2011年9月11日はタロベエさんと塩津湾東岸でカワニナ採集です。
今回の航行予定は 片山→飯浦 (約6km)。今年2月にカワニナ丸を買って、
琵琶湖の離島と車で行けない湖岸へ行きました。最後に残ったのが塩津湾東岸です。
7月に沖の白石へ行った以降、カワニナ丸は満身創痍でしたが、無理して使い続けました。
これがカワニナ丸にとって最後の航行です。そのまとめは改めて記事にしたいと思います。
9月10日か11日に塩津湾東岸へ行こう。そう思って数人に話をするが、色々な事情で断られ、
mさんが18日ならばOKと。毎年この日の前後は、台風の当たり日という印象が強いため、
無理だろうと勝手に判断。もう1人で行こう。そう思ったとき、tさんが11日ならOKと(嬉)。
9月10日。徹夜の限界で06時頃に寝て、12時頃に起きる。もう寝れない…。
9月11日。00時30分頃に家を出る。琵琶湖湖岸へ02時40分頃に到着。tさんとこんばんは。
夜の琵琶湖へ潜る。適当な場所でウナギとイワトコを探すが見つからず、陸へ上がる。
tさんと話すと、背鰭に黒斑が無いヒガイがいたと。えっ!! どんなの? どんなの??
話からだと、背鰭に黒斑は全く無く、体は金色で、ほとんど模様がない。マジカよ!
それ本物のアブラヒガイだよ。それ捕ってよーっ。もったいねーーーっ。うわーっ。
よしっ。もっかいそこ潜ろう。探すが見つからない。普通のビワヒガイを一緒に見たが、
それとは全く違うと。ネットでアブラヒガイと出てくる画像の9割以上は偽者ですが、
数冊の図鑑だけに、本物の写真があるので、翌日、tさんにその写真を見てもらいました。
すると「川と湖の魚1」の166ページにある上の写真に一番近いと。うげーっ本物だよ。
本物は、産卵期でも雌雄共に金色で、背鰭に斑は全く無いのですが、まさにそれ。
よくある黒っぽいのは偽者。緑っぽいのはカマドヒガイ。図鑑やネットはそんなのばかり。
まぁアブラヒガイとビワヒガイは同種みたいだけど、それでも本物は捕ってみたいです。
私は琵琶湖へ行きまくっても、1度も見たことないよ。凄すぎる。次は絶対捕ったるっ。
かなりテンションが上がった。さて、夜が明けてしまうので、魚捕りは終わりです。
片山→飯浦と飯浦→片山。どちらで行くかは、当日の風向きで決めることにしていました。
天気予報だと南東4~6m風。うーん。風は強めだが、追風になる片山→飯浦に決める。
まずtさんの車を飯浦へ駐車。tさんに私の車へ乗ってもらって、片山へ向かいます。
片山に着くと野焼きをやっていた。しかもゴミ捨てるなの立札が、近くに倒されていた。
写真はその立札を、私が野焼きしている近くへ持って行き、立て直して撮ったものです。
電動ポンプを、車のリヤ・アクセサリーソケット(車の後部にあるシガーソケット)へ繋ぎ、
カワニナ丸を膨らまします。準備であちこち移動していると、電動ポンプのコードが、
私の足に引っ掛かり、その勢いで、電動ポンプのプラグが割れてしまいました…。
無理やり繋げて、もう一度、プラグをソケットに挿すと、普通に動きました(ふぅ~)。
よぉし。準備OK。07時50分。最後の出航です。私が前部座席で、tさんは後部座席です。
この航行が無事に済めば、カワニナ丸は引退。命懸けシリーズも"今年は"終わりです。
我々は北北西へ向かう。南東から風と波が来る。ようするに追風と追波。かなり楽です。
漕がなくても目的地へ行けるんじゃないか。これで素潜り採集に体力をまわせる。
今回は5箇所で潜るつもりです。そのうちの1つ。西野放水路が見えて来ました。
この水路が長年運んだ泥水で、琵琶湖に島状の洲が出来ています。そこへ上陸します。
カワニナ丸から降りると水が冷たいっ。潜れる水温ではない。それでも潜りましたが…。
原因は不明ですが、船体が右側へ傾き、体を右側へ倒すと、琵琶湖へ落ちそうになります。
そのため、体を左側へ寄せ、無理な体勢で、パドルで漕ぎます。腰が痛いです。
この状態で長く漕ぐのは無理。最後に比較的に楽な、塩津湾東岸で本当に良かったです。
雲行きが怪しくなり、雨がポツポツと…。バスボートや漁船が一気に居なくなりました。
カワニナ丸はそんなこと出来ません。雨が降って来たら、そのまま耐えるしかありません。
雨も止んだ頃に、有漏神社(有漏宮)が見えました。ここは船で行くか、湖岸を歩くか、
徒歩で山を越えないと、辿り着けない場所なのです。非常に奇妙な神社ですが、
この近くに、かつて阿曾津村があり、津波で廃村。その村民には身近な神社だったのかも。
今は歴史のことより現実です。だんだん風と波が強くなってきました。いつもならば、
死にかけるのですが、追風と追波で、むしろ楽なのです。後日に気象庁の気象統計情報で、
この時間帯の長浜市の風を調べたら、東南東の風9.4m(ありがたい追風です)。
もうすぐ目的地の飯浦(はんのうらと読みますが、めしうらと打って変換してます)です。
12時30分。飯浦へ到着です。tさんの積極的で、効率の良い漕ぎ方にも、かなり助けられ、
大きな危険もなく、距離が6kmと短く、追風と追波もあって、随分と楽ちんな航行でした。
カワニナ丸の最後にしては、何か物足りない感じも…。楽な方が良いはずなのですが…。
飯浦にはtさんの車。片山には私の車が駐車してあります。車上荒らしも心配です。
飯浦の浜からtさんの車へ向かいます。無事でした。写真のカワニナ丸を見て下さい。
左のカバーの空気が抜けています。座席も背もたれの空気が抜けています。
どこかに穴があるのでしょう。両側の気室は、うねって歪です。以前は真っ直ぐでした。
これで船体が右側へ傾いているのだと思います。パドルと擦れて、傷が付いているため、
いつ破れるかと、冷や冷やしていました。しかも空気がじわっと抜けている感じなのです。
船底は穴が空き、座席は2つとも千切れ、百均ボンドで適当に補修してあります。
この状態で、沖の白石のような、避難場所が無い遠方には、とても行けません。
これがカワニナ丸を膨らませた、最後のお姿となりました。よくやってくれました(拍手)。
カワニナ丸の空気を軽く抜いて、tさんの車へ乗せてもらい、2人で片山へ向かいます。
片山へ到着。私の車は無事でした。これからカワニナ丸の空気を完全に抜きます。
電動ポンプを、車のリヤ・アクセサリーソケットに繋ぎます。あれっ? 動きません。
朝に空気を入れたとき、プラグを壊してしまったが、問題なく使えたんだけどなぁ…。
リヤ・アクセサリーソケットが壊れたと思って、フロント・アクセサリーソケットに、
繋いでみました。一瞬動いたけど、すぐに止まりました。どういうことだろう。
tさん曰く、プラグ近くのコードが断線し、ソケットのヒューズが飛んだのだとろうと。
tさんは手馴れた感じで、ボンネットを開けて、ヒューズボックスを確認しています。
(すみません。カタカナと車を知らないとわからない言葉ばかり出てきます…)
そこにリヤとフロントのアクセサリーソケットは無いようです。tさんはすぐに、
運転席足元にあるヒューズボックスを確認しています。車の説明書も出して調べます。
何やら大事になってきました。運転席足元にリヤとフロントのヒューズがあるようです。
それをtさんがハサミで摘んで取り出します。ヒューズを確認すると切れていました。
これで原因はtさんの想像通りで、はっきりとしました。ここまでの作業が早いっ。
車の説明書には予備ヒューズが、エンジンルームのヒューズボックスにあるようです。
tさんはその説明書を見ることもなく、エンジンルームの予備ヒューズをさっと抜き取り、
運転席足元のヒューズボックスに差して、切れた2つのヒューズ交換が終りました。
試しに電動ポンプ以外のプラグで試すと、両方とも正常に動きました。おおーっ。
車に疎い私と違って、tさんのテキパキとした行動、ちょっとカッコエエと思いました。
電動ポンプは完全に壊れたので、カワニナ丸は適当に丸めて、仕舞うことにしました。
次はhさんとの採集です。待ち合わせ場所へ車2台で移動します。到着すると既に、
海パンのhさんとお父さん。一緒に潜ります。4人で採集後にtさんは先に帰路へ。
しばらくしてhさんともお別れ。お疲れ様でした~っ。17時頃に琵琶湖を出て、
一般道で名古屋方面へ。29時間連続で寝てません。運転しながら今日を思い返します。
今回tさんは色々捕り、ヒューズ交換もお見事。いつものtさんじゃない。見直しました。
お腹が減ったので、帰路の途中にある龍泉養老店へ。いつものCセットを食べます。
店から出ると、外はもう暗くなっていました。お腹も一杯になったし、安全運転で帰ろう。
駐車場から道路へ出ます。ん?暗いな。カチカチ。あっ。ヘッドライトが点かない(焦)!!
とりあえず、適当なところへ車を停める。何で点かないんだ。色々と考えてみる。
ポクポクポクチーン。ボンネットを開ける。ヒューズボックスを確認する。説明書を見る。
やっぱりかーっ。tさんが予備ヒューズだと思って外し、ソケットのと交換したのは、
ヘッドライトのヒューズだった(爆)。ちょっとカッコエエと思って損したわ(笑)。
暗い中で、懐中電灯を使って、元へ戻し、ヘッドライトが点くようになりました(ほっ)。
そして、ホームセンターへ寄り、ヒューズを買って、ソケットのにも差し込んで元通り。
私も信用して、確認を怠ったのもあるけど、何というかtさん、オチをありがとーう(笑)。
アブラヒガイを見逃し、ヘッドライトのヒューズを外す、そんなtさんカッコエエです(爆)。