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沖島から伊崎磯へ向かいます。途中の魞で迂回させられたが、何とか着岸。
時間も無いので、さっさと潜ります。伊崎磯を1周すると、だんだん波が強くなり、
水面に浮いているだけで体力を消耗。シュノーケルにも水が入ってきます(ごほっ)。
波に揉まれながら30分ほど潜って今日は終了。計5箇所(約4時間)の潜水採集でした。

02時30分にコンビニ弁当。09時50分に小食。現在の時刻は17時30分。腹減った~っ!
早く戻って、ガッツリ食べよう、そればかり頭を過ぎります。風で寒いので温かい食べ物。
sさんは空腹すら感ぜず、不平も言わず、視点が危なく、やや朦朧化しています。
私が頑張らねば…。そう思う私も、フィンを使い過ぎて、両足の薬指が皮下出血。
耳が痛くて、聞こえが悪く、軽度の潜水性中耳炎になっていました。もう頑張り過ぎだ…。

伊崎磯からカワニナ丸を浮かべる。駐車場のある栗見新田町までは1.5kmくらいだ。
風波はどんどん強くなる。14時までの天気予報は確認したが、それ以降は確認していない。
空は黒い雲が集まりだして来た。やべぇ。早く戻らないと、落雷の危険もあるぞぉ。

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風波が半端ではなくなってきた。うねりが凄まじい。行きは穏やかだった、
伊崎不動の棹飛堂の岩礁に、次々と波がぶち当たる。写真を撮るのも本当は危ない…。
カワニナ丸で史上最大の風波に見舞われた。後日に気象庁の気象統計情報で、
この時間帯の彦根市の風を調べたら、北風8.8m(遮るものがない湖上ではそれ以上だろう)。

棹飛堂を越えれば南東方向に約1kmだ。目的地も薄っすらと見えて来た(もう少しだ)。
時より高さ2mもありそうなうねりが、カワニナ丸の左側から襲い掛かってくる。
波の頂上に乗ったときは、バドルが空振りする。バドルが水面に届かない落差なのです。

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写真を見て下さい。左の方で雨が降っています。非常に見辛いですが中央付近。
私とsさんには、はっきり見えたのですが、雲から地面へ斜めに伸びるものがあります。
そう。竜巻です(驚愕)。黒い雲は今にも雷雨になりそうな感じ。sさんは雨が落ちて来たと。
今まで朦朧としていたsさんが口を開く「西村さんは出発したところに戻りたいだろうけど、
雷落ちるかもしれないので、近くの岸に上陸して、歩いて戻りましょう」と言い出します。

何も無い湖面にカワニナ丸とアルミのバドル。雷さんこちらで~す。というようなもの。
私は歩いて戻るのは嫌。それよりも冷静に分析すると、落雷はないだろうと思えました。
昼前後に雷鳴は何度も耳にしていましたが、伊崎磯を出てから雷鳴は聞こえてきません。
しかし、全身全霊の力を振り絞って、私に物申したsさん。その気持ちもわかってあげたい。
湖岸沿いに木が並んでいる。この木より100mほど距離を空けて進めば、木に落ちるだろう。
そう考えて、最短距離ではなく、湖岸沿いを進むことに。とにかくここは休んだらダメだ。
「お~りゃぁ~!」と叫びながら、漕ぎ進める(必死)。残った力以上の力が出る。
これは「ファミコンウォーズ」を凌駕する呪文だ。でも危機のみ使用可能(MPは大量消費)。

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カワニナ丸がちょっとバランスを崩すと、うねりで大量の水が船内へ入ってくる。
その水を掻き出す余裕は無い。腕がもげそうなほど、乱暴に、力任せに、漕ぐ漕ぐ漕ぐっ。
出発した浜はもう目の前だ。これまで着岸は全て船尾からして来た。前部座席の下方に、
穴をふさいだ箇所があり、船首から着岸して、底を擦すると、接着剤が取れてしまい、
空気が抜ける恐れがあったからだ。こんな状況では、そんなこと、もうどうでも良い。

「浜に前から突っ込むぞっ」。ズザーッ。何とか着いたぁ。へとへと(HPはゼロに近い)。
湖を見る。この風波でよく戻って来れたわ。穏やかな日も、急に危険になるのが琵琶湖。
実際の航行は 栗見新田町→沖島→伊崎磯→栗見新田町 (約12.25km)でした。
まだ息は上がっているが、最後の力を振り絞り(もう無いけど)、カワニナ丸を持ち上げ、
駐車場へ担いで運ばねば成りません。カワニナ丸は水が入って重いっ。雷雨が来る前に、
車へ戻るため、限界の体で、底を擦らないように運ぶ(はぁはぁ)。もう少しで駐車場だぁ。

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車へ近付いた。そのときsさんがこう言った。「車上荒らしだぁ!」と(爆sp)。
カワニナ丸は無造作に置かれ、sさんは変なギアへ入ったかのように、元気になった…。
sさんの車の後部座席にある窓ガラスが粉々に。私の車も確認するが、異常はなかった。
近くでアイドリングしていた人の話では、11時頃には既に窓が割れていたそうです。
というか、そんな時間に見つけていたら、とっとと警察に通報せいよと思ったり。

やっぱりここじゃなく、田んぼ脇に駐車すれば良かったと、頭を過ぎったが時既に遅し。
現在の時刻は18時15分。我々が駐車したのが04時前。ここを出たのが06時35分。
ようするに、06時35分~11時頃の間に、窓ガラスを割られたということである。
sさんが車内を確認する。荒れていない。財布もある。何も盗られていない。なぜだろう…。

とりあえず警察に電話。20分くらいするとパトカー登場。割と感じのいい2人の警察官。
何も盗られていないので、車上荒らしではなく、物損で処理するという話になった。
しかし、色々と調べると、鍵は開けられていたようなので、窃盗未遂に切り替わった。
その後にsさんが「あっカバンがない!」と。ここで窃盗に。指紋の採取も行われた。
このカバンに現金などは無く、被害金額は低いけれど、思い出の物があったそうです。
戻って来ることを祈りますなんて、軽々に言えないです…。お気持ちお察し致します。
その場に犯人がいたら、採集したばかりのホソマキカワニナで、突き刺してやったのに。

1つ疑問が湧いてきた。カバンは盗られたが、なぜ車内は荒らされていないのか?
経験豊富な警察官の推理からまとめると、犯人は2台ある車を窓から覗き込んだ。
私の車には、現金が入っていそうなものが無く、sさんの車にはカバンが目に入った。
まずはsさんの車から物色することにした。そして、窓ガラスを割り、ドアを開け、
物色しようとしたが、近くに人が来たので、慌ててカバンだけを掴んで持ち去った。
結果として、私の車は被害に遭わなかったが、次のターゲットだったのだと…。

もうカワニナ丸で沖島へ行ったことなど、すっかり頭から飛んでしまっているsさん。
危機からの開放や達成感などの、余韻に浸る間も吹き飛ばす、車上荒らしという不運。
車上荒らしという犯罪被害を、面白おかしく書いて良いものか、すごく迷ったのですが、
sさんは広い心で、記事にしても良いと。というか、記事を楽しみにしていますと(えっ)。
そういうことなので、書きました(感謝)。私は何でもネタにはしませんよ(本当か?)。

警察官とsさんの話があまりに長いので、私は駐車場に座り込んで転寝していると、
右側へ倒れ、アスファルトと擦って、右足と右手が、結構な傷になってしまいました。
今回は怪我が少なくて良かった、そう思っていたのに、こんなところで自業自得の怪我…。

結局、警察官が帰ったのは、20時30分を過ぎていました。sさん本当に大変な1日でした。
でも、慰められる良い言葉が見つからない。私だけ被害無しって、ちょっと気まずいです。
何で私の車の窓ガラスを割らなかったんだーっ。そんな気持ちにさえなってきました。
窓を一時的に塞ぐため、カワニナ丸の日除けカバーを外し、ガムテープで貼り付け、
何とか応急できた感じ。当然ながらsさんはイワトコ捕りなんてやる気分ではありません。
私ならばまずやりますが、sさんは私ではありません。普通の人の気持ちもわかります。

片付けが終って、落ち着いた頃には21時15分。朝には想像すらしていなかった時間に。
このまま解散して帰るというのも、無被害の私からしたら、申し訳ない気がしました。
それにスーパー腹減ったっ。09時50分の小食から、こんな時間まで何も食べずですよ。
2人は王将で12時間ぶりのガッツリ食事。ドケチの私がおごり、ここで解散となりました。
sさん。憎っくき犯人を見つけたら、絶対にカワニナ丸に乗せてやりますよ!(最高刑)。