サザナミカワニナ Semisulcospira davisi Sawada and Nakano, 2021
新種記載されました。さわだ君が筆頭著者です。とてもおめでたいです。
第二著者の中野さんは存じ上げませんが、お二方とも大変にお疲れ様でした。
浦部先生がブログでわかりやすく解説されています。原記載のリンクもあります。
写真は模式産地の月出で採集したサザナミカワニナです。解説を書き進めてみましたが、
シンタイプからレクトタイプを指定し、それは不明種でイボは未記載種でと難解なので、
ようするに、イボカワニナと呼ばれていたものは、サザナミカワニナになったんです。
日本産カワニナ属の現世種では、26年ぶり(1995年以来)の新種発見ということですね(凄)。
さわだ君にはビワメラニアの分類やるなら、全種の模式標本を必ず確認しなさいと、
くどいくらい言い続け、2019年にイボのシンタイプ画像を見せてもらったときに、
あぁやっぱりなと思いました。これハベやん。琵琶湖ならばヤマグチかぁ。
それから1年余りで、こんなに素晴らしい論文を、2人で書き上げるとは驚きました。
ベタな調べなあかんところ、みんなやったんで、これなら論文通すしかないやろ感が、
伝わって来ました笑。その分だけ S. multigranosa を不明のままにするしかないよね。
イボカワニナと呼ばれてきたものは、種群(種複合体)だろうと思っています。
そのうち深場にいて、胎殻の大きいものが、サザナミカワニナとして新種記載されました。
それ以外も複数に未記載種の疑いが残っています。写真の9個体は広義のイボです。
左上なんかは逆くの字イボと、さわだ君と呼んでいるもので、サザナミとは全然違います。
カワニナ図鑑のイボのページを、サザナミに書き換えるだけでは、事が済まないのです。
そのためカワニナ図鑑は、このブログ記事のリンクだけ張って、放置を続けます。
コセイの方が早く新種記載されると思っていましたが、次々にハードルを作られるので、
発見から10年半も経ちました。それでも諦めずに挑んでくれるさわだ君には感謝しています。
今後も全解明・川蜷の呼吸で、病まない程度に頑張って下さい。引き続き応援しています。