愛知県の下流域で採集したクロダカワニナです。
昔たくさん捕った記憶のある場所へ行きました。チリメンカワニナすらおらず、
下流へ場所を移動しながら、あちこち見て来ましたが、全く捕れませんでした。
こうなってしまったのも、すぐ上流の某施設建設時に、大量の土砂を川へ流し、
今でも泥が堆積し、魚や貝が急に減りました。完成した某施設では、
良いことしてますアピールなのか、その魚を保護しています。ちょっと待てと。
弱い螺肋のある個体は、同じように弱い螺肋のある個体が混じる、
ナンゴウカワニナにそっくりだと思いました。混ぜられたら区別できないかも。
フトマキカワニナやタテジワカワニナの要素もあるように思いました。
ハベ系と比べても、殻底肋がやや多い以外は、ほとんど違いはないように思います。
S先生もクロダはビワメラニア(ビワカワニナ亜属)だろうとご教授下さいましたが、
クロダはビワメラニアの原種的な存在なのかもしれません。というかみんな同種か…。
軟体部です。気泡がたくさん付いていますが、気にしないで下さい。
琵琶湖のハベ系が、私が捕った愛知県へ、仮に移入していたら、区別できないので、
最低な同定方法でもある地理的分布を使って、クロダにしてしまうことでしょう。
もしかすると、各地でクロダと記録されているものの中には、ハベ系がいるかも。
もう食べないぞ。と思って、水槽に入れたのですが、好奇心と強いサービス精神を持つ、
もう一人の自分が出てきて、結局は水槽に手を突っ込んで取り出すはめに…。
もう御馴染み塩茹で2分です。爪楊枝で掘り出し、いつもの胎殻が見えましたよ。
今回はやや小さめの個体を選んだのにメス(ハズレ)。胎殻は黄白色で少なかったです。
胎殻は食べる前に外したのですが、少し残っていて、いつものごとくバリッジャリっと。
歯応えは良いので、いけるかなと思ったら、青臭さというか、藻の風味というか、
それが噛むごとに強くなって、口いっぱいに広がり、美味くなかったです。
クロダカワニナは昔よく見られた場所から、随分と離れた支流が流れ込む場所で、
ようやく捕ることが出来ました。そのとき私は徹夜で、空振りが続いて、
胴長を履く気力もなくなり、足もガクガクで、挙句に下半身浴してしまいました(笑)。
こういうときに限って、いつも持って来ている着替えが無い。なんでだろうねぇ。
サツキマス釣りしていた方が、私に話してくれた名言があります。
「クーラーボックスを持って来ない時に限ってサツキマスが釣れる」
胴長を履いて、バケツを持って、よしやるぞ。というときは、なかなか捕れないが、
たも網だけ持って、どうせダメだと、思っているときに限って、捕れてしまう。
今回も、たも網だけで川へ近づき、目的のクロダカワニナが捕れちゃったので、
入れ物すら持って行かなかった私は、ズボンのポケットに入れて、車まで戻りました。
イワトコナマズも同じだなぁ。あまり気合を入れ過ぎると、生き物に伝わるのかな…。