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2011年5月3~5日の予定を空け、最も風のない日を選び、小島で採集することにしました。
行く方法はもちろんカワニナ丸です! maikyさんと2人で、ひたすら漕いで向かいます。
3記事を続けて書きます。どうぞご笑覧下さい(笑)。写真は菅浦で、奥は霞む竹生島。

5月2日夜。5月3~5日のうち、最も風がないと思った、5月3日に決行を固める。
さぁ寝るぞ。5時間半くらいは寝る時間がある。眠れない…。興奮と不安の堂々巡り。
ベッドに2時間。ずーっと意識がある。昨日もあまり寝てなかったのでヤバイ。
朝に風呂へ入ろうと思ったが、風呂で寝ようと思い、風呂で1時間ほど眼を閉じるが、
興奮と不安の堂々巡り。同じ状態。はぁ~ぁ。わかっちゃいるけどねむられない。
そんなこんなで、ベッド2+風呂1=3時間の浅い眠りで、寝ることを諦め、
パソコンにテキストの遺書を3行ほど書き残しました。その一文「死んで悔い無し」。
これを家へ戻って、誰にも知られず、削除するのが、当面の目標になりそうです(懸命)。

5月3日の4時40分(10分遅刻)にmさんのお宅へ。さすがGW。いつもより道が込んでいる。
そんなこんなで7時過ぎに菅浦へ到着。車で行ける小島から最も近い場所が菅浦です。
今回の航行↓地図を見て下さい。カヤック歴は私3回、mさん2回。無謀すぎます。
菅浦→小島→竹生島→菅浦 距離は最短ルートで約9.5kmです!! 蛇行したらもっと。
これが夏ならまだ転覆しても何とかなるけど、mさんが琵琶湖の水温を計ると10.1℃!!
この水温で、万が一(もっと確率は高いけど)にでも琵琶湖へ落ちたら、
たとえライフジャケットで浮いても、数十分で低体温症になって、死ぬのは確実です。
落ちた場所によっては、水深約80mだったり、岸まで泳ぐにも1km余りは離れています。
それにカワニナ丸は安物ゴム製カヤック。ようするに、穴が開いたら死を意味します。

もっと言います。この日は風雨はないが、黄砂がひどくて視界が悪過ぎる。
遠くの岸が見えない。菅浦から見渡す限りは、カヤックやバスボートも見当たらない。
これは仮に助けを求めても、周りに気付いてもらえないということです。

もっともっと。2月初め頃に、階段から落ち、左肩を強打。しぶしぶ病院にも行ったが、
未だに痛く、毎日ダンベルで左肩のリハビリをする日々。8割は回復した感じですが、
まだ左肩を使ってパドルを漕ぐと、痛みが走って、長時間は出来ない状況なのです。

まとめると、左肩はまだ痛い、睡眠は浅く3時間、安物ゴム製カヤック、経験3回、黄砂、
助けを呼べない、最大水深80m、岸まで最長1km余り、水温10.1℃、で約9.5kmを行きます!!
危ないのでやめる理由は山ほどあります。それでもカワニナハンターは行きます。
こうした不安はありますが、とにかく行きたい!という気持ちはブレません。
何よりも行きたいを優先。普通は逝きたくなく、生きたいので、行かないのでしょうが…。

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この日のために作って来た「カニとりくん420」。ワインレッド色の延べ竿に、
エビタモをくつっけただけですが、これで水深4.5mくらいまでのカワニナを狙えます。
少し問題なのは、ちょっと柄が長いので、股に挟まないといけないことです(きゃ)。
荷物を置けるところが狭く、パン1つも置けず、竹生島の売店までは食料なしです。
腹が減っても死にはしない。ペットボトル1本だけ。なくなったら琵琶湖の天然水だっ。

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8時過ぎ。いざ出航っ。ちなみに、12~14時頃に菅浦へ戻る予定。
生きて戻ったあかつきには、tさん、uさん、pさんの3人が待っていて、すぐ別の採集へ。
パドルを漕ぐ。やっぱり左肩が痛い。右肩はやる気満々なのに、左肩が水を差す…。

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20分くらい漕いで、振り返ると、菅浦からだいぶ離れていた。霞んでいるのは黄砂。
眼がかゆい。喉が砂っぽい。高島市の方を見ても、視界不良で岸が見えない…。

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葛篭尾崎が見えてきた。ここも寄る予定はあったけど、時間的に無理と判断。
夏になったら潜りに行くぞぉ。ここから小島までは、岸から離れ、湾の外へ出るため、
風波と湖流が強くなり、今回の航行で最も危険な場所。もちろんそれを往復です。
(次記事へつづく)