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2025年10月5日は静岡県と愛知県で、れぴ君、れぴパパさん、西村で採集しました。
目的はサキガケカワニナの生息調査(最後の予定)です。1箇所目の待ち合わせ場所へ着くと、
れぴ君らは先に山へ入ったそうで、マダニがたくさん付いて大変だったそうです。
マダニは私の印象だと、静岡県・愛知県・滋賀県に多く、岐阜県・三重県・福井県は少ない。
この時期に静岡県の山へ無防備で入ればやられます。まだ刺されてなくて良かった。
1箇所目はイシマキばかりで、カワニナ種群は見られず。2箇所目は巻貝がいない。

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3箇所目はS先生がサキガケを見つけ、M先生に教えてサンプリングに成功し、
2021年にさわだ君と一緒に行ったが、カワニナ種群しかいなかった場所。
S先生はまだ生息していると思われているようなので、今回は徹底的にやりました。

2021年当時から道路や河川工事をしていて、この先が危うい感じはしていましたが、
写真のように真新しいコンクリート護岸と、全体的に水深がとても浅くて水が汚い。
カワニナ種群が僅かにいる程度。上流へ300mほど移動すると、水温の低い細流があり、
そこにカワニナ種群がまばらにいましたが、サキガケは殻すら見つけられず。
4箇所目は更に上流。れぴ君が探してくれましたが捕れず。この川は絶滅でしょう。

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5箇所目は2011年4月に初めて見つけ、文献を漁るもこれまで報告がない川でした。
その後に数人で上流・下流・支流と探しましたが、生息しているのはその場所だけでした。
2021年にさわだ君を案内した時はまだ多産していました。2024年2月には生息範囲が狭まり、
個体数も僅かになって風前の灯火でした。今回はその周辺も探しましたがおらず。

2024年2月とほぼ同じような状況で、乗用車3台分くらいの場所にだけ局在し、
推定生息数は30個体くらい。1時間の採集でこの川から絶滅させることが出来る状況です。
サキガケとカワニナ種群の両方とも、殻の皮が剥がれて白化した個体が多く、
健康状態が良いとは思えませんでした。健全な復活はもう不可能な段階かもしれません。
静岡県は一雲済川も絶滅した疑いが強いため、静岡県全体で30個体かもしれません。
家から100km以上離れているので、当ても無く新生息地を探すのも骨が折れます。

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静岡県の調査は終了。愛知県へ移動。6箇所目はサキガケがぽつぽついました。
ここはサキガケが世界で一番多い場所でしょう。域外保全や凍結保存も必要だと思います。

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7箇所目は2018年5月にサキガケがいて、2025年8月にタケノコカワニナだらけになった場所。
サキガケやカワニナ種群はいませんが、タケノコも2箇月で1/10くらいに減っていました。
S先生にご報告したところ、降水によって塩分が下がった影響かもしれないとのこと。
水面近くの水を舐めたら、塩分5‰くらいだったので、タケノコにしては薄いかもしれません。
ここで解散となりました。お疲れ様でした。楽しかったです。ありがとうございました。

サキガケカワニナの和名と学名の由来は、さわだ君がここに記していますが、
勝手に要約すると、ヤマト集群の中で最も早く琵琶湖から外へ進出したことに因むそうです。
今のままでは日本産カワニナ科貝類の中で、最も早く絶滅するのがサキガケだと思います。