濃尾平野の淡水魚(2)








スナヤツメ (北方種 or 南方種)
 Lethenteron sp. N or S
   
    

水槽に張り付く
湧水で希に捕獲できる程度で、生息数と生息水域は少ないです。 スナヤツメの生息地としてテレビや新聞などに取り上げられて激減した場所があります。 濃尾平野にはスナヤツメ北方種とスナヤツメ南方種の両方が分布するとされていますが、 形態形質から同定できないため、両種の詳細については不明です。



アカエイ
 Dasyatis akajei (Bürger in Müller and Henle, 1841)
    
汽水域で見られます。河口から10km以上も上流で目撃したことがあります。 毒針を持つために、濃尾平野の淡水魚の中では、最も注意が必要な魚です。 写真は釣った方の個体をお願いして撮らせて頂きました。



イセゴイ
 Megalops cyprinoides (Broussonet, 1782)
運河で採集された記録はありますが塩分環境は不明です。



ニホンウナギ
 Anguilla japonica Temminck and Schlegel, 1847
  
   
 
慌てて右往左往 砂に潜る
泥の上で静止していました 1分以内に3匹目撃(2015.05.14)
やすで捕獲して網袋へ 流れが速い場所で何とか捕獲
濃尾平野の汽水域は鰻釣りをされる方が多いです。漁協やひつまぶし屋さんがウナギ類を河川に放流しているため、 ヨーロッパウナギやオーストラリアウナギなどが生息する可能性もあります。



マアナゴ
 Conger myriaster (Brevoort, 1856)
汽水域などで幼生が採集されることがあるようです。 聞き込みでは成魚が釣れることもあるようです。



ハモ
 Muraenesox cinereus (Forsskål, 1775)

河口から10km以上のほぼ淡水域
動画の個体以外は確認していません。極希に釣れることがあるようです。



サッパ
 Sardinella zunasi (Bleeker, 1854)
   
   
汽水域で幼魚が夏から秋にかけて、淡水に近い塩分のところまで見られます。



コノシロ
 Konosirus punctatus (Temminck and Schlegel, 1846)
   
    

コボラと一緒に冷凍赤虫を食べる
汽水域で夏から秋にかけて幼魚が見られます。 成魚は死んで間もないと思われる1個体を確認したのみです。 サッパよりは塩分が高いところで見つかります。



カタクチイワシ
 Engraulis japonicus Temminck and Schlegel,1846
カタクチイワシのような魚は目撃したことがあります。 汽水域で釣ったニホンウナギが吐き出したことがあります。



コイ導入型  国外移入種
 Cyprinus carpio carpio Linnaeus, 1758
   
    
 
魚体が触れながら移動 何かを食べた
泥が巻き上がって川が汚れる 半分寝ている
ゲンゴロウブナを引き連れる カメラを倒された
生息水域は多く普通に見られます。 導入型と思われる体型のものがほとんどで、在来型と思われる個体も見られますが、 交雑は形態的に識別不可能なため実態は不明です。 ニシキゴイなどの色鯉や希にドイツゴイも見られます。 放流を毎年のように繰り返している河川もありました。



ゲンゴロウブナ  国内移入種
 Carassius cuvieri Temminck and Schlegel, 1846
  
    

ぼーっと通り過ぎる

コイ導入型を追い続ける
生息水域は広いですが、近年は減りつつある印象です。



フナ類
オオキンブナ?
 Carassius buergeri buergeri Temminck and Schlegel, 1846
   
   
   
   
   
 
冷凍赤虫を奪われる 野菜類ミックスを豪快に食べる
吐いた砂を追うタモロコ 人影に驚いて一斉に逃げる
黒点病のような砂を降らす アオイソメを食べる
痒がる個体が多い 鱗がキングギドラ

ギンブナ?
 Carassius sp.
   
   
   
    
   
 
痒くてたまらない カメラ近くで泥を吐く
ヌートリアが通り過ぎる
日本産フナ属魚類のキンブナ、オオキンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ、ギンブナの5種類は、 形態形質のみで同定することは不可能だと判断してフナ類として扱っています。 濃尾平野では上記のキンブナ(オオキンブナと区別している文献)を除く4種類が確認されているようです。 フナ類(オオキンブナ?)の上から2段目は、全長(112.5mm)、体長(86.8mm)、体高(28.6mm)、背鰭分岐軟条(15)、鰓耙数(51)、 この場所ではフナ類(ギンブナ?)と思われる個体も生息しています。 1990年頃に特殊な閉鎖水域でフナ類(ニゴロブナ?)のような個体を何度か釣ったことがあります。 フナ類(ギンブナ?)は塩分に強いようで、名古屋港でも捕れたこともあり、 汽水域で見られるフナ類のほとんどが、フナ類(ギンブナ?)だと思われます。



ギベリオブナ(キンギョ)  国外移入種
 Carassius gibelio (Bloch, 1782)
    

石の間にある食物を探す

コイ類とフナ類の交雑個体
  
常に確認できる場所はありません。たいていは金魚掬いで持て余して、放流された直後だろうと思われます。 品種はワキンが多いですが、デメキンが見られたこともありました。 岐阜県関市にはテツギョ(フナ類とキンギョの交雑個体と考えられている)らしき個体が報告されています。 キンギョは中国のギベリオブナを起源とする品種改良魚とされます。 コイ類とフナ類の交雑個体は、口髭があって側線鱗数32枚で、コイ(33〜38枚)よりも少ないです。 フナ類の種類を特定することは出来ませんでした。