数日前にXへポストした焼き直しですが、産地を書き込んでここにも貼ります。
全てナカセコカワニナの成貝です。殻形態の変異幅が異様に広く、同じ種に思えないです。
右下方へ向かうほど、タテヒダカワニナに似ていますが、移行域も変な感じです。
瀬田川ではナカセコとタテヒダの交雑も見つかっていて、この個体はそうかもしれません。
タテヒダよりもナカセコの胎殻は、大きくて丸くて縦肋が太いために識別可能ですが、
胎殻を持たない個体は、同所的に見られるハベカワニナではない場合に、ナカセコとしている。
ようするに、瀬田川・宇治川・淀川・琵琶湖疎水で捕れた、カワニナ種群以外のカワニナ属は、
ハベかナカセコであって、ハベではなければ、ナカセコという消去法での識別になっている。
これが同定かは疑問だが、瀬田川の交雑地域を除いて、タテヒダの様な胎殻は見られないため、
同種という判断に至っている。もしもナカセコとタテヒダは、湖と川という異なる環境で、
生態型や表現型の可塑性によって違うだけならば、同種の方がしっくり来る気がする。
ただ、こういう累代飼育による結果もある。遺伝的には近いが異種関係のようです。
ひとまずここで言えるのは、丸っこいのだけがナカセコではないという認識が必要ですね。