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和名ホソマキカワニナ
学名Semisulcospira (Biwamelania) arenicola Watanabe et Nishino, 1995
分類カワニナ科 カワニナ属 ヤマトカワニナ亜属 ホソマキカワニナ種
写真
分布琵琶湖北湖(長浜市びわ地区〜守山市、高島市〜大津市)、琵琶湖南湖(西岸)。
環境砂底に多い。希に泥底の水路でも見られる。 琵琶湖流入河川の河口付近や内湖など、有機物の堆積した場所で、チリメンカワニナと一緒に見られることもある。 そうした場所で見られるヤマトカワニナ亜属は、ハベカワニナと本種くらいである。
食感は悪く、やや苦く、旨みはほとんどない。
形態 殻底肋2〜4本、殻表は基本的に平滑。殻頂に近いほど縦肋が目立つ。
備考 タテヒダカワニナの項で記したように、 本種とタテヒダカワニナは同種と思われる。 また、文献5にある ナカムラカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) nakamurai (化石生物)の写真と本種は、非常に良く似ているため、両者は同種の疑いもある。 文献4イボカワニナとする写真は、3以外(1,2,4)本種と酷似するため、 イボカワニナと本種を混同している疑いがある。

文献9では琵琶湖北湖(東岸)に分布するとあるが、 琵琶湖北湖(西岸)と琵琶湖南湖(西岸)にも本種と見なせる個体を確認している。 タテヒダカワニナの分布域である琵琶湖及び瀬田川(瀬田川洗堰上流)の砂底であれば、 本種と見なせる個体は見つかると思われる。

写真Qb050001〜002の琵琶湖北湖(沖島周辺)産は、 同産地の写真Qb050003〜004よりも、 螺層角が広く、螺層数が少なく、体層の膨らみが強く、軟体部の黄色がより濃い。胎殻はやや大きなものを3つしか保育していなかった。 同産地にしては変異が大きいため、琵琶湖北湖(沖島周辺)のタテヒダ系3種は、今後に精査が必要である。

琵琶湖北湖(長浜市びわ地区)産は、他産地と比べて胎殻が極端に大きくて少ない。 また、琵琶湖北湖東岸の分布では北限で、局所的であることから、未記載種の可能性もある。

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