。
Biwamelania ourenseBiwamelania ourensis

何の説明書きもなく、新学名とされているので、私の想像でしかありませんが、
ホロタイプが中性や性別不明のenseではなく、雌ということがはっきりしているから、
ensisに変えたのではないかと。ourはouraのaが省略された大浦という意味です。
雌なのは1995年の新種記載時にわかっていたことで、査読段階で指摘されるべきことかなと。
学名は安定性が大事とも言われますが、しれっとこれが新学名ですって書かれてもなぁ。

属名及び亜属名はBiwamelania ヤマトカワニナ属を使われていますが、
これもオオウラカワニナ新種記載時はSemisulcospira (Biwamelania) カワニナ属
ヤマトカワニナ亜属で変更されています。私はSemisulcospira だけで良いと思っています。

これらによってオオウラカワニナは、しばらく4つの学名が存在することになりそうです。
Biwamelania ourense (Watanabe et Nishino, 1995)
Biwamelania ourensis (Watanabe et Nishino, 1995)
Semisulcospira (Biwamelania) ourense Watanabe et Nishino, 1995
Semisulcospira (Biwamelania) ourensis Watanabe et Nishino, 1995
オオウラカワニナはとっても怪しい種なので、こんなことナンセンスかもしれないですが…。
さわだ君がタテヒダカワニナのジュニア・シノニムとして早く成仏させて欲しいです笑。

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愛知県の山で採集したキセルモドキです。
キセルガイの仲間かと思って、さわだ君に見せたら、それは違いますよと即答。

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2018年3月に新種記載された化石5種を実見することが、2018年5月12日の主目的です。
さわだ君が記載された松岡館長にアポを取ってくれて、11時にお会いすることが出来ました。

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記載論文の写真と実物は、殻口の位置などの違いによって、ナカムライが僅かに細く、
シュードムルチグラノーサのモコモコ感が弱いなど、若干違うようにも見えましたが、
基本的には想像範囲内でした。現生種も展示されていましたが、イボはカゴメでした。
松岡館長の解説を拝聴し、いくつか形態差異などについて質問をさせて頂いて、
このページも見て頂き、私見もぶつけましたが、やはり全て現生種に酷似すると思います。

仮に5種を新種と認めて従う場合は、現生の酷似個体をどう扱うか問題が残ります。
現生にはいないと主張しても、酷似個体とどう違うかを、説明する必要があるでしょう。
化石種と思われていた種が、現生していたとする場合は、現生種が5種増えることになります。
現在でも混乱しているのに、中間型もいますから、ますます混乱することでしょう。

カワニナ類の世界では「若干違う=同種」で、その違いは変異幅と呼びます。
記載論文にある変異幅だけではなく、産地や個体数を増やすと、実際はもっと広いと分かります。
それが実際の変異幅で、化石の専門家である松岡館長に、現生種をもっと知って調べるべき、
というのは違うと思います。限られた時間と予算で、異分野の奥底まで知ることは不可能です。

化石種と同形態のものが、本当に現生種に存在しないか、照合する作業において、
形態のプロやスペシャリストに巡り合えなかったことは、とても残念だと思いました。
そこで私は、まだアマでありながら、スペシャリストのさわだ君を、プッシュしておきました。
これで化石種と現生種という異分野の接点において、慎重さと正確性が向上した、
新展開が期待できると、今から楽しみです。私もサンプリング等で、協力出来たら幸いです。

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松岡館長にお願いして、貴重なパラタイプも、拝見させて頂きました。厳重な管理でした。
ホロタイプとパラタイプの一部を拝見した感想は、5種全てシノニムだろうと思いました。
但し、現生種の祖先かどうかは判然としません。例えば形態的にナカムライは、
ホソマキと同種と見なせることは出来ても、ナカムライは絶滅していて、別系統から新たに、
ナカムライに酷似した形態が誕生し、それをホソマキとして認識する可能性もあるためです。

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この場合に類縁関係はないが、平行進化や収斂進化などと呼ばれる現象によって、
ホソマキ祖先種が、たまたま絶滅したナカムライに、そっくりに進化して現生する場合、
分子系統学的には異種でしょうが、形態重視の分類学的には同種ということになります。
そのため形態差異が変異幅に収まる場合は、祖先は無視してシノニムと言えます。
希にホロタイプ(及びパラタイプ)が全てで、それと違えば別種だという意見もありますが、
カワニナ類の場合は、実際の変異幅が広くて、実態とかけ離れていると思います。

気が付けば2時間20分も話していました。長くなってすみません。勉強になりました。
松岡館長は人望が厚く、相反する意見にも耳を傾ける、とても良い方だと思いました。
更に貴重な標本を、快く拝見させて頂き、長時間にわたって、意見交換させて頂きまして、
本当に感謝しています。豊橋市自然史博物館では5月27日まで展示され、
その後は金庫で厳重保管されるそうですので、ご興味のある方はぜひ行ってみて下さい。
松岡館長とさわだ君に感謝です。今後ともよろしくお願いいたします。

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2018年5月12日朝~13日未明は、さわだ君と採集しました。
さわだ君は京都から徹夜で車運転と山で採集し、私の家に12日06時過ぎに着いて、
5分くらいで寝たいと。寝てこいよ笑。私が焼いたウナギを食べ、まず豊川へ向かいます。
1箇所目。ここのクロダカワニナは殻底肋6~8本(通常4~6本)がいる変なところ。
8本はおらず7本は捕れました。2箇所目。ヤマトシジミがいる汽水域で、チリメンが捕れました。

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豊橋市自然史博物館で、カワニナ類を拝見してきましたが、それは次の記事にします。
博物館はのんほいパーク内にあり、偶々けものフレンズ声優3人のトークショーがあったので、
10分くらいだけフレンズになっていました。こんな短い時間で座を離れたのは、
私とさわだ君だけでした。何だか申し訳ないです。この先も予定があったのです。
声優3人の役の動物だけでも見ようと、まずサーバルのところへ行きましたが、暗くて見えず…。
フンボルトペンギンとヒグマは見れました。臭いに過敏な私にとって動物園は過酷でした。

その後は、これまで苦手で避けて来た山へ。本格的に初めて入ってマダニが軍手にっ。
次は洞窟。かつて閉所恐怖症ぎみで、地下鉄すら怖かったので、平静を装うので必死にっ。
良い経験が出来ました。次は水を得た魚のように、川へ入ってウナギが捕れてほくほくにっ。

気が付けば静岡県で13日に。帰宅したのが03時頃。さわだ君から頂いたビールを飲んで、
寝られたのが06時過ぎでした。さわだ君はその後も、滋賀県の山で採集したようです。
それはさすがに採集病だと思う。濃い24時間でした。色々と勉強になりました。

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前記事で触れた変異幅について、もう少し詳しく記します。
シライシカワニナの殻底肋は模式標本が4本、変異幅は3-4(3.6±0.3)本とされています。
しかし、沖の白石において、6本を複数確認し、7本はある個体も採集しています。
模式標本と比べて3本も多いため、これは別種でしょうか。未記載種でしょうか。
その他の特長は、同所的に見られた個体と似通っているため、同種と考えられます。
そうすると殻底肋の変異幅は3-4本ではなく、実際の変異幅は3-7本ということです。

変異幅を図にしました。数値に意味はありませんが、イメージが湧き難い場合は、
次体層の縦肋数と思って下さい。この場合に新種記載された際の変異幅は13-17本で、
実際の変異幅は8-22本ということです。この実際の変異幅を理解していない人は、
例えば10本が捕れたらどう思うでしょうか。A種とは別種と思うに違いありません。
それを新種記載してシノニムを作るわけです。先月に新種記載された5種は、
現生種の実際の変異幅に、収まるものがほとんどだと思っています。

新種を記載する際は往々にして、最大値や最小値を外れ値と見なすなどして、
最頻値だけで分類する場合もあります。例えばオオガタスジシマドジョウは、
胸鰭腹鰭間の筋節数が14本として、検索表には記されていますが、変異幅は13-14本です。
最頻値の14本だけで、13本は切り捨てられたのです。これがカワニナ属の分類でも、
行われたのであれば、13-17本から14-16本として、更にA種の変異幅が狭まることになります。
この場合は13本や17本でも、別種と見なされてしまう、恐れがあるのです。

先月に新種記載された5種は、現生種と同種で全てシノニムだとは言い切れません。
数値が同じでも別種が存在します。形態的に識別できないが(今は見つけられないだけかも)、
生殖隔離があって交雑しない、隠蔽種がいるためです。スナヤツメの北方種と南方種などです。
例えば先月に新種記載された Semisulcospira (Biwamelania) nakamurai が、
形態的にホソマキカワニナの実際の変異幅に収まると思ったとしても、
ホソマキカワニナと呼ばれるものには、複数種が存在している可能性もあり、
そのうち1つはホソマキカワニナで、もう1つはS. (B.) nakamuraiの疑いも捨てきれないのです。
この場合に化石は形態的にしか調べられないため、その検証が極めて難しくなります。
こうした混乱を防ぐためにも、現生種の実際の変異幅を理解していない場合に、
化石を模式標本とするカワニナ属の新種記載は、慎重にお願いしたいと思っています。

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さて、2018年4月22日はmaikyさんオイカワムツさんと論田川へ採集に行きました。

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イボカワニナだと思います。タテヒダカワニナぽいのもいますが…。
蓋がない個体も多かったです。蓋は分類形質として使えないということです。
これが化石になったら、何種類記載されるのだろうと、思ってしまいました。

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日本産カワニナ科貝類は1995年以降に、23年も新種記載はされていませんが、
先月に化石種(絶滅種†)が5種も記載され、このブログで触れないわけにはいきません。
論文のFig. 2.を見たときに、現生種とあまりに似ていて、あぁと思いました…。
これはS君の的確な指摘ですが「現生の変異幅を理解せずに記載した」感がします。
Fig. 2 1. Semisulcospira (Biwamelania) nakamurai に似ていませんか。

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Fig. 2, 3. S. (B.) pseudomultigranosa に似ていませんか。

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Fig. 4-9. S. (B.) spinulifera に似ていませんか。

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Fig. 10-13. S. (B.) kokubuensis に似ていませんか。

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Fig. 14-17. S. (B.) pusilla に似ていませんか。

胎殻形態がやや異なる種類もいますが、私はそもそも胎殻で同定できるとは思っていません。
ちなみに、ムカシイボカワニナはヤマトカワニナによく似ているなと思っています。

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奈良県の植樹帯でさわだ君が採集したコハクガイです。
ログイン問題の原因が判明しました。postメソッドでのアクセスの際に、
クッキーを使ったユーザーIDで、送り返してこない場合に、制限する仕様にしていました。
簡単に言うとスパム対策で、投稿時の規制を強めていました。

4年くらい前に、スパム投稿があまりに多いので、規制を強めたのですが、
それが最近になって、スパム投稿以外でも、規制されてしまっているようです。
この原因はわかりませんが、クッキーIDを発行しすぎて、尽きてしまったのかと思って、
クッキーIDの名前を変更してゼロにしました。また、規制も解除しました。
私がログインできない、コメントが投稿できない問題は、なくなったと思います。
規制解除によって、スパム投稿が増える恐れはありますが、少し様子を見たいです。

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愛知県の干潟(高塩分)でTM君が採集した腹足綱の一種(未同定)です。
相変わらずログイン問題が解決していません。新規記事とプロフィールに、
広告のスパム投稿を見つけました。これはブログのパスワードを見破られて、
ログインされた疑いが強く、すぐに変更しました。ログイン問題はパスワードを、
見破られて侵入し、一部の細かな設定等を書き換えて、起こった問題かもしれません。
そうだとすれば、問題発生以前の状態に、全て戻すという、大作業が必要そうです…。

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2018年3月18日は濃尾平野で汽水魚採集のついでにシジミ捕りしました。
ヤマトシジミに混じって、1個体だけタイワンシジミ種群が捕れました。
綺麗に洗って、水道水4/5+海水1/5で、弱くエアレーションして12時間。
再び綺麗に洗って、水道水4/5+海水1/5で、弱くエアレーションして1時間半。

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味噌汁を作りますが、味が薄い場所なので、工夫してみることにしました。
シジミ1/3、水、酒少々を鍋に入れて、シジミの口が開いたら火を止めます。
殻はゴミ箱へ、身をすり鉢へ。すりこぎで潰します。白味噌と赤味噌少々を加えます。

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鍋に残った汁に、残りのしじみ2/3を加えて、火にかけます。
シジミの口が開いたら、蜆味噌を溶かし入れ、一煮立ちしたら火を止めます。

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丼に入れて、小口切りしたネギを加えて、出来上がりです。

潰したシジミは味に深みを出して良かったのだけど、味噌が少な過ぎて塩味が弱かった。
シジミは殻から1つ1つ、身を取るのが大変なので、今度は全部潰して、汁にしようかな。

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滋賀県の林でさわだ君が採集したミノマイマイです。
亜種みたいですが、形態差異ではなく、分布同定が重視されそうな仲間のような。

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