ぎょぎょランド





●はじめに
私は水族館が好きで何ヶ所か見に行きました。しかし、そのほとんどは海水魚や熱帯魚中心の水族館がです。 そうした中で日本の淡水魚を中心とした数少ない水族館をご紹介致します。 「ぎょぎょランド」とは豊川市赤塚山公園の中にある施設で1993年7月にオープンした淡水魚水族館です。 ご確認やお問い合わせは、豊川市施設管理協会・赤塚山公園管理室までお願い致します。 入園料(入館料)や駐車場も無料ですし、水族館だけでなく「アニアニまある」にはウサギ、モルモット、ヤギ、ヒツジなどもいます。 「水の広場」で夏には多くの子供達が水遊びをしていました。 来園者も家族連れの方が多く、家族サービスにもよいところかもしれません。 尚、ぎょぎょランドの浅香智也さんに 特別にご配慮して頂き、サイト掲載についての承諾を頂いております。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。



●豊川市赤塚山公園の概要
 
【所在地】
赤塚山公園管理室
〒442-0862 愛知県豊川市市田町東堤上1-30
TEL:0533-89-8891 FAX:0533-89-8892
【地図】
「MapFan Web」
【交通】
名鉄国府駅及びJR豊川駅からバスで約20分
東名高速道路の豊川インター及び音羽蒲郡インターから車で約15分
【駐車場】
340台(身体障害者用駐車台数5)、駐車料(無料)
【休館日】
毎週火曜日、国民の祝日の翌日、年末年始
【開館時間】
AM9:00〜PM5:00
淡水魚水族館「ぎょぎょランド」、ふれあい動物広場「アニアニまある」
【入館料】
無料
【注意事項】
フラッシュ・ストロボ撮影はご遠慮ください。
魚や動物を驚かしたり、いじめたりしないでください。
禁煙にご協力ください。
ペットの持ち込みはご遠慮ください。
【その他施設】
「水の広場」、「花見広場」、「花しょうぶ園」、「梅園」、「歴史のエリア」、「市民のスクエア」



●水族館内
私はいつもこの水族館を訪れる際は、日本の淡水魚を見に行くという目的で出かけていますので、 特に熱帯魚や水生生物などの生き物に対する紹介などに、不備があるかと思いますがご容赦ください。 また、観察できる魚種などは異なる場合が考えられます。では1階から2階へ順路ごとにご紹介します。

[ふれあいの池]
水族館内に入る前に、キンギョやニシキゴイなどが出迎えてくれます。

[円形水槽]
入館してロビーにある水槽で主に美しい熱帯魚類を観察できるようになっていました。 ロビーには長椅子がいくつか並べてあり、そこで魚を見ながら自販機で買ったアイスクリームなどを食べている家族連れが多かったです。

[世界の池]
世界の池  世界の池
浅い水深の池があり、そこにはアメリカザリガニが多く飼われており、 小さな子供でも触れ合うことができるようになっていました。 メインのS字のような大きな水槽は、水深により3段階に区切られていました。 ソウギョ、チョウザメ、コイ、ナイルテラピアなどの大きな成魚がゆうゆうと泳いでいました。水深の浅い場所にはカメなども見られました。

[流れの水槽]
流れの水槽  流れの水槽  流れの水槽
世界の池から進むと勾配の緩やかな場所に出ます。ここが淡水魚水槽のメインと言ってもよい場所です。 右側に大きな水槽が3つあります。一番奥の水槽が上流となっていて、流れ下った水が下流へ行く様が素晴らしいです。 豊川水系の魚が見られるようになっています。
下流の水槽にはニゴイ類、ニホンウナギ、ブルーギル、ギギなどが見られました。 1つの土管の中から何尾も顔を出すニホンウナギや、水槽の奥にある壁に空いた穴に頭だけを突っ込んでいたギギも面白かったです。
中流の水槽には、ウグイ、オイカワ、カマツカ種群、イチモンジタナゴ、フナ類などが見られました。 水槽の常態が良いのだと思いますが、魚の動きが活発で特にどのカマツカ種群も砂を一生懸命にほじってる光景が印象的でした。 カマツカ種群の影響かどうかはわかりませんが、底に敷き詰めてある砂が他の水槽よりも綺麗に見えました。
上流の水槽には、カワムツ、ボウズハゼなどが見られました。 水槽内にはしごのようなものがあり、カワムツがはしごの間を通ったりしていましたが、 こんな大きなアクセサリーが設置できる水槽がうらやましかったです。
小川の流れ水槽を挟んで3つの大水槽の反対側にアマゴ、イワナ類、他のマス類などが多くいる水槽があります。 そこには道側に向けてビニールカーテンがされていました。後で聞いたお話ですが、 ビニールカーテンを締めておかないとすぐに空っぽの水槽になってしまうようです。 またホコリが舞うだけでも、カゲロウなどの虫と間違えて飛びついてしまうようです。 アマゴは養殖個体とのことですが、以前に天然個体を入れた際にはストレスと思われる症状で、 きりもみ回転をして死んでしまったそうです。
ボウズハゼ  ウグイなど  ニホンウナギ  ヤリタナゴなど

[小川の流れ水槽]
ここは私が一番長く見ていた水槽でもあります。 ウシモツゴ、カワバタモロコ、トウカイコガタスジシマドジョウ、ヤリタナゴ、アブラボテなどが見られました。 浅香さんによると愛知県三河地方のウシモツゴで、老体とも思えないのに弱々しい個体でした。 この三河地方の個体は元々は緊急避難的に移植されたものが増えたもので、 いわゆる血が濃いという常態を引き起こしていたようです。 私も同地の個体を現場で見せてもらった際も、弱々しい印象を受けたのを思い出します。 また、その個体は譲っていただいたのですが、短命というわけではなく、弱々しいながらも生き続けました。 その個体群を他の水域にも数箇所に渡って移植しているようで、今後の動向が気になります。

[アクアギャラリーT]
いくつかの小型の水槽が並んでいて、小型といっても水族館の中での小型です。 ホトケドジョウ、カワヒガイ、シロヒレタビラ、モツゴ、タウナギなど大型の混泳水槽では飼育しにくいと思われる魚もいました。

[アクアギャラリーU]
横に長い水槽や円形水槽が16個ほどあり、ピラニアや大型魚など熱帯魚の中でも人気のある魚たちが主に見られました。

[科学展示コーナー]
ここにも水槽があり熱帯魚などが見られます。豊橋平野の模型やネコギギなどの紹介もありました。 いくつか書籍もあり、私の見慣れた魚系の月刊誌も多くそろっていました。 ここは椅子に座れるので、ゆっくりと書籍を読むのもおすすめです。

出口に行く前に創造の部屋というディスカッションなどに利用できるような場所がありました。 水族館を出るといつのまにか2階に来てしまってるという感じになります。 ゆるいスロープで1階から2階まで上れるようになっており、 車椅子の方や高い階段を上りにくいお子さんにも利用しやすい工夫が感じ取れました。 私の目から見た紹介でいたらない部分も多くあったかと思いますが、 みなさまの異なる視点ではもっと素晴らしいところが感じ取れることと思います。



●水族館のバックヤード
バックヤード  バックヤード
ぎょぎょランドの浅香さんのご好意でバックヤードを拝見させて頂く機会を得て、また様々な貴重なお話を聞くこともできました。 まず入って水槽の多さよりは、館内で展示されていない魚など生き物の種類の多さに驚きました。 水族館に展示できる魚はストレスに強くないと弱ったり死んでしまうようです。 種類同定が難しい魚達は、水族館としての展示は控えざるを得なかったようです。 展示されている魚が突然死んでしまっても、すぐに採集できるものばかりではなく、 そういう面でもバックヤードは重要な役割を果たしていると思いました。 また、展示水槽の中で弱ったり、病気になったりした個体を静養させるところとしても、 必要な場所だと感じました。 市民の方などから持ち込まれた特に外来生物がいくつか見られました。 餌は主にコイの餌やマスの餌を与えているとのことで、観賞魚店で見慣れた餌もいくつかありました。 トウカイナガレホトケドジョウ、ルリヨシノボリ、アブラハヤとタカハヤの交雑と考えられる繁殖個体など、 あまり見る機会の少ない魚達も拝見させてもらい楽しかったです。



●水族館を後にして
豊川水系は中上流にネコギギがいると聞きますが、移入魚のギギがネコギギの生息に圧力がかからなければ良いと考えています。 ギギは下流に主にいるということで影響が少ないようにも思えますが、限られた水域で他から入ったギギが増えれば、 同じような生活をしていた競合する在来魚は減少したり、ギギに置き換わる形でいなくなることも考えられます。 また、ギギが捕食する生物への影響も出ているのかもしれません。 まずはその地域固有の在来魚を重視するべきで、かわいそうではありますが、ギギが豊川からいなくなってくれることを願います。

水族館のバックヤードにて、いくつかの外来生物を見させてもらいました。 ワニガメやガーの仲間などの外来生物がいて、身近で捨てられている現状を見た気持ちにもなりました。 そうした大型外来生物を近くの水族館が引取らないといけないというよくある図式は、 水族館にも負担をかけますし、生き物にとっても飼主に捨てられた場合が多いと考えられますから、 かわいそうでもあります。色々なところで言われていることですが、 飼う前にその生き物を最後まで面倒を見るという責任感を持ってほしいと思わずにはいられませんでした。 私ならばもしも止むを得ない場合は、自然に捨てる前に他の方向を模索します。 それでも良い方向が見つからない場合は、殺生することも自然に放すよりはよい方策だと考えています。

「ぎょぎょランド」に出かけたことがある方も、そうでない方も是非ともお近くに来られた際は行って見てください。 俗に刑事さんは、現場100回といいますが、無料ですし淡水魚好きな人なら水族館100回です。それ以上でもいいでしょうね。


参考・引用文献 ※不備がある場合は改めますのでお手数ですがご連絡ください。
□ あかつかやま公園(パンフレット) 赤塚山公園管理室
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