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2019年11月30日にささき君と福井県で採集していました。
魚と某甲殻類を狙っていたのですが、それは捕れずに、写真のエビが捕れました。
右はミゾレヌマエビ(ささき君採集)とすぐに分かりましたが、左と中央は全くわからず、
何となくヌマエビ南部グループかもしれないなぁと思ったのですが、
福井県に分布していないよなぁと思い直し、少しふざけてヌマエビ南部群としてツイート
(ちなみに、ヌマエビ南部群という表記を使ったことは、これまで1度もありません。)

とりふぁさんから、ヒラテテナガエビというリプ(感謝)が入り、すぐに検索しました。
「福井県敦賀半島の河川で採集されたコエビ類の追加記録」が見つかりました。
そこに「落合川で...本種の成体は,福井県初記録かつ本州日本海側東限記録となる」と。
2018年で日本甲殻類学会の出版物なため、昨年の新しい情報でかつ信用できます。

そのため敦賀半島が日本海側東限で、この個体はそこよりも北だとツイート。
すると、たもしまさんから、ヒラテは能登半島からも出しているとリプ(感謝)。
リンクされていた「越前・能登・佐渡の河川で採集されたコエビ類」を見ると、
2017年で同じ著者。どういうこと!? 2018年に福井県が東限って書いてるやん。
「本種の北限は隠岐島前(桑原,2014),日本海側東限は京都府野原川(丸山,2016)
...未成体の記録としては,折戸川(Fig. 6)が新たな北限・日本海側東限となる」

2017年は石川県で未成体の東限記録、2018年は福井県で成体の東限記録。
未成体と成体という書き分けがあったとは思いませんでした。
エビの世界ではよくあることなのでしょうか。淡水魚やカワニナにはないですね。
種類の分布記録なので、生育段階に分けて、報告する必要はあるのかなぁ。
黒潮を漂う仔魚と、干潟に定着した稚魚は、分ける必要もあるかもしれないけど…。

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家に帰ってエビ図鑑の名著2つを確認しました。
2019年11月の本は、おそらく2018年の報文を参考に、福井県(日本海側)と、
記したと思うのですが、主要参考文献には入っていませんでした。
種類としては2017年の報文を参考に、石川県(日本海側)とするべきでしょうが、
この図鑑は成体の分布しか記していないのでしょうか。
これも参考文献がまともに記していないので、確認が取れませんでした。

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アジメドジョウ、ヒラテテナガエビ、イサザは唐揚げにしました。
ミゾレヌマエビは現場で逃がしました。この唐揚げ粉はケ○タによく似た味で、
私の好みですが、スパイシーなので、ヒラテの味はほとんど消えてしまって、
よくわかりませんでした。普通に素揚げで塩付けて食べれば良かったです…。

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ヒラテと同じ場所で、ヨコエビ類も捕れました。福井県でまたに見かける種類ですが、
今回はツイートしても、だれも教えてくれませんでした。自分で調べてみました。
「日本産淡水ヨコエビ類の分類と見分け方」を参考にさせてもらうと、
ヤマトヨコエビかタキヨコエビに思えました。第1触角柄部第1節後縁に2刺毛束がヤマト、
3刺毛束がタキ。写真では微妙です。何となく2刺毛束のように見えなくもない。
「石川県における陸水性端脚類ヤマトヨコエビと新発見のタキヨコエビの採集記録」
によると、抱卵雌の目がタキは非常に大きく、ヤマトはやや小さい。この個体は小さい。
ということで、ヤマトヨコエビ Awacaris japonica (Tattersall, 1922) のようです。
これの Fig. 4. を見ると A. japonica は2系統ある…。気にしないことにします。