ミナミメダカとキタノメダカ /
西村 Email |
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日本産魚類検索3で English name: Northern medaka に和名が与えらたようです。http://nh.kanagawa-museum.jp/whatsnew/news/wn36.html 当サイト内も変更するべきですが、日本産魚類検索3を確認したくても、発注しているものの、まだ手元に来ないため、詳細を確認してから、他の種類なども一緒に、反映させようと思っています。
●ミナミメダカ Oryzias latipes (Temminck and Schlegel, 1846) 岩手県〜沖縄県に分布
●キタノメダカ Oryzias sakaizumii Asai, Senou and Hosoya, 2011 青森県〜兵庫県の日本海側に分布
ようするに、2011年12月〜2013年2月まで、学名はあるが和名はなかった、メダカ属の一種(Northern medaka)に、キタノメダカという新称が与えられ、メダカはミナミメダカと改称され、メダカ(種)の和名は破棄されました。これが事実であるとしたら、突っ込みたいところが多いです。
(1)メダカを改称する必要性があるとは思えません。
先のURLにメダカは近縁種を含む総称とありますが、これはメダカ種群やメダカ属という別の呼称があります。例としてホトケドジョウと呼ばれていた中に、流れにいるナガレホトケドジョウが見つかりました。これをメダカ方式に当てはめると、止水にいるホトケドジョウを、シスイホトケドジョウにしたのと同じことです。しかし、ナガレホトケドジョウという和名が発表された後も、ホトケドジョウはホトケドジョウのままです。これは当然です。近縁種の総称とする場合は、ホトケドジョウ種群やホトケドジョウ属という言い方があるからです。
(2)逆に混乱させる「ノ」の存在。
ミナミメダカとキタノメダカは「ノ」の有無で、統一性を欠いているため気になります。ミナミメダカとキタメダカ、または、ミナミノメダカとキタノメダカ、であれば和名による混乱を防げると思います。これではむしろ間違いやすいです。ノが付いていたのどっちだっけ。なんて考えないといけません。おそらくキタメダカという誤表記も、そのうち出るのではないかと想像しています。ミナミアカヒレタビラとキタノアカヒレタビラも、アカヒレタビラという和名は残ったのですけどね。
(3)キタノ(北の)やミナミ(南)が分布から想像し難い。
兵庫県に分布するキタノメダカ、岩手県に分布するミナミメダカ、地理的な違和感があります。富山県〜兵庫県にはキタノメダカと、ミナミアカヒレタビラが分布します。
(4)ミナミメダカ琉球型
種子島以南に分布するミナミメダカ琉球型は、他の型と比べて遺伝と形態の両方で、独自とされています。将来的にはミナミメダカの亜種にされるのではないかと思われます。そうなると単純に言えばリュウキュウミナミメダカかリュウキュウメダカ。ミナミメダカ琉球型だけでも違和感があるのですが、リュウキュウとミナミは、どっちがミナミなのかよくわかりません。琉球型を記載する際に、混乱するからと、またミナミメダカを改称するのでしょうか。和名は安定が大切だと思います。
(5)ミナミメダカに改称する際の意見交換や議論
メダカをミナミメダカにするという話は、これまで明るみにされて来ませんでした。研究者間での議論や、パブリックコメントも募集せず、Sさんだけの考えで、ミナミメダカになりました!はどうかなと。ニホンウナギも新標準和名として、ウナギをニホンウナギにしませんか、という提案から始まっていますし、差別魚名も改名案から始まっています。結局バブコメは何も反映されませんでしたが、公的な議論を持つ機会はありました。日本産魚類検索3は素晴らしい図鑑だと想像しますが、メダカ・めだか・目高という日本の文化的にも重要な和名を、図鑑に携わった僅かな人たちだけで、ミナミメダカに変えたから、今後はこれに従ってねは、行き過ぎな気がします。この図鑑は無視してメダカとすると、総称としてのメダカをイメージされる方と、日本語の意味が正しく伝わらないため、広く使われそうなミナミメダカを使わざるを得ません。
さて、愚痴はここまでにして(笑)。写真は今日撮影したキタノメダカの雄です。左側はオトコタテボシガイ、右側はシライシカワニナです。キタノメダカの向こう側はマガキ殻です。淡水魚にカルシウムものを入れるのはあまり良くないのですが、これはシライシカワニナ水槽です。キタノメダカ水槽に改称するつもりは一切ありません(笑)。

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Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
西村 Email |
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写真は今日撮影した屋外で飼育しているミナミメダカです。左側はミナミヌマエビ、右側はモリカワニナです。たまに餌を放り込むだけで、何も手を加えていませんが、ミナミとミナミは勝手に世代交代しています。メダカ水槽と呼んでいましたが、改称するかは、パブコメを募集したいと思います(笑)。

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Re: Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
サレンダー Email |
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こんばんは。
違和感は確かにあります。
北日本型 ニホンカイメダカ
南日本型 メダカ
と呼ぶのがいいのではと思いますが。
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Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
西村 Email |
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サレンダーさん。コメントありがとうございます。2種とも日本海側と太平洋側に分布するため、
ニホンカイメダカはちょっと難しい感じですが、ミナミとキタノよりは、分かりやすいと思いました。
紙媒体の魚類検索3は、不変として10年は生き続けるでしょうし、今更何を言っても感があります。
勢いで長文を書きましたが、諦めて私は従うつもりですし、このスレも軽く流してくださいね。
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Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
maiky |
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こんにちは。
魚より貝達が素晴らしい(笑
モリモリ水槽で!
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Re: Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
早川 Email |
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おはようございます。
日本産魚類検索3、ついに出たようですね!
僕も発注しようと思います。それにしても\35,000-に消費税とは汗。まぁ仕方のない事ですね。せめて、あと諭吉さん一枚少なければ。。
僕は、西村さんのこういう愚痴(?)を聞けるの、凄く好きです。と言うより、凄くためになります(^0^)/
ありがとうございます。(感謝
種としての和名が無くなったとは、信じがたい事ですね。
西村さんから、種・亜種の定義・存在意義を伺ったため、少なからず理解し始めていますが、さすがに今回は僕でもおかしいなと思いました。
何故、基となる種の名が改変されたのでしょうね。
「ノ」の存在は、発声問題や語句の数合わせの為でしょうか?
・キタメダカだとワンフレーズで言えますが、敢えてノを入れて、キタノ_メダカ として、ノの後に一拍休みのような感じを持たせたかったのでしょうか?まぁ、キタノメダカとワンフレーズでも言えるのですが、日本人特有の「間」を持たせたかったのではないでしょうか。
・キタ:2文字、ミナミ:3文字 → 3文字ずつに統一させたかった??
あとは、
先のミナミアカヒレタビラ・キタノアカヒレタビラに準じ、それこそ、ノが付いていたのはメダカの方?アカヒレタビラの方?どっちだっけ。と考えないようにしたかったからでしょうか。
でも、何だかしっくりきませんね。
特にメダカやドジョウって日本人にとても馴染み深い魚ですから、名称が変わるのって何だかなぁと思います。
西村さんの書かれた(5)、凄く共感できます。
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Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
タロベエ |
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こんにちは。
>メダカ水槽と呼んでいましたが、改称するかは、パブコメを募集したいと思います(笑)。
「メダカ入れ」か「外の発泡」これが最適だと思いますが、いかがでしょ〜か???あんまり参考にしないで(爆)
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Re: ミナミメダカとキタノメダカ /
西村 Email |
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コメントありがとうございます。
maikyさん。この貝たちの真価がわかるのはmaikyさんくらいかも(笑)。
貝のモリは好きでも、違うモリは嫌いなので、検討させて頂きます。
早川さん。高いですが、数年で絶版になるでしょうから、プレミアが付いたら、売りましょう(笑)。
南北のノはミナミトミヨとキタノトミヨ(イバラトミヨ)から始まっているかもしれません。
南日本集団→ミナミメダカ、北ノ日本集団→キタノメダカであれば、まだわかるのですがね。
新称のキタノメダカについては、命名者の自由でもあるのですが、メダカの改称は問題が残りますね。
総称としてのメダカ、種としてのメダカ、これを区別するのも、普通の方は混乱しそうな気がします。
タロベエさん。参考にさせて頂きます。今やメダカではなく、入れ物も発砲ではないですが…。
パブコメで頂いた貴重なご意見は、慣例に従って何も反映させず、形式だけで終わりたいと思います(爆)。
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