記事一覧

ファイル 1007-1.jpg

シライシ号で片山の次は多景島です。過去にチャーター船カワニナ丸で行きましたが、
なぜまた行きたいのか。それはカワニナ科21種類のうち、20種類の生態動画を撮り、
タケシマカワニナだけを撮り忘れていました。これは多景島へ行かないと撮れません。
生態動画パズルの最後の1ピースなのです。多景島へ行く方法は色々と考えました。
チャーター船や漁船は全て断られ、シライシ号は要芽さん(持ち主)の反対で中止。
そうなると観光船しかないのです。しかし、これには複数の問題がありました…。

第2便(多景島上陸コース)を見て下さい。1日1便だけで30分しか滞在できません(短)。
また、怖くて美人な尼さんと、素潜り許可の交渉が必要です。これが最大難関(真顔)。
想像するだけで胃が痛くなります。一喝されて断わられる可能性は十二分にあります。
ネット検索すると、怒られたり、インパクトが強いとか、恐怖体験が書いてあります。
もしも断られた場合は、顔を覚えられて、もう二度と多景島で素潜りできなくなります。
駄目もとで失敗は許されません。どうすれば許可をもらえるか、考えても答えが出ません。
私はタケシマの撮影だけで個体はいりませんが、要芽さんは採集したいということで、
寺(島全体が日蓮宗見塔寺の境内)で生き物を捕るという、ハードルが更に高まります。
厳密に言うと、島外の琵琶湖で採集するため、規制はありませんが、島へは上陸します。

今年5月にある方から、必要経費を出すので、タケシマを捕って欲しいというメールがあり、
その方に尼さんとの交渉をお願いするも、無策でこちらの気持ちを分かってもらえず、
要芽さんと相談して同行をお断りました。とりあえず、我々で何とかしないといけません。
ようするに↓こうなります。

15:10 彦根港発(多景島上陸コース1,760円)
15:10~15:30 観光船で多景島へ移動(20分間)
15:30~15:31 見塔寺へ移動(1分間)
15:31~15:36 見塔寺で礼拝および尼さんと交渉(5分間)
15:36~15:37 桟橋へ移動(1分間)
15:37~15:39 着替え(2分間)
15:39~15:53 素潜り(14分間)
15:53~15:57 着替え(4分間)
15:57~15:58 観光船へ移動(1分間)
15:58~16:00 乗船(2分間)
16:00~16:20 観光船で彦根港へ移動(20分間)
16:20 彦根港着

なんじゃこのタイトなスケジュールわぁ(笑)。14分間で撮影や採集できるんだろうか。
それでもやるしかない。1,760円払って尼さんに説教を受けに行く可能性もあるが…。

12時半頃に彦根港へ到着。片山で濡れた海パンなどを、外に出して干す。
ジーンズの下に海パンを履いて乗船し、すぐにでも潜れる状態にしたいためです。
まだ2時間半はある。要芽さんは隙あらば、寝るという態勢は、いつもと同じ感じ(笑)。
私は尼さんとの交渉が頭をもたげ、寝る気になれない。中二病を見てやり過ごすデース。

14時40分を過ぎて、干していた海パンを取り込むが、まだ乾いてない…。
多景島で着替えるしかない。フィンやシュノーケルは、観光船へ乗る前に、
何だこれはと止められるのが怖かったので、胴長袋に全ての道具を詰め込みました。
ベージュ色の袋は、かなり怪しいが、観光船内での水漏れ防止のため、使うしかなかった。

ファイル 1007-2.jpg
観光船のりばでチケットを買う。そして乗客が少ないことを願い続ける。
人が多いと何かとやり難い。多景島に潜ってるアホいるなう。とかやられたら嫌だ。
そろそろ出港時間だ。観光船(わかあゆ)へ胴長袋を隠すように乗り込む(悪事ではない)。
乗客は2人(私と要芽さん)+8人=10人。夏休みにこの人数で経営が成り立つのかな。
彦根市松原町の方を見ると、鳥人間コンテストが開催し、ヘリコプターが飛んでいた。

ファイル 1007-3.jpg
多景島が近付く。不安一杯でも気合を入れる。すると着船せず島を回り始めた。
なるほど島全体を見せてくれるんだね。観光船だということを実感する。
船着場へ到着。私と要芽さんは誰よりも早く、船から飛び出し、見塔寺へダッシュする。
私は200円、要芽さんは300円を賽銭箱へ入れ、手を合わせて礼拝をする(大事)。
尼さんは島の隅々まで、見通す力があるため、これを端折ったら、心証が悪いので丁寧に。

尼さんを探す。住居に人の気配が無い。通常は大音量の案内放送があるのにそれも無い。
もしかしてだけど、もしかしてだけど、それって尼さん不在なんじゃないの♪
観光客が見塔寺へ迫る。潜る時間がどんどん無くなる。もう桟橋へ向かうしかない。

ファイル 1007-4.jpg
桟橋にある注意事項に、潜ってダメとは書いていない。というか過去に2回潜ってます。
この場所以外から、琵琶湖へ入る場所は無いため、ここがダメだと潜ることは不可能。
高速で着替える。桟橋に目覚まし時計を置き、遠くから見ても時間がわかるようにした。
要芽さんは海パンを履いているため早い。一足先に入水した。私も追いかける。
琵琶湖は波が高くて荒れているが、躊躇している時間は全くない。一気にドボン(冷)。

過去の採集でタケシマが多かった場所へ、デジカメを片手に荒波を移動。
水深4m付近でタケシマを発見。手で掴む動画を撮影。これでコンプリートだっ(嬉)。
その後も撮影と採集を続け、目覚まし時計を見に行くと、要芽さんがもう上陸している。
私も慌てて上がる。桟橋の上方から、観光客からの視線を感じるが、高速で着替える。
濡れた海パンなどを、何も考えず、胴長袋へ詰め込む。そしてダッシュで観光船へ移動。

出発する5分前に乗船できた。髪の毛が濡れた状態だが、暑い日だったこともあって、
汗を大量にかいたと思われたかな。とりあえず何事もなく、くたくたで席に着く(ふぅ)。
すると5分前にも関わらず出船。客数が揃ったら出るのか。計画は色々と破綻していた。
要芽さんがダウンし、座席で横になっている。彦根港へ到着。誰よりも早く船外へ出る。
タケシマを適当に詰め込んだので、潰れたり高温で死ぬ可能性があるから急ぐ。
車へ戻って達成感(喜)。最強のボスを倒すため、Lv.99にしたが、ボスがおらずクリア!

ファイル 1007-5.jpg
実際は↓こうなりました。

15:10 彦根港発(多景島上陸コース1,760円)
15:10~15:31 観光船で多景島へ移動(21分間)
15:31~15:32 見塔寺へ移動(1分間)
15:32~15:34 見塔寺で礼拝(2分間)
15:34~15:35 桟橋へ移動(1分間)
15:35~15:37 着替え(2分間)
15:37~15:47 素潜り(10分間)
15:47~15:52 着替え(5分間)
15:52~15:54 観光船へ移動(2分間)
15:54~15:55 乗船(1分間)
15:55~16:13 観光船で彦根港へ移動(18分間)
16:13 彦根港着

弾丸採集すぎる。真似できるもんならやってみな(爆)。私はもうやりません(笑)。
尼さんがおられたら、採集時間はもっと短くなるため、実質は無理でしょうね。
右上が私(タケシマ10、チクブ6)、右下が要芽さん(タケシマ12、チクブ4)です。
未明から明け方に2箇所素潜り。朝にシライシ号で4.7km漕いで2箇所素潜り。
夕方に多景島で素潜り。一般道で名古屋と琵琶湖を往復。無茶苦茶な採集でした。

翌日にタケシマとチクブの全個体は某大学へ発送。安着して標本になったそうです。
1円にも成りませんが、カワニナ問題の解明には、必要なことだと信じています。
もしも売るなら、4年前にタケシマの貝殻が1個体12,500円だったけど、直近は2,750円。
ちなみに私は貝殻に興味はありません。新鮮な生体なので1個体1万円が適正価格かな。

実はタケシマは多景島へ行かないと、捕れないわけではありません(笑)。
これを見て下さい。右が多景島産、左が近江八幡産です。両者は同種にしか見えません。
産地を無視した形態上のタケシマは、多景島以外の琵琶湖で何度も捕っています。
タケシマはタテヒダカワニナの一型ではないかと思われます(カワニナ図鑑には未記載)。
それでも分布同定から多景島へ行く羽目に。誰だこんなシノニムを記載したのは!!