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当ページは琵琶湖などの湖沼、中流域から河口域での、素潜り(スキンダイビング)採集について記しています。
上流域の素潜りは危険度が高いために想定していません。胴長で入るには水深が深い、釣りをするのは面倒だ、簡単に近付ける場所ではない。
そんな際は素潜りで捕るしかありません。素潜り採集で最大の魅力は、魚の自然な様子を観察でき、捕れなくても楽しいことです。
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軽装 |
水 温 |
31 | 30 | 29 | 28 | 27 | 26 | 25 |
24 | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 | 18 |
大丈夫 | 我慢 | 寒 | 危 |
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7月下旬〜9月中旬。 |
約12,200円+税
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中装 |
水 温 |
25 | 24 | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 |
18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 |
大丈夫 | 我慢 | 寒 | 危 |
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5月下旬〜7月中旬、9月下旬〜10月中旬。 |
約32,800円+税
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重装 |
水 温 |
19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 |
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 |
大丈夫 | 我慢 | 寒 | 危 |
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4月下旬〜5月中旬、10月下旬〜12月上旬。 |
約41,400円+税
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種類 |
価格帯(写真)+税 |
装 |
解説 |
海パン |
1,000〜5,000円(約2,000円?) | 軽中重 | 海水パンツ(水着)です。中・重装は普通のパンツ(下着)でも良い。 |
シュノーケル+マスク |
2,500〜5,000円(約4,000円) | 軽中重 | 排水弁のあるものが良い。新品は洗剤で良く洗うと曇り難い。 |
フィン(短) |
3,000〜5,000円(約3,000円) | 軽中重 | ストラップ固定のノンフロート型が良い。 |
マリンシューズ |
700〜3,000円(約900円) | 軽 | 底の薄いスニーカーでも構いません。 |
革手袋(作業用) |
300〜1,000円(約600円) | 軽中 | 手首をマジックテープなどで固定する物。 |
ラッシュガード |
1,000〜5,000円(約1,700円) | 軽中 | 中装のインナーは重装と同じ長袖Tシャツでも良い。 |
ウエットスーツ(5mm) |
1〜3万円 (約12,400円、約13,300円) | 中重 | 市販のワンピース型。ツーピース型(7mm)が最も保温性が高い様だが高額。 |
ウエイト(1kg) |
1,000〜1,500円(約1,000円) | 中重 | 体重・装備・塩分で異なるが、中装で3〜7kg、重装で5〜8kgが目安。 |
ベルト |
100〜1,500円(0円) | 中重 | ダイビング用。写真は胴長ベルト。百均のスーツケースベルトでも良い。 |
バックル |
100〜8,000円(0円) | 中重 | ダイビング用。写真は胴長バックル。百均のスーツケースベルトでも良い。 |
ブーツ(ダイビング用) |
3,000〜10,000円(約5,400円) | 中重 | 足首まで隠れるクロロプレンゴム製の物。ウエットスーツの上に被せる。 |
ソックス(短) |
700〜3,000円(約700円) | 中 | 足首まで隠れるクロロプレンゴム製の物。ブーツを直履きでも良い。 |
ソックス(長) |
800〜3,000円(約800円) | 重 | すねまで隠れるクロロプレンゴム製の物。ウエットスーツの中に入れる。 |
長袖Tシャツ |
1000〜2,500円(約1,500円) | 重 | 普通の長袖カットソー。インナーにして、潜る度に着替えると、冷たくない。 |
グローブ(ダイビング用) |
1,500〜5,000円(約3,300円) | 重 | クロロプレンゴム製の物。ウエットスーツの上に被せる。 |
フード(ダイビング用) |
1,800〜9,000円(約2,100円) | 重 | 首が隠れるクロロプレンゴム製の物。フードベスト(高価)だとより暖かい。 |
上記の他に濡れた体を拭く、バスタオルなどは必要です。また、濡れた足を拭いて靴を履く際に、ベランダサンダルがあると便利です。
上表の水温は夜や曇りなどで日照が無く、30分間ほど素潜りする場合の目安です。
強い日差しがある場合は、同じ水温でも暖かく感じ、大丈夫レベルの下限が我慢レベルまで広がります。
軽装(水温26℃以上)、中装(水温20℃以上)、重装(水温14℃以上)の順に暖かい格好ですが、同順に動き辛くなります。
だいたい水温16℃以下で、手首と足首の保温対策を怠ると、痺れて動かせなくなり、沈み始めて命の危機になります。
少し凍える程度でも、水中に長時間いると、低体温症の危険性があります。
重装(写真と同じ格好)は水温4.9℃で、10分間は大丈夫でしたが、長時間は危険です。
潜水器(簡易潜水器も含む)を使っての採集は、禁止されている都道府県がほとんどです。
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●シュノーケルとマスク
シュノーケルは排水弁付きの方が、肺活量が少なく済んで楽です。
逆止弁付きは水の侵入はなく、開閉弁は水が浸入し難いですが、潜水中もパイプ内に空気が残るため、浮力が強くて潜り難いです。
また、ブクブクと音がうるさく、魚に気付かれ易く、採集には不向きです。
パイプは丸く太いほど、抵抗が強くなるため、流線型の物が良いです。
波渋き除け+流線型+排水弁が採集には適しています。
マスクは排水弁付きの方が、侵入した水や寒くて出る鼻水を、鼻息で排出可能なため便利です。
但し、排水弁のない方と違って素材が硬く、鼻を摘まんでの耳抜きが出来ないため、
水深4m以上潜行する場合は、鼻を摘ままなくても耳抜き出来る技術が必要です。
水面を移動するときは、シュノーケルが水上に出ます。
それが目立たない暗色だと、船などに気付かれないため危険です。
シュノーケルは夜でも目立つ明色が良いです。
コンタクトレンズをされない視力の低い方は、マスクと眼鏡は一緒に装着できないため、
度付きマスク(8,000〜40,000円)や吸盤タイプ度付きレンズ(2枚で約2500円)も便利です。
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●フィン
海のスクーバダイビングでゆったり泳ぐ場合は、フィン(足ひれ)は長いフルフット型(素足で履く)が普通ですが、
海水と違って淡水は浮力が弱く、水深5m前後だと浮上への力が3倍ほどに感じます。
その場合にロングフィン(長いブレード)は小回りが利かず、水面へ上がる際に遅れがちです。
写真左から4番目は浮上が遅そくなり、酸素欠乏症の寸前で死にかけました。
また、フルフット型は脱ぐと素足なため、岸を歩くことが出来ず、魚をバケツなどへ入れに行けません。
他に水へ浮くフロート型は、水面を叩くように泳ぐため、その音で魚に気付かれ易いです。
ノンフロート型は水中で静かに動かせ、長距離の移動も楽です。
まとめると魚捕りでのフィンは、ショートフィン・ストラップ・ノンフロート型が良く、逆にロングフィン・フルフット・フロート型は危険です。
私は写真左端を愛用しています。
徹夜で約7.176kmを泳ぎましたが、他のフィンであれば難しいと思います。
潮汐の影響がある下流域から河口域は、川の流れと引き潮が重なると、流れが非常に速くなります。
満ち潮でも瓶の首のように狭まる場所は、自転車くらいの速度で流され、逆らって泳ぐことはほぼ不可能です。
予め潮の動きが弱い時間帯(干潮後の1〜2時間など)を、調べておく必要があります。
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●手袋
怪我防止のために手袋をします。
安価な軍手でも構いませんが、革手袋(作業用)の方が水切れが良く、手首がマジックテープで固定されているため、
やすの先端や障害物などに触れた時、捲れ難くて安全性が高いです。
低水温で手首が動かなくなったら、危険ですからすぐに水から上がって下さい。
この症状を防ぐにはグローブ(ダイビング用)が必要です。
クロロプレンゴムは分厚いほど、防寒性は高くなりますが、細かい作業がし辛くなります。
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●網袋
魚を捕った際に、岸に置いたバケツへ戻るのは面倒で、長く泳いで移動すると、逃げられる恐れも高まります。
そこで一時的に魚を入れる網袋が便利です。洗濯ネットが安価(百均)で使い易いです。
様々な種類や大きさがありますが、その中でも角型は魚を入れる際に逃げられ難いです。
また、網目が粗い方が、泳ぐ際に水切れが良く、魚の粘液が付着し難くて良いです。
ファスナーカバーは完全に閉めることが難しく、魚が吻端や尾鰭を捻じ込んで、逃げられることもあるため、ハサミで切っておきます。
ジョイントホルダー、パセットバンド、短い紐などで、腰付近(ベルトや海パンの紐)に括ります。紐が長いと足や障害物などに絡まって危険です。
捕った魚は水中で入れようとすると、逃げられることが多いため、近くの岸まで移動して入れると良いです。
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●水中ライト
夜間の採集に必須なのが水中ライトです。価格帯は900〜80,000円と幅が広くて種類も様々です。
耐圧水深10m以上で、手首に巻けるストラップ付き、照射角が中程度から狭く、明るくなり過ぎないものが良いです。
照射角が広く、光量が強いと、魚に気が付かれて、逃げられてしまいます。
また、水中ヘッドライトは、手に持つ必要が無くて便利ですが、不用意に魚を照らし過ぎる恐れもあり、一長一短があります。
写真左が愛用している水中ライト(880円+税)です。ストラップ部分にホイッスルも付き、緊急時になれば人に知らせることも出来ます。
これを左手(右利きの場合)にストラップを巻いて使います。電池は水中で切れないよう、未使用かそれに近い物や、充電池をフル充電にして使います。
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No. | 日時(2014〜2015年) | 時間 | 場所 | 塩分 | 水温 | 気温 | 水+気 | 濁度 | 天気 | 風速 | 素潜り人 | 寒さ度 |
1 | 12月31日23:58〜01月01日00:03(夜) | 5分 | 琵琶湖A | 1‰未満 | 10.5℃ | 2℃ | 12.5℃ | 良く澄む | 霙雪 | 5〜10m | 要芽、ガヤ、西村 | ■■■3 |
2 | 01月25日02:32〜02:45(夜) | 13分 | 三重県河口域A | 5〜10‰ | 8.3℃ | 4℃ | 12.3℃ | ささ濁り | 晴れ | 1〜2m | 西村 | ■■■■■5 |
3 | 01月28日21:07〜21:17(夜) | 10分 | 三重県河口域B | 5〜10‰ | 4.9℃ | 1℃ | 5.9℃ | カフェオレ | 晴れ | 4〜6m | 要芽、西村 | ■■■■4 |
4 | 02月08日03:13〜03:33(夜) | 20分 | 琵琶湖B | 1‰未満 | 7.8℃ | 3℃ | 10.8℃ | ささ濁り | 曇り | 0〜1m | ガヤ、西村 | ■■2 |
5 | 02月15日05:02〜05:18(夜) | 16分 | 三重県河口域C | 10〜15‰ | 9.8℃ | 4℃ | 13.8℃ | ささ濁り | 曇り | 1〜3m | 要芽、西村 | ■■2 |
6 | 02月21日08:48〜09:07(昼) | 19分 | 琵琶湖C | 1‰未満 | 6.6℃ | 0℃ | 6.6℃ | 澄む | 晴れ | 0〜1m | 西村 | 0 |
7 | 02月28日23:56〜03月01日00:07(夜) | 11分 | 琵琶湖D | 1‰未満 | 8.3℃ | 2℃ | 10.3℃ | ささ濁り | 曇り | 0〜1m | 要芽、西村 | ■■■■■5 |
8 | 03月01日04:35〜05:01(夜) | 26分 | 琵琶湖E | 1‰未満 | 7.8℃ | 4℃ | 13.8℃ | 良く澄む | 雨 | 0〜1m | 要芽、西村 | ■1 |
9 | 03月06日23:43〜03月07日00:11(夜) | 28分 | 琵琶湖F | 1‰未満 | 6.3℃ | 2℃ | 8.3℃ | 澄む | 曇り | 1〜2m | 西村 | ■■■3 |
10 | 03月07日03:00〜03:43(夜) | 43分 | 琵琶湖G | 1‰未満 | 8.0℃ | 1℃ | 9.0℃ | 良く澄む | 曇り | 0〜1m | 西村 | ■■2 |
11 | 03月22日00:56〜01:57(夜) | 61分 | 琵琶湖H | 1‰未満 | 11.0℃ | 10℃ | 21.0℃ | やや濁る | 晴れ | 0〜1m | ガヤ、Y、西村 | ■■■3 |
12 | 03月22日04:47〜05:08(夜) | 21分 | 琵琶湖I | 1‰未満 | 9.8℃ | 7℃ | 16.8℃ | 澄む | 晴れ | 0〜1m | ガヤ、Y、西村 | ■■■3 |
13 | 03月28日19:49〜20:51(夜) | 62分 | 愛知県河口域A | 1〜3‰ | *13.5℃ | 13℃ | 26.5℃ | ささ濁り | 曇り | 0〜1m | maiky、西村、 オイカワムツ | ■■■3 |
14 | 04月19日01:05〜02:14(夜) | 69分 | 琵琶湖J | 1‰未満 | 11.5℃ | 8℃ | 19.5℃ | やや濁る | 曇り | 0〜1m | 西村 | ■■2 |
寒さ度 0:余裕だね 1:問題なし 2:少し来る 3:何とか我慢 4:きつい 5:危ない 6:死ぬぅ 7:落命の危機 *潮が満ちて水が被った水面近くで計測。昼間に温まった地面の影響があり、中層の水温は10〜11℃です。
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重装は水温14℃以上での使用を推奨しますが、13℃以下で14回素潜りした結果が上表です。
寒さ度5はウエットスーツとフードの隙間に、新鮮な冷水が出入りし、胸と背中が痺れました。
隙間をうまく閉じるように着られると、30分は潜っていられると思います。
インナーはNo.1〜7がラッシュガード、No.9が発熱インナー、No.8とNo.10〜14が長袖Tシャツです。
暖かさだけを優先すると、水を吸って膨れて隙間を埋める、長袖Tシャツが最も良いです。
水から上がったら、ウエットスーツを上半身だけ脱ぎ、水分を拭き取って上着を着用し、
その後に下半身を着替えることで、一度に全て脱ぐよりも寒さが抑えられます。
重装は隙間問題を解決し、運動を続ければ、氷点下以外は年中潜れると思います。
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●体感温度
時間(分) | 0 0 | 0 2 | 0 4 | 0 6 | 0 8 | 1 0 | 1 2 | 1 4 | 1 6 | 1 8 | 2 0 | 2 2 | 2 4 | 2 6 | 2 8 | 3 0 | 3 2 | 3 4 | 3 6 | 3 8 | 4 0 | 4 2 | 4 4 | 4 6 | 4 8 | 5 0 | 5 2 | 5 4 | 5 6 | 5 8 | 6 0 | 6 2 | 6 4 | 6 6 | 6 8 | 7 0 |
7:落命の危機 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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6:死ぬぅ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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5:危ない | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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4:きつい | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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3:何とか我慢 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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2:少し来る | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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1:問題なし | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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0:余裕 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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水温13℃以下で重装の場合、体感温度はざっくり、0〜10分(きつい)、10〜20分(余裕)、20〜30分(少し来る)、30〜40分(何とか我慢)。
0〜10分を乗り越えると、夏に潜る感覚くらいになりますが、その前の辛さで諦める方が多いです。
私はそれがわかっているため、0〜10分を毎回耐えられています。40分以上は低体温症になる恐れもあるため、自分の状況を確認して判断します。
水面に浮いて休憩すると、すぐに寒くなります。息が上がるくらい体を動かすと、血の巡りが促進されて温まります。
それを続けると40〜60分くらいは耐えられます。前表No.14は約1.59kmをほとんど止まらず泳ぎ、69分間の素潜りが出来ました。
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●温水を浴びたい
汽水域から上がると、塩分が体に付いているため、水浴びが必要です。タオルで拭いただけでは、
体はねちゃねちゃし、車内に塩を付けたり、落として錆の原因になります。
海水浴場のように温水シャワーはありません。1人5L以上の水が必要です。
夏場であれば10Lタンクなどへ水を入れ、車で持って行って、浴びれば問題ありません。
しかし、冬場(気温20℃以下)に常温の水は、とても冷たくて浴びられません。
過去には10Lタンクに水8L、魔法瓶に熱湯1.5Lほどを入れ、現地で混ぜて温水にしていました。
この方法は水8Lが外気によって、水温5℃程度になることもあり、そこに熱湯(時間が経って70〜80℃)を混ぜても、少しぬるい程度で、冷たくて辛いこともありました。
そこで写真の方法をおすすめします。給湯器60℃設定にし、ペットボトルに5L以上の温水を入れます。
発砲スチロール(クーラーボックスでも可)に、ペットボトルと使い捨てカイロ数個ほどを入れます。蓋をして10時間後でも温水が使えます。
それを頭から浴びれば塩が抜けます。
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●ドライスーツ
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装備 |
軽装 海パン(水着) |
中装 ウエットスーツ |
重装 ウエットスーツ |
乾装 ドライスーツ |
価格 |
◎ |
○ |
△ |
× |
敏捷性 |
◎ |
○ |
△ |
× |
体力消費 |
◎ |
○ |
△ |
× |
着脱 |
◎ |
△ |
× |
× |
防寒 |
× |
△ |
○ |
◎ | |
ウエットスーツと比べるとドライスーツは高価格です。ドライスーツ(65,800円)+フルオーダー(2,727円)、シュノーケル+マスク(3,685円)、ベルト1(100円)、
ベルト2+バックル(1,472円)、ウエイト9.5kg(10,136円)、フィン(2,716円)、長袖Tシャツ(1,364円)、グローブ(1,364円)、フード(1,710円)。
約91,074円+税です。消費税10%だと10万円を超えます。ウエットスーツよりも、
足が浮きやすい、スムーズな動きが難しい、潜る際に体力消費が大きい、深く潜るほどスーツが締め付ける、1人での着脱に苦労します。
ドライスーツから露出した両手と頭は、ウエットスーツと同じ装備なため、常に濡れた状態で、
30分間ほどであれば良いが、それ以上だと両手と顔が痺れます。首の冷えも強くなり、背中も徐々に冷えてきます。
ドライスーツ内には水が僅かに浸入するため、完全な乾燥状態は保てずに濡れます。着替える時は寒いです。
ドライスーツは水面に浮かんで撮影したり、湖底の貝を拾うなどであれば、
防寒装備として優れていますが、素潜りで捕るという敏捷性が必要な行為には、あまりお勧めできません。
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写真左の人が持つ網袋には、素潜りして手掴みで捕ったニゴイ類、その右のバケツにはカニとりくんで捕ったヒガイ(ビワヒガイ型)が入っています。
写真右はたも網で捕ったイワトコナマズです。汽水域ではカキ殻に逃げ込んだホシハゼを、カキ殻ごと手掴みして捕ったこともあります。
要芽さんは素潜りでビワコオオナマズを探し、ルアーを口へ持って行って釣りました。
狙う魚によって採集方法は様々です。
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●手掴み
昼行性の魚は夜に寝ているため、割と簡単に手掴みで捕れます。底にいる魚には手をゆっくり被せて捕ります(ツチフキ(JL)動画参照)。
石の隙間などにいる魚は、たも網で捕ることが難しく、手掴みの方が捕りやすいこともあります。
石をゆっくり動かし、手が入る隙間が出来たら、石に寄り添う魚に、ゆっくり手を被せて捕ります(シロヒレタビラ動画参照)。
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●たも網
名称 |
カニとりくん |
竹柄丸形 |
丸だも(細目) |
丸だも(粗目) |
網 |
|
|
|
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対象魚 |
小 |
小・中 |
小・中・大 |
中・大 |
水抵抗 |
◎ |
◎ |
△ |
○ |
敏捷性 |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
捕獲率 |
◎ |
△ |
△ |
△ |
名称 |
ウナギ手玉 |
水谷だも |
磯玉網 |
ラバーネット |
網 |
|
|
|
|
対象魚 |
小・中・大・特大 |
小・中・大 |
大・特大 |
小・中・大・特大 |
水抵抗 |
○ |
△ |
◎ |
△ |
敏捷性 |
○ |
△ |
◎ |
× |
捕獲率 |
○ |
△ |
△ |
× |
たも網は持ちながら泳ぐと、細目や大きな網ほど、水抵抗が強くなって疲れますし、敏捷性が悪くなって、魚に逃げられ易くなります。
小魚は大きい網で地引網のように掬うか、小さな網を1匹ずつ被せて捕ります。中・大・特大魚は大きめの網を1匹ずつ被せて捕ります。
掬うと水面へ上がるまでに、魚の方が泳ぎが早く、逃げられることがあります。
昼間に中層を泳ぐ魚は、素早くて捕ることは難しいです。
そうした魚も夜間には、底付近で寝ているため、たも網を上から被せ、逆の手で網口を絞り、水面へ浮上して捕ります。
たも網は奥が深い方が逃げられ難いです。
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●スカリ
大きな洗濯ネット円柱型は、網袋に溜まった魚を、一時的に入れるスカリとして使えます。
市販のスカリ・魚籠・胴丸籠よりも、小さく仕舞えます。ニホンウナギやナマズの粘液で汚れても、安価(百均)なため気になりません。
幅52cmですが全長80cmくらいまでの魚は入ります。
骨組みがないため、網が魚にまとわり付きますが、それが魚の状態を固定させ、
暴れることを防止したり、一緒に入れた魚との衝突なども減らします。
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生かして捕ることが難しく、食べる目的の魚は、刺して捕ります。
特にニホンウナギのように、たも網で掬い難い魚、入らないほど大きな魚などは有効です。
刺して取り逃がした魚は基本的に死ぬため、刺す前に本当に必要な魚か、この状況で刺して確実に水揚げできるかなど、
無益な殺生のないよう考えて捕りたいものです。
手掴み、たも網、釣りよりも、都道府県の(内水面)漁業調整規則で、禁止や規制も多く、注意が必要です。
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●やすと引っ掛け釣り
種類 |
1本長 |
2本長 |
3本短 |
3本長 |
3本長(偏) |
4本短 |
4本長 |
5本長 |
9本長 |
金具 |
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葦・水草帯 |
◎ |
△ |
× |
◎ |
◎ |
△ |
○ |
△ |
× |
礫岩 |
◎ |
△ |
× |
◎ |
◎ |
△ |
○ |
△ |
× |
砂・泥・粘土 |
× |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
△ |
○ |
◎ |
水中で魚にやすを刺したら、両手を使って押し込み、金具の返し部分まで貫通させます。
貫通できない大きな魚は、魚と金具が抜けないよう、手で挟んで岸へ持って行きます。
やすは釣具店などで500〜1000円で売られています。選ぶポイントは金具が長い物です。短いと逃げられることが多いです。
葦・水草帯や礫岩などの場所は、その隙間を狙うため、金具幅が狭いほど良いです。
砂・泥・粘土が広がる場所は、金具幅の広いほど、突ける確率が上がり、重いほど魚に深く刺って良いです。
写真の9本長(5本長に4本長を接合)は、40〜60cmの細いニホンウナギ用で、2つの金具が刺さることで、捻じ切って逃げられ難くなります。
柄は主に竹、ステンレス、鉄(塗装)の3種類があり、
竹は節の部分がグリップになり、空気が入っているため、浮いて軽くて扱い易いです。
ステンレスと鉄は滑りやすく、空洞内に水が入って、浮かずに重く感じ、片付ける際も水抜きが必要です。
無難なのは写真の3本長のように、5本長の両端2本を折った竹やすです。
やす以外の刺し方として、竿にルアーやギャング針を付け、魚の近くへ潜って行き、浮上と同時に勢いよく、引っ掛けて釣る方法もあります。
これは成功率が悪く、やすが使えない期間や地域で行う苦肉の策ですが、ニホンウナギとイワトコナマズは釣ったことがあります。
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●鰻を突く
ニホンウナギは夜行性で、日没30分後(常用薄明)から日出30分前(常用薄明)まで捕れます。
胸鰭と肛門の間(全長の1/4)付近を狙って、右手(右利き)でやすを突き刺します。
刺さったらやすで押さえつけ、左手でニホンウナギを掴んで、金具の返しまで貫通させます。これを怠ると簡単に逃げられます。
そして近くの岸へ上がり、やすが刺さったまま網袋へ入れ、ファスナーを金具が抜ける幅まで閉め、手でニホンウナギを押さえながら金具を抜き、ファスナーを完全に閉めます。
網袋に入れたまま泳いで次を探します。持ち帰る時はニホンウナギをジッパー袋などに入れ、氷と一緒にクーラーボックスへ入れます。
網袋に隙間がある物は、2回逃げられたことがあるため、使わない方が良いです。
また、ファスナーは数回使うと、壊れやすくなるため、網袋は2〜3個装備する方が良いです。
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注意 | |
上中流域 | 水泳と素潜りは違う。流れが速くて危険。 |
潮汐 | 引き潮は流れが速くて危険。戻れなくなる。 |
低水温 | 冷水に慣れて来ても、早めに陸へ上がる。低体温症予防。 |
手首と足首 | 痺れるようならば保温対策が不十分で危険。 |
浮上力 | 海水よりも淡水は浮力が弱く、浮上する力がより必要。 |
耳抜き | 排水弁付マスクは鼻摘まみせず耳抜きできる人だけ。 |
フィン | ロングブレードのフロート型は素潜り採集には危険。 |
水中ライト | 水中で電池が切れると危険。未使用電池かフル充電池。 |
色 | 出来るだけ目立つ色の方が安全。特に上半身。 |
これまで落命の危機は4回ありました。2010年10月9日に軽装、気温約17℃、水温約21℃、雨、日照無しで、1時間余り素潜りして軽度の低体温症。
2010年10月11日に水深約5.5mで砂泥をたも網で掬い、その重さとロングフィンの使い難さで、浮上が遅れて酸素欠乏症(ブラックアウト)の寸前。
2011年12月3日に中装、気温15.9℃、水温12.7℃、小雨、日照無しで、1分ほどで足首がかじかみ、フィンが動かせずに沈み、手で必死に掻いて着岸。
2016年7月29日に後ろ向きで急流に飲み込まれ、玉石に尻をぶつけながら、時速50km程度で流された。
素潜りは危険だということを、十分に頭へ入れて楽しんで下さい。
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※無謀な素潜り採集に付き合って下さった方々、ご助言を下さった方々、モデルになって下さった方々に、心より感謝を申し上げます。
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