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採集

滋賀県でたも網を使い、貝(カワニナ科も含む)を採集すると、
滋賀県漁業調整規則 第51条 第6項 違反という解釈もあるため注意が必要。


種類 平服+徒手 平服+たも網 胴長+たも網 水着+徒手
カワニナ
チリメンカワニナ
クロダカワニナ
ナカセコカワニナ
ナンゴウカワニナ
ハベカワニナ
クロカワニナ
フトマキカワニナ
タテジワカワニナ×
タケシマカワニナ××
シライシカワニナ×××
コセイカワニナ×××
イボカワニナ×
カゴメカワニナ×××
タテヒダカワニナ
オオウラカワニナ
ホソマキカワニナ
ヤマトカワニナ(結節型)
ヤマトカワニナ(肋型)
ヤマトカワニナ
(チクブカワニナ型)
モリカワニナ
採集に適する◎  採集は可能○  採集は厳しい△  採集は不可能に近い×
日本産カワニナ科で広域分布は、カワニナ(日本全国)、 チリメンカワニナ(本州・四国・九州)、 クロダカワニナ(静岡県〜岡山県)の3種だけで、 他の18種類は琵琶湖淀川水系にのみ分布する。また、広域分布3種も琵琶湖淀川水系に分布する。 そのため日本産カワニナ科の採集は、琵琶湖淀川水系を想定して記す。

●平服+徒手
自然石護岸の水面近くに見られるヤマトカワニナ(結節型)のような種類は、 岸から目で確認して、手が伸ばせる範囲で捕れる。但し、足元が滑りやすいため注意が必要である。

●平服+たも網
垂直に近いコンクリート護岸では、2mほどに伸びる長いたも網を使い、 底引きするとチリメンカワニナホソマキカワニナなどが捕れる。 また、たも網でコンクリート面を舐めるように掬うと、 タテヒダカワニナなどが捕れることもある。

●胴長+たも網
 
岩盤や礫底に生息するナカセコカワニナなどは、 靴は滑って危険なため、胴長を履くことで、怪我の予防になる。 岸からやや離れた湖底で見られるタテジワカワニナなどは、 胴長を履いて湖へ入り、たも網を使うことによって、水深1.5m程度まで掬うことが出来る。 岩石底では普通のたも網よりも、エビたも網で掬う方が効率が良い。 また、箱眼鏡があると湖底が良く見えて採集しやすい。 採集個体の持ち運びは、胴長に網袋を吊り下げ、採集した個体を入れると便利である。

●水着+徒手(素潜り)
  
タケシマカワニナなどが生息する水深1.5m以深は、 海水パンツでの素潜り(海水パンツ、長袖シャツ、シュノーケル、水中マスク、シューズ、足ヒレ、網袋を装着)で採集できるが、 琵琶湖は高波、湖流、急激な水温差、休憩場所が少ない、船舶の往来、釣針など、危険が多い。 岩礁や岩石湖岸は軍手を嵌め、岩との衝突に気をつける必要がある。 砂礫湖岸は水草に体が絡んで泳ぎ難く、底の泥が巻き上がって視界が悪くなることがある。

海水パンツでの素潜りは、7〜9月に行える採集方法である。 10月(気温約17℃、水温約21℃、雨、雲で日照無し)に1時間余り素潜りした際、軽度の低体温症になったことがある。 ウエットスーツでの素潜り(ウエットスーツ、ウエイト3kg、ベルト、シュノーケル、水中マスク、シューズ、足ヒレ、グローブ、網袋を装着)は、 6〜11月に行える採集方法である。12月(気温12.7℃、水温15.9℃、小雨、雲で日照無し)に素潜りした際、 1分ほどで足が悴んで、足ヒレが動かせなくなったことがある。 ドライスーツは素潜りそのものが難しいと考えられる。 なお、潜水器(簡易潜水器を使用する漁法を含む)による水産動物(カワニナ科も含まれる)の採集は、 滋賀県漁業調整規則第38条第5項により禁止されている。

琵琶湖は海より浮力が弱く、浮上への力が体感的には3倍ほどに感じる。 たも網を持って水深約5.5mで砂泥を掬ったところ、その重さと水の抵抗で浮上が遅れ、 呼吸が我慢の限界を超え、死を意識したことがある。 足ヒレは長いものよりも、岩場での小回りが楽で、急浮上も容易な、短いものが良い。 シライシカワニナコセイカワニナカゴメカワニナなどの採集は、素潜りする必要はあるが、 命を失う危険性も高いため勧められない。



●持ち帰る
 
カワニナ科を持ち帰る際は、容器に採集水域で汲んだ少量の水と一緒に入れれば、エアレーションなどは必要なく、2〜3日程度は問題なく生き続ける。 特に便利なのはジッパー袋で、採集地を書き込むことが出来て、縦横関係なく置くことが出来る。 カワニナ科を入れる量は、個体が重なり合わない程度で、水温32℃程度を超える場合は、水温を下げる必要がある。 2010年4月に胴長のポケットに採集したカゴメカワニナを入れた。 それを忘れて1週間後に見つかり、水もない狭い環境だが生きており、 水槽に入れたところ元気に動き出した。これが夏場であれば死んでいたであろう。

●宅配便

ジッパー袋に水とカワニナ科を入れ、それを更にジッパー袋に入れて二重にする。 それを紙袋などに入れて、何度か送ったが、無事に届いている。 魚類の輸送と違い、高濃度酸素を入れるなどの特別なことは不要だが、 夏場は発砲スチロール容器に入れるなど、およそ水温30℃を超えないような高水温対策は必要である。 写真は2011年11月03日に採集したモリカワニナ成貝13個体+稚貝2個体を、 餌を与えず06日12時までバケツで保管し、梱包後に宅配便で送ったものである。 07日09時に配達され、08日午後まで餌を与えず、全て生存していたとの連絡を受けた。

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