コウライモロコ /
seotaro URL |
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先日、矢作川水系で採取したコウライモロコ?です。大小10匹程度のグループで石の下に隠れていました。
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別の個体 /
おすいぬ Email |
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初めまして。
いつもサイトを拝見して参考にさせていただいております。
今回、Seotaroさんに同行し、コウライモロコ?と判断した者です(笑
髭の長さからコウライだと思ったのですが、コウライではなくスゴでしたか。参考になります。
Seotaroさんが投稿された個体とは別の個体をペタリ。
(暗くなりかけで撮ったのであまりよい写真ではありませんが・・・。)
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Re: 別の個体 /
おすいぬ Email |
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投稿写真と同一個体のお顔のアップです。
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Re: 別の個体 /
西村 Email |
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おすいぬさんのような疑問を持たれる事は当然だと思います。私も数年前はそう答えていたと思います。
そのためコウライモロコについては http://tansuigyo.maxs.jp/a/link7-5.html に記しています。
とリンクを貼りました。せっかくなので、ここにも少し記しますね。
これは http://tansuigyo.maxs.jp/a/gao/T20061211233740.jpg 琵琶湖産(2006/12/11 (月) 23:37)です。
口髭の長さから言えばコウライモロコになりますね。このようなことは希ではなかったため、
2006年12月13日に同定ページにて、形態形質から識別不可能で、亜種としての分類は疑問という内容を記しました。
2006年12月に2個体を持ち帰りましたが、この2個体はまだ元気で、一緒に入っているコウライモロコ(分布域で判断)と、
同じ群で泳ぐので、ほとんど区別できない状態です。口髭の他にも良く似ているというより同じに見えます。
2007年3月10日には「スゴモロコ類およびデメモロコの遺伝的集団構造と形態変異,第44回魚類自然史研究会,柿岡諒ほか」で、
「スゴモロコとコウライモロコは,遺伝的にも形態的にも明確に区別をすることができなかった」と発表がありました。
ようするに、スゴモロコとコウライモロコは亜種を分かつ程度のものではない、同じ種類だということです。
スゴモロコ Squalidus chankaensis biwae (Jordan & Snyder, 1900) と、
コウライモロコ S. c. tsuchigae (Jordan & Hubbs, 1925) では、スゴモロコの方が記載が早いので、
コウライモロコ(少なくとも日本のもの)は同物異名になると判断しています。
同じ種類をこれはスゴモロコだコウライモロコだ、というのはあまり意味がないため、私はスゴモロコとして扱っています。
こうした分類はどの見解に従うかですので、それでもコウライモロコだとされるのも良いと思います。
ただ、魚類調査などでは、スゴモロコとコウライモロコが同所的に見つかっていることもあったりして、
同じものをどうやって識別しているんだろうと疑問に思うこともあります。多くは地理的分布域での判断かと思いますが、
関東ではスゴモロコだけではなく、コウライモロコまでも移入してきたぞ、なんていう話も、
某雑誌で見かけましたが、これは環境変異や個体変異の範疇の変化を識別し、判断しているのだと想像します。
ようするに、スゴモロコ=コウライモロコにより、スゴモロコだと思います。とお答えました。
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Re: Re: 別の個体 /
おすいぬ Email |
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西村 様
早速のレス、ありがとうござました。
>2007年3月10日には「スゴモロコ類およびデメモロコの遺伝的集団構造と形態変異,第44回魚類自然史研究会,柿岡諒ほか」で、
>「スゴモロコとコウライモロコは,遺伝的にも形態的にも明確に区別をすることができなかった」と発表がありました。
>ようするに、スゴモロコとコウライモロコは亜種を分かつ程度のものではない、同じ種類だということです。
>スゴモロコ Squalidus chankaensis biwae (Jordan & Snyder, 1900) と、
>コウライモロコ S. c. tsuchigae (Jordan & Hubbs, 1925) では、スゴモロコの方が記載が早いので、
>コウライモロコ(少なくとも日本のもの)は同物異名になると判断しています。
>同じ種類をこれはスゴモロコだコウライモロコだ、というのはあまり意味がないため、私はスゴモロコとして扱っています。
>こうした分類はどの見解に従うかですので、それでもコウライモロコだとされるのも良いと思います。
>ようするに、スゴモロコ=コウライモロコにより、スゴモロコだと思います。とお答えました。
リンクを貼っていただいたページは何度か目を通していたつもりでしたが上の記述をすっかり失念しており、お手間を取らせてしまいました。すみません。
私の場合はそういった背景に無知であったため「日本産魚類検索 全種の同定 第二版」を参考に、単純にコウライモロコとスゴモロコは分類できるレベルと思い込んでいました。
自分が支持する知見をしっかりさせることも大切なことなのですね。
丁寧なご対応、ありがとうございました。
またなにかしらありましたら、ご教授いただければ幸いです。
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