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淡水魚の多くは水温32℃以上が3日続くと危険です。汽水魚は平気ですけど…。
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淡水魚飼育者にとって真夏は水温上昇との戦いです。
冷水魚(イワナなど)はもちろんカマキリ(アユカケ)などは28℃が生死の境になります。
全般的に淡水魚は高水温に弱く、
真夏に水槽を冷却する前は、毎日のように水槽から死体を出していた辛い経験もあります。
こうしたことが起きないためにも冷却装置は必要ですが、
数万円と高価でありながら1個の水槽しか冷却できません。
扇風機など気化熱を利用した冷却装置は安価ですが、
音がうるさく高湿度の時は効果が低く、低湿度の時は水槽水の蒸発が激しくて室内の湿度が高くなります。
その割に1台1個の水槽を1〜4℃程度しか下げられません。
室内用クーラーを真夏の間ずっとオンにしたままにする方法は優れていますが、
クーラーの近くに水槽がある場合しか使えず、電気代は決して安くはないでしょう。
高価な冷却装置を購入せず、安価で効果的な方法を試行錯誤しましたが、
結論として見つけることは出来ませんでした。
なおここで紹介する方法は自己責任で行って下さい。
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●ペットボトルで冷す
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大きな氷を投入したら隙間に魚が入って凍ったことがあるので危険です。
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水槽を手軽に冷やせる方法ですが、日中の高温時に行う方法のため、水槽から離れているときはできません。
方法はペットボトルと砂を用意します。ペットボトルは水槽が60cm以上ならば2Lサイズが良いでしょう。
ペットボトルの中に砂を2割ほど入れます。砂はペットボトルの錘として使います。
錘がないと水槽内を浮かんで移動して魚を潰すことがあります。
ペットボトルに水をたくさん入れて凍らすと膨張して破裂する恐れがあるため、
キャップを閉めるときにペットボトルを少し押して空気を抜いた状態で閉めます。
それを冷凍庫に錘が下になるように立てて入れます。
凍ったものを高温時の水槽内に立たせるよう置きます。
数分で急速に冷えるため魚に負担もあると思いますが、
高水温で死ぬことを考えると仕方がありません。
心配な場合は500mlサイズのペットボトル(角型は魚を潰す恐れがある)を、
錘を入れず数回に分けて入れるのも良いでしょう。
ペットボトルの氷が溶けたらまた冷蔵庫に入れて何度も使えます。
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この冷却部があれば冷却装置1つで10個以上の水槽を冷やせますよ。
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写真のアルミパイプ冷却部を水槽内に入れて冷水を流し、アルミパイプ部分が冷えて水槽を冷やすという方法です。
観賞魚用ヒーターの棒が冷えていると思ってください。
水槽内に入らないもしくは入れたくない場合は外部濾過器具の中に設置しても問題ないでしょう。
下記の方法の全てにこのアルミパイプ冷却部を使用しています。
方法の違いは冷水をどうやって作るかという点だけです。
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●用意するもの
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アルミパイプ | 直径15mm。ステンレスパイプは熱伝導が悪く使えませんでした。 |
エンビパイプ | 直径18mm。一般的な規格サイズ。 |
エンビエルボ | 直径23.5mm(口径18.5mm)。一般的な規格サイズ。 |
瞬間接着剤(ゼリー状) | シリコン接着でも可能だと思います。 |
ビニールテープ | 厚みのあるもの。 |
ビニールホース | エンピパイプに隙間なく被せることができて曲げたときに折れにくいもの。 |
キスゴム | 観賞魚用に売られているもの。 |
ノコギリ | アルミパイプとエンビパイプを切断できるもの。歯が細かいほうがよい。 |
その他 | ハサミ、モノサシ、軍手など安全作業のために必要なもの。 |
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ビニールホースだけは高くても良い物を選んだほうがいいかも。
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アルミパイプ冷却部はホームセンターで用意に手に入るものばかりです。
安価な材料を使えば1500〜3000円くらいで揃います。
1個を作るのに数百円で出来ます。
アルミパイプが溶け出して魚に影響があると心配される方もおられるでしょうが、
通常よく売られているアルミパイプの外側は樹脂でコーティングされているため、
傷を付けたりしなければ問題ありません。
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●冷却部の作り方
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作業時間は15分程度です。ぜんぜん難しくないです。不器用な私でも出来ます。
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(1)
アルミパイプ冷却部を設置する水槽の横幅を測ります。
60cm水槽ならば横幅は60cmです。水槽の横幅から約15cmを引いた長さが、
アルミパイプを水槽に設置できる最大の長さですのでそれ以下にします。
写真はアルミパイプを20cmに切断しましたが、
エンビエルボに隠れる部分(両方で約6cm)は冷却部として機能しません。
(2)
片側のエンビエルボとアルミパイプを接続します。
隙間を埋めるためビニールテープで適当に何回か巻いてぴったり入るようにします。
奥まで押し込みすぎると水の通りを妨げるので気をつけてください。
(3)
キスゴムを通します。残った片側も上記(2)と同じようにエンビエルボを接続します。
(4)
瞬間接着剤(ゼリー状)を隙間に流し込むように付けます。
接着剤の量が少ないと乾いたときに穴が開くため多めに付けます。
(5)
アルミパイプ冷却部は完成です。
この状態で余裕を持って1日ほど乾かして置くと確実です。
乾いた後は水の入ったバケツにしばらく浸けた後に使うとより良いです。
(6)
連結部分を作ります。エンビパイプを5〜6cmに切断してビニールホースに差し込みます。
奥まで差し込めば水漏れしなため接着剤は不要です。
また連結部分とアルミパイプ冷却部の接続も接着剤は不要です。
解体する際に小さくしまえます。
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水草が冷却効果になるのかなぁ。ただ確実ではないです。
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基本的にアルミパイプ冷却部の中に冷水を流すことが出来れば、
どこのどんな水でも使えるため工夫次第で方法は色々あると思います。
冷水魚を除く淡水魚の場合は32℃以上が危険で、1〜2日の高水温は耐えますが3日続くと急に死魚が増えます。
まずは32℃以上になる日を3日続けないことが肝心です。
水温を計って比べていないため理由はわかりませんが、
経験上からオオカナダモなどの水草を魚が泳ぎ難いくらい水槽に入れると、
真夏を冷却なしで越せることもあります。
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●地下水や水道水で冷やす
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写真は1990年代前半に作った90cm水槽用のアルミパイプ冷却部です。井戸水で冷えすぎでした。
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冷たい地下水が使えるのであれば、
その水をアルミパイプ冷却部に流しておけばよく冷えます。
これと同じように水道水を垂れ流すことも可能でしょう。
例えば水量を少なくして排水を風呂に入れておけば無駄になりません。
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●冷蔵庫で冷やす
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ここで紹介はしますが冷蔵庫は諦めたほうがいいです。
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冷蔵庫を水槽の近くに置き、冷蔵庫内に水を8割ほど入れた金属製バケツの中にモーターポンプを設置します。
アルミパイプ冷却部を水槽に設置してモーターポンプと接続させて水を循環させます。
その際に冷蔵庫の扉は閉めますが、ビニールホースが通る隙間がない場合は、冷蔵庫の側面にドリルで穴を空けて通します。
この方法で2台作りましたが手間と時間と危険を伴うわりに冷えないためおすすめしません。
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●保冷剤で冷やす
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アルミパイプ冷却部 | 上記参照。 |
水中ポンプ | 鑑賞魚店などに売られているもの。バスポンプでも良い。 |
発砲スチロールケース | 魚屋さんや鑑賞魚店で蓋つきの底の深いものを譲ってもらう。 |
保冷剤 | 多いほどよく冷えます。氷では持続力がない。 |
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安価な方法ですが交換が面倒じゃない方なら続けられるような。
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発砲スチロールケースに水中ポンプが水没する程度の水と保冷剤(蓄冷剤)を入れます。
アルミパイプ冷却部を水槽に設置して水中ポンプと繋いで循環させます。
水槽を30℃以下を保てば良いのであれば、アルミパイプ冷却部のアルミ部分を短くし、
保冷剤を水に少しだけつけて置くと、徐々に融けるため長持ちします。
真夏は朝に入れると昼過ぎには融けるため交換が必要になります。
昼過ぎに交換が無理でも何もしないよりは良いと思います。
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●1台の冷却装置で10個以上の水槽を冷やす
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アルミパイプ冷却部 | 上記参照。 |
水中ポンプ | 鑑賞魚店などに売られているもの。バスポンプでも良い。 |
発砲スチロールケース | 魚屋さんや鑑賞魚店で蓋つきの底の深いものを譲ってもらう。 |
冷却装置 | 観賞魚水槽用クーラー。当時は約10万円しました。 |
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この方法は大成功。3万円くらいの安い冷却装置を1つ買って水槽みんな冷やしちゃいましょう。
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私が購入した冷却装置は1台で90cm水槽を1個しか冷やすことができず、
水槽が20個を超えていた時は困っていました。
考えた末に全ての水槽を1台の冷却装置で冷やすことに成功しました。
発砲スチロールケースに冷却装置の冷却部分が浸かるだけ水を入れて設置します。
アルミパイプ冷却部を最も冷やしたい水槽から順にビニールホースで連結し、
それを水中ポンプに繋いで発砲スチロールケースとアルミパイプ冷却部を巡回させます。
そして冷却装置のスイッチをオンにして水温を調節します。
発砲スチロールケース内で冷された水は到達距離が近いほどよく冷え、
遠い水槽は近い水槽に比べると数℃程度ですが高くなります。
水中ポンプが1つでは足りない場合は複数を発砲スチロールケース内に設置することも可能です。
また冷やされた水槽内に水中ポンプを設置し、
近隣の水槽にアルミパイプ冷却部を設置すれば間接利用もできます。
28℃程度に保つのであれば1台の冷却装置で60cm水槽を20個くらいは大丈夫です。
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