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飼育

カワニナ科の飼育は面白い。ガラス面の向こう側が見えないほどの付着藻類が、日に日に食べられて無くなる。 毎日のように稚貝が誕生する。稚貝は軟体部を水面へ向け、表面張力で這って水草へ移動する。 20種類程度を飼育したが、カゴメカワニナは死にやすく、 キタノカワニナは長生きし、 ヤマトカワニナは高水温にやや強いなどの印象はあるが、種類による大差はない。

●餌

鑑賞魚用配合飼料(顆粒)とビール酵母(粉末)などが便利で、後述するが雑食のカワニナ科にとって野菜類なども必要。 写真右上はジャガイモの皮に残った可食部を食べている。カワニナ科が高水温以外で死ぬ原因のほとんどは餌不足による餓死。 水温20℃前後は摂食が活発で、水槽の底は常に餌がある状態にしたい。残餌に水カビは生えるが、小まめに掃除しなくても良い。 水カビが気になれば掃除した後で餌を入れて置く。水槽の底へ砂を敷くと、砂粒の間に餌が入り込み、摂餌が出来ないため、何も敷かない方が生存率は高い。 魚類(昼行性)と一緒に飼育する場合に、砂がどうしても必要であれば、水槽の消灯前に餌を多量に入れて置くと、魚類が寝た後で摂餌することが出来る。

●過密飼育と野菜類

カワニナ科の密度が低く、餌となる付着物(主に藻類)が生産され続ける環境では、鑑賞魚用配合飼料だけでも飼育できる。 過密飼育は付着物がすぐに食べ尽くされて、栄養素がほぼ配合飼料からしか得られなくなる。 それが長期間になると栄養素欠乏症になり、殻頂が欠けて螺塔が短くなり、ナカセコカワニナのように矮小化し、自然界の個体とは随分と異なってくる。 それを防ぐために副食として、冷凍野菜類ミックス(枝豆・蚕豆・グリンピース・南瓜などを茹でて潰してジッパー袋へ入れて冷凍)が必要になる。 他にも色々な餌を与えた方が健康を保てる。

●要点
●キタノカワニナが藻類を食べる。
●ナカセコカワニナが藻類を食べる。
●イボカワニナが藻類を食べる。
●カゴメカワニナが体勢を変える。
●タテヒダカワニナが藻類を食べる。
●タテヒダカワニナが砂底を這う。
●ヤマトカワニナが藻類を食べる。
●モリカワニナが冷凍野菜類ミックスを食べる。

停止
生物捕食者(カメ目、ホタル科、ヒガイ属、コイ、ムギツクなど)と一緒に飼うのは避ける。
水温5〜27℃が望ましい。高水温(28〜33℃)が2日以上続くと弱ったり死ぬ個体が出る。
水換え1ヶ月に1回程度。水7〜10割を水道水(カルキ抜きや水温調節は不要)と交換する。
カルシウム貝殻(マガキが最良、他にアサリやカワニナなど)、死んだサンゴ、魚の骨などを入れる。
餌以外の要点は上記した4つ。カルシウムは溶け出すことで、酸性に成り易い水環境を、中性〜弱アルカリ性する。 また、カワニナ科が齧っている様子も目撃する。苔や付着物に覆われた際は、溶け難くなるために洗ったり交換する。 飼育開始1〜2週間は、水槽のガラス面に張り付き、餌を食べる様子が見られないことがある。 水質が悪い場合は水換えを行う。そうでない場合は飼育環境に慣れていないためで、しばらくすると落ち着くことが多い。



モリカワニナ繁殖水槽

0日(2011年08月15日)開始

2011年08月14日に琵琶湖北湖(北岸菅浦)で採集したモリカワニナ7個体(成貝)。 ガラス製のM水槽(359×220×262mm)と蓋、水道水(カルキ抜き無し)、エアポンプ式の投げ込みフィルター(使い古したもの)、 カルシウム(マガキとサルボウの貝殻)、オオカナダモ(カワコザラが多数付着)を設置した。

13日(2011年08月28日)

アザイカワニナ1個体とニセマツカサガイ琵琶湖型1個体を追加した。

21日(2011年09年05日)

短期間ながら一緒に飼育していたミナミメダカ。

48日(2011年10年02日)

稚貝が増えて来た。

115日(2011年12年08日)

水槽へ投入した全生物が生存。モリカワニナは稚貝74個体が増え、産仔直後から殻長18mmまで死貝は見られない。

307日(2012年06年17日)

産仔直後と思われる稚貝が僅かに死んでいた。蓋の無い個体が増えた。

328日(2012年07年08日)

この頃までは数個体の稚貝が死んだのみで、他は元気で順調に育っていた。

371日(2012年08年20日)終了

2012年07月中旬〜8月中旬に水温が高くなり、 ニセマツカサガイ琵琶湖型とアザイカワニナが死亡。 モリカワニナの成貝(親)と未成貝(子)が初めて死んだ。稚貝(子)の死亡も増加。半数ほどは蓋が無い。

まとめ 飼育期間371日(2011年8月15日〜2012年08年20日)の管理
水換え1ヶ月に1回程度。水7〜10割を水道水(カルキ抜きや水温調節は行わなかった)と交換した。
掃除水換え時に底へ溜まった残餌を取り除いた。フィルターは2回ほど水洗いした。苔掃除は行わなかった。
水温夏場だけ室内をエアコンで28〜29℃設定。実際の水温は一時的にそれ以上あったと考えられる。
日照直接的に水槽へは当たらない。主に夜の餌やり時に、蛍光灯を点けることがあった。
飼育魚ミナミメダカ3個体とドジョウ1個体を、短期間ながら一緒に飼育していた。
微小生物カワコザラとウズムシ類が非常に多く繁殖したが放置した。
2日に1回程度。底は常に餌がある状態にした。 観賞魚用配合飼料(顆粒・フレーク)、冷凍野菜類ミックス、ビール酵母(粉末)を中心に、冷凍の赤虫、ミジンコ、イサザアミなども僅かに与えた。
1年余りが経過して、M水槽では狭くて飼育が難しくなり、モリカワニナ繁殖水槽を終了した。 親貝は4個体が生き残り、稚貝は殻長3cmの未成貝まで育った。後半年もあれば成貝になると思われる。 繁殖水槽としては成功だった。繁殖に大切なことは、高水温を防ぎ、常時摂食できる環境を保つことであった。 これは他のカワニナ科も同様だと考えられる。



●屋外水槽

写真は設置から15年ほど掃除などをせず、屋外に置いているプラスチック水槽。 この水槽ではキタノカワニナが何年も世代交代を繰り返した。 ミナミメダカのために配合飼料などを入れているが、 キタノカワニナはオオカナダモや水槽面に付着した藻類を食べていた。 そこへヤマトカワニナトキタマカワニナを入れたところ、 キタノカワニナは駆逐されたのか見られなくなった。

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