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食用

文献18の「カワニナは本当に美味しい」というコラムには、 チリメンカワニナや琵琶湖に生息するカワニナ類とは、 比較にならないほどカワニナは味が良いとされる。 それを検証すべく、日本産カワニナ科全21種類(2010年当時の分類)を、水と少量の塩で約2分間茹でて、中身を爪楊枝で取り出した。 胎殻がある場合は取り除くこともあったが、基本的には全て試食した。

●カワニナ科は美味しくない

写真は試食した個体で上段左からカワニナ、チリメンカワニナ(現キタノカワニナ)、 クロダカワニナ、ハベカワニナ(現イボカワニナ)、 タテジワカワニナ、フトマキカワニナ(現イボカワニナ)、 クロカワニナタケシマカワニナシライシカワニナナカセコカワニナ、ナンゴウカワニナ(現ナカセコカワニナ)、 下段左からコセイカワニナ(現アザイカワニナ)、カゴメカワニナ、 イボカワニナ(現ケショウカワニナ)、タテヒダカワニナオオウラカワニナ、ホソマキカワニナ(現タテヒダカワニナ)、 ヤマトカワニナ(結節型)(現ヤマトカワニナ)、ヤマトカワニナ(肋型)(現トキタマカワニナ)、 ヤマトカワニナ(チクブカワニナ型)(現コンペイトウカワニナ)、モリカワニナ。 結果として21種類中でカワニナは、中間的な位置に感じ、味が良いとは言えない。 最も味が良いのはタテジワカワニナであったが、好んで食べる気にはなれない。

全体的に体層の軟体部は、食感がアワビ類に近く、美味しい種類が多いため、その部分だけを食べると良い。 内臓に胎殻のある場合は、噛み砕く食感が極めて悪く、食べ物とは思えない。 また、内臓は青臭さのある種類も多く、殻頂に近いほど苦味が強くなる傾向がある。 その中でもナカセコカワニナは、舌が痺れるほどの苦味が、毒のようにも感じた。 主な可食部は体層の軟体部だけで、それ以外は不可食部と判断した方が良い。結論としてカワニナ科は美味しくない。



●佃煮

カワニナ4+クロカワニナ6+イボカワニナ5+アザイカワニナ1+ クロダカワニナ5+オオウラカワニナ2+ケショウカワニナ2=25個体を茹でて、 中身を爪楊枝で取り出し、体層の軟体部だけにし、味醂3、酒1、醤油2、溜まり醤油1、中双糖2で、10分ほどとろ火で煮詰め、水飴1を入れて2分ほど煮た。冷蔵庫で冷やしてから試食。 小さい割に歯応えが良く、アカニシの味に近い。酒のつまみに合うが、25個体にしては可食部が非常に少ない。

カワニナ科は味噌汁で食べるという説はあるが、アサリなどの二枚貝と違って、巻貝は殻を開かずに蓋で閉じている。 美味しい出汁が出る構造になっていない。殻と中身の間から旨味はほとんど出ず、殻の表面に付着した泥や藻類などから、青臭さが出て気持ち悪くなる。 中身を食べるにも可食部(体層の軟体部)はとても小さいため、カワニナ科の味噌汁は想像上の料理だと思われる。

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