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はじめに

日本産カワニナ科貝類の現世種は、未記載種疑いと外来種を含めて1属(2集群)30種。 タケノコカワニナなどのトウガタカワニナ科(トゲカワニナ科)は扱わない。 当図鑑の作成に当たって、S先生とさわだ氏には、快く多くの情報を頂き、同定等で度々ご指導を賜った。 採集等でご協力下さった方々は、日淡こぼれ話に記して謝意としていますが、 取り分けmaiky氏にはお世話になりました。関わって下さった多くの方々に、厚くお礼を申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。

●写真
■FUb413006.琵琶湖北湖(北岸大浦海津)産
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FU種類。fuscata (クロカワニナの種小名)のFUの意。
b水系。bは琵琶湖淀川水系かその影響が強い水域。aはその他(琵琶湖淀川水系から遠い流入河川を含む)。
413採集地点。b水系とa水系でそれぞれ異なる。
006同産地の写真番号。001〜999。
産は採集、無しは生息地で撮影、vは動画、Tは模式産地で採集及び撮影したトポタイプの意。
07-210-20230429.jpg
07種類番号。07はクロカワニナ。
210種類中の写真番号。01〜∞。
20230429採集日(生息水域の写真は撮影日)で2023年04月29日の意。写真は採集日から3箇月(通常3日)以内の個体。
上表は凡例。写真だけでの同定は極めて難しく、交雑と思われる個体も見つかる。その場合に未同定や交雑として分けると、 非常に多くて複雑になるため、当図鑑ではその種の特徴が強い方へ区分している。

●分布

採集調査水域は主に琵琶湖淀川水系で、琵琶湖の岸(水際から沖へ300m程度までの範囲を示し、それより遠くは沖合とする)・内湖・島状地(水鳥の洲、奥の洲、小島、竹生島、多景島、沖の白石、磯沖暗岩、沖島、伊崎磯、矢橋帰帆島)周辺、 流入河川や瀬田川(JR東海道本線鉄橋上流250m付近〜曽束大橋)、宇治川(曽束大橋〜桂川合流点)、淀川(桂川合流点〜新伝法大橋下流2.5km付近)、旧淀川(大川)、 琵琶湖疏水、余呉湖など、水深8m以浅を中心に行った(未採集箇所を含む)。 琵琶湖淀川水系以外は主に北海道・関東・北陸・中部・近畿・中国地方で行った(未採集箇所を除く)。採集調査は2010年4月から継続中。

琵琶湖北湖(北岸)は、塩津湾東、塩津湾西、菅浦、大浦海津の4つに区分した。 生物の生息地情報は、様々な事情を考慮し、判断する必要がある。 カワニナ種群はゲンジボタルの餌として需要はあるが、 広域分布する普通種で、繁殖力が凄まじく、無尽蔵に生息するような場所もある。 琵琶湖の島状地(沖の白石など)は容易に行けず、採集も夏場に限られ、命の危険もある。 これらから、乱獲の問題性は低いと考え、ある程度の生息地情報を公開している。

●形態

計数計測形質は控えめに記した。カワニナ科の種内変異は著しく、交雑まで含むとその幅が広がり、数字に囚われすぎると、識別がより難しくなる。 例えばシライシカワニナの殻底肋は3〜4本(原記載)とあるが、実際には7本が見られる。 この場合にシライシカワニナではないとして誤同定をする恐れがある。 形態の詳細が必要な場合は原記載などをご参照下さい。

胎殻の確認は肉抜きと呼ばれる処理を施す。鍋で1〜2分ほど茹でて水で冷やし、爪楊枝を刺して回しながら中身を取り出す。 育児嚢に胎殻が見られたら、小皿へ乗せて爪楊枝のこけし部分で、押すようにして胎殻をかき出す。 標本にする場合は、軟体部を無水エタノールで固定し、親殻と胎殻は3日ほど自然乾燥させてジッパー袋へ入れる。

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